熊本への支援を行なった高雄市の陳其邁市長(公式インスタグラムより)

 最大震度7の地震が襲った熊本県に、アメリカやブラジル、韓国、中国、イタリアなど世界各国・地域からお見舞いメッセージが寄せられている。その中でも真っ先に手を差し伸べてくれたのがお隣の台湾。

台湾による熊本地震の支援

 地震発生後日の29日、台湾では救援や復興に向けた義援金の募集を開始しただけでなく、日本からの要請があり次第現地へ向かわせる救助隊の派遣準備を完了させたと発表。

 台湾の頼清徳総統も真っ先に自身のXで「台湾と日本は苦難を共に乗り越えてきた真の友人です。私たちは現地の状況を注視しており、必要な支援があれば、いつでも協力できるよう準備を整えています」と投稿し、副総統と個人でそれぞれ100万円を寄付すると表明してくれた。

 さらに、台湾による支援は寄付や派遣だけでは終わらない。

 熊本と交流のある高雄市は熊本への支援を表明すると、同市と連携協定を結ぶ福岡県北九州市がコーディネーター役を担い、物資の調達と輸送を引き受けた。そして今月3日、飲料水やおしりふきなどの衛生用品132箱を積んだ車両が北九州市役所を出発。物資は同日中に熊本県八代市へ届けられ、八代市内や高齢者福祉施設に配布されたのだ。

中でもかなり感謝されたのがテントでした。避難所はダンボールで軽く“区画”を仕切る程度の雑魚寝状態で、プライバシーも何もなかった。だからテントの支援には本当に感謝の声が上がりました。被災者は地震の恐怖で心労がたまり、それでも避難所では人の目を気にしながら“共同生活”しないといけませんから、環境の改善という意味では一助となっていると思います」(地方紙記者)

 これほど迅速な支援が実現した背景には、熊本と高雄が積み重ねてきた友好の歴史がある。

熊本市と台湾・高雄市の友好交流協定

「熊本市と高雄市は、2017年に友好交流協定を締結しています。機体に『くまモン』と『高雄熊』があしらわれた特別塗装機が就航したりと、観光や文化などで交流を重ねてきました。直近では『くまモン』に似すぎと話題になった『高雄熊(ガオションション)』が本家より可愛いと話題になりましたね。熊本県・くまモン課によると『くまモン』と兄弟と称されるほど仲の良い友達という位置付けです」(社会部記者、以下同)

くまモンと台湾の高雄熊

 台湾を代表する半導体大手『TSMC』も復旧・復興を支援するため2億5000万円を寄付すると公表。チャイナエアラインのグループも日本円でおよそ4800万円を寄付するなど、台湾による支援の連鎖は国や市だけにとどまらない。

 連日の台湾による支援の報道に国民からは《台湾は日本政府より日本愛を感じますね》《台湾の皆さんありがとうございます》など感謝と共に、日本政府への不満が噴出するまでになっているほどだ。

「台湾と日本の間には、災害のたびに支え合ってきた歴史があります。2016年の熊本地震の際にも、台湾からは多額の義援金が寄せられ、逆に2024年に台湾東部で大きな地震が起きた際には、日本からの支援が届けられ救援金や救助の派遣などを行なっています」

 『くまモン』と『高雄熊』のように熊本の復興への道のりを、台湾はこれからも“兄弟”として見守り続けてくれるに違いない─。