侍ジャパン経験もある巨人・岸田行倫

 巨人のキャプテンが消えた――。8月13日、岸田行倫が登録抹消となり、二軍へ降格することとなった。シーズン途中でリーダーが離脱する異例の事態に、巨人ファンからは制度そのものを疑問視する声も出ている。

 8月11日からの阪神との首位攻防3連戦。巨人の岸田は最初の2試合でスタメンマスクをかぶったものの、阪神の主軸・森下翔太、佐藤輝明に連続被弾を許して連敗。3戦目の試合前に登録を抹消された

 巨人OBの高橋由伸氏はスポーツ紙で森下、佐藤に対して「インコースをほとんど使っていない」と岸田の配球にダメ出し。橋上秀樹監督代行は抹消理由について「一人で背負っている感じがありましたので。そういったところをちょっとファームに行ってもらって、心身ともにリフレッシュという意味合いで」と説明している。

「プロ野球における『キャプテン』は、監督や球団から指名されて決まる現場の役職です。選手会長(巨人は吉川尚輝)が選手会(労働組合)の代表で、球団との待遇交渉や労組の活動を担うのに対し、キャプテンはグラウンド上のリーダーとして選手をまとめ、監督やコーチと選手の間をつなぐのが役目。当然、プレーでチームを引っ張ることが求められます」(スポーツ紙デスク)

名だたる巨人の歴代キャプテン

 巨人の歴代主将を振り返ると、古くは川上哲治氏、長嶋茂雄氏、王貞治氏、原辰徳氏ら、球界を代表するスターが君臨。2010年代以降も、阿部慎之助氏、坂本勇人、岡本和真と、圧倒的な実績を持つ大黒柱が務めている。

阿部前監督は『全員がキャプテンであってほしい』という理由で、昨季に制度を撤廃したものの、3位に沈んだことで今季に復活させることに。活躍したのが実質1年の岸田が指名されると、一部の巨人ファンからは、過去の顔ぶれと比べて『格が足りない』というブーイングも噴出。『円陣番長』という異名を持つほどムードメーカーだったことも指名理由のひとつでしょうが、キャプテンを背負わされたことで、本人のプレッシャーとならないか不安視もされていました。今季は大城卓三が好調をキープしたことで正捕手の座が揺らぎ、焦りもあったのでは。『肩書』が少なからずプレーに影響し、悪い方向に出てしまった印象です」(スポーツ紙記者)

“坂本勇人2世”との呼び声も高い巨人・石塚裕惺(公式インスタグラムより)

キャプテン就任も期待されるスター候補

 ネット上では登録抹消を受けて、《岸田はキャプテンなんだから二軍はないんじゃないか?》《重圧を背負わされて可哀そうだった》との同情論も噴出。一方で、《キャプテン制度は廃止にすべき》《キャプテン制度あると必ず誰かが背負ってしまうから永久廃止で》《やるなら実績、カリスマ性を考慮したうえで人選していただきたい》と、制度そのものを疑問視する人も少なくない。

 ただ、キャプテン制度の廃止を望む声ばかりではない。

「今季の巨人は浦田俊輔をはじめ、新戦力の台頭が目立ちますが、全体的な小粒感は否めず、岡本の穴を埋めるようにカリスマ性を持つ主軸はまだ育っていません。しかし、その中でも将来のスター候補として期待されている2024年のドラフト1位・石塚裕惺が夏場にきてようやく覚醒の兆しを見せつつあります。順調にチームの顔へと成長し、名実ともに巨人を背負える存在になったタイミングで、あらためてキャプテン制度を復活させればいいという前向きな意見も聞こえてきます」(スポーツライター)

 ついに“聖域”に手をつけた橋上巨人。キャプテンの不在がチームに暗い空気が流れなければいいが……。