インターネットの普及により、テレビを見る人は激減。残った視聴者も、昔に比べて厳しい目でテレビを見るようになった。その結果、かつては人気を誇ったはずなのに現代では視聴者から幕引きを求められている番組も……。どの番組がどのような理由で、視聴者から終わりを望まれているのだろうか。そこで全国の20歳以上60歳以下の男女500人を対象に、「終わってほしい長寿番組」についてアンケートを取った。
「見るに耐えない」コンセプト崩壊番組
第10位は、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)だ。
2026年に放送開始から50周年を迎えた有名長寿番組。司会を務める黒柳徹子が持ち前のインタビュー力を発揮し、ゲストと軽快なトークを繰り広げる様が魅力の番組だった。しかし、年齢とともに滑舌が悪くなり、会話にも以前ほどのキレがなくなったという声が。番組自体が不快というより、黒柳の体調を心配して終了を勧める声が多い印象だ。
《徹子さんが素晴らしい方なのは承知の上で、お話が聞き取りづらい》(福岡県・51歳女性)
《放送回数を伸ばすためにやっている感じがする。最近は、ゲストに適切な質問をしていないし、返しもできていない》(千葉県・48歳女性)
第9位は、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)。
放送開始から40年目に突入した、ジャーナリストの田原総一朗氏が司会を務める討論番組。高齢の田原氏の体調を考えてか、番組は4月より事前収録の1時間番組の形態へと変わっており、そもそものコンセプトから逸脱してしまったことにツッコミが寄せられた。また、討論とは言えない田原氏の過激な発言に嫌悪感を抱く人も多い。
《そもそも生でもないし、老害がグダグダ言い続けているだけ》(奈良県・50歳男性)
《マナーのなっていない識者の討論は見るに耐えない》(東京都・50歳男性)
第8位は、1987年から放送されている日曜朝の報道番組『サンデーモーニング』(TBS系)。
関口宏が司会だったころから度々、出演者たちの失言・態度が問題視され炎上してきた番組だ。2024年に司会が膳場貴子アナウンサーに代わっても、その体質は相変わらず。公共の電波を使って偏向報道をおこない世論を誘導しているとして、放送終了を求める人が多い。
《反日のコメンテーターばかり集めて世論誘導しているので》(愛知県・55歳男性)
《公共の電波を使っているにもかかわらず、こんなに偏った報道番組は必要ないから》(埼玉県・46歳男性)
第7位には、『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)が選ばれた。
1994年に放送開始。一般人や芸能人が所有する自慢の品をスタジオの専門家が評価して値段をつける、鑑定バラエティー番組だ。比較的若い人からの票が多い印象。どこが不快だとか見たくないといった理由ではなく、「そもそも興味がないから終わっても構わない」といったスタンスの声が集まった点も興味深い。
《見てないから影響がない》(愛知県・32歳女性)
《観ていて興味をそそられず、面白くないから》(宮城県・36歳女性)
「楽しいのは出演者とテレビ局だけ」
第5位には、『新婚さんいらっしゃい!』(テレビ朝日系)と『輝く!日本レコード大賞』(TBS系)がランクイン。
『新婚さんいらっしゃい!』は、1971年の放送開始から半世紀以上にわたり、様々な新婚さんをゲストに呼んでトークを繰り広げてきた。毎回登場する個性豊かな新婚さんたちを楽しむ番組だが、昨今はマンネリ化してつまらなくなったという声も。そもそも知らない一般人カップルの話に興味がない、時代に合わないという意見も寄せられた。
《時代にあっていないように思います》(島根県・58歳女性)
《他人の結婚生活など見たくない》(北海道・44歳女性)
1959年より始まり、年末の風物詩となっている『輝く!日本レコード大賞』は、その年に最も優れた音楽作品やアーティストを表彰する目的で生まれた番組。歴史ある賞だが、テレビの影響力が落ちたことでその権威は失墜。知らない新人アーティストや、大ヒットしたとはいえない大手事務所所属のアーティストが賞を取るなど、不正疑惑が浮上したことも番組に大きな打撃を与えた。
《役割を終えていると感じるので。継続してもいいですが、過去の問題などもあったので、クリーンなイメージの元に賞のあり方も考えてほしいです》(大阪府・52歳男性)
《まったく緊張感がない初めから大賞曲が決まっている出来レース》(広島県・37歳男性)
第4位は、『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)。
毎年夏に放送されている特別番組。タイトル通り、27時間という巨大な放送枠を取っているのだが、アンケートではそもそも長時間1つの番組を放送する必要性を疑問視する声が。また、テレビ特有のノリが今の視聴者とはズレてきており、楽しむどころか不快に感じるという声も寄せられた。
《楽しいのは出演者とテレビ局だけで、見ている方は不快感しか感じない。変に盛り上げるのも、見ていて恥ずかしい。運悪く見てしまったら嫌な気持ちになるから》(東京都・54歳男性)
《他社のチャリティー関連の番組も同様に思うが、長時間放送を通じて何をしたいのかが伝わらない。時間と放送枠の無駄遣いだと考えるため》(静岡県・54歳男性)
第3位に入ったのは、1989年より放送が開始されたお笑いバラエティー番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)だ。
お笑いコンビ・ダウンタウンの冠番組で、目玉企画『絶対に笑ってはいけない』シリーズなどで人気を誇った番組だったが、やはり現在の価値観に合わなくなってきたという声が。ダウンタウンの人をいじって笑いを取るスタイルに、面白さではなく不快感を抱く人が増えてきたようだ。
《笑いの内容が現在の価値観からは離れている感じがする》(茨城県・43歳男性)
《ダウンタウンの相手をいじるような笑いの取り方が時代錯誤》(北海道・39歳女性)
《いろいろ問題が起きて昔のようには笑えないからです》(神奈川県・60歳男性)
恒例企画に「意味不明」の声
第2位は、1951年より日本の年末の象徴として君臨してきた『NHK紅白歌合戦』(NHK)。
かつては視聴率81.4%を記録するなど、誰もが認める圧倒的な国民的行事だったが、メディアの多様化とテレビ離れによってその注目度は低下した。それでも他のテレビ番組に比べると未だ高い視聴率を誇るが、視聴者からは出演者の選考基準や番組中の演出に対して批判が集まることが多い。一過性の人気を重視して、質を軽んじるアーティスト選びにうんざりしている声が多い印象だ。
《放送理由が分からない 歌合戦になっていない 出演者の基準も分からない》(愛知県・47歳女性)
《昔と違って誰でも出れるようになってしまい出演者を見てもピンとこない》(東京都・36歳女性)
《昔はそれなりのヒットがなければ出場できないくらいの番組でした。近年は特にヒットも無く歌手の質も落ち、お金の無駄遣いだと感じます》(北海道・58歳男性)
そして第1位には、1978年放送開始の誰もが知る毎年恒例のチャリティー番組『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)が選ばれた。
2023年に日本テレビ系列局の幹部社員が、2014年から約10年間にわたって寄付金を着服していたことが判明。視聴者の不信感が一気に高まった。また、チャリティー番組でありながら一部の出演者に高額なギャラが支払われているという疑惑があり、感動的な企画の数々を“偽善”として見る人も多い。
近年は温暖化の影響で夏の気温が上がっていることから、恒例のチャリティーマラソンに対する批判の声も。番組へ向けられる目は、年々厳しくなっている。
《ちゃんと寄付が正しく使われているか疑問とチャリティーなら出演料もらうのがわからない》(静岡県・49歳男性)
《お涙頂戴的な感じが嫌い、寄付もちゃんとしてるのか疑問》(石川県・44歳女性)
《猛暑、熱帯夜のマラソンが意味不明、募金の不正があったため》(北海道・54歳女性)
時代を跨いで長く続いてきたからこそ昨今の価値観とのズレも大きく、忌避されていることがわかる。このまま時代の変化とともに消えていくのか、それとも現代の価値観に合わせて変化し生き残るのか――。
「終わってほしい長寿番組」ランキング
1位:24時間テレビ「愛は地球を救う」(日本テレビ系) 139票
2位:NHK紅白歌合戦(NHK) 76票
3位:ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!(日本テレビ系) 35票
4位:FNS27時間テレビ(フジテレビ系) 24票
5位:輝く!日本レコード大賞(TBS系) 23票
5位:新婚さんいらっしゃい!(テレビ朝日系) 23票
7位:開運!なんでも鑑定団(テレビ東京系) 21票
8位:サンデーモーニング(TBS系) 20票
9位:朝まで生テレビ!(テレビ朝日系) 18票
10位:徹子の部屋(テレビ朝日系) 15票
※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて7月、全国の20歳以上60歳以下の男女500人を対象に実施
