7月28日、最大震度7の大地震が熊本を襲った。直後に起こった爆発事故などから、救命救急活動の大切さを再認識した人も多いだろう。
放送中の今田美桜主演『クロスロード〜救命救急の約束』(テレビ朝日系)や地震を受けて公開延期となった劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜CAPITAL CRISIS』、また今秋には松嶋菜々子主演で『救命病棟24時』(フジテレビ系)が13年ぶりに復活するともいわれており、今や救命救急ドラマは重要コンテンツの一つ。
そこで30代〜60代男女500人に「救命救急医役がハマっていたと思う俳優」をアンケート。歴代の名医の中から1位に輝いたのは?
5位は2人の女優が同数でランクイン
5位は『Dr.アシュラ』(フジテレビ系)六道ナオミ役の小雪と、『コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』(フジテレビ系)白石恵役の新垣結衣が13票でランクイン。
'25年に放送された『Dr.アシュラ』は、どんな状況でも目の前の患者を助けることに心血を注ぐ杏野朱羅ことアシュラ先生(松本若菜)が主人公。熱い彼女に対し、六道はアメリカ帰りでワークライフバランスを重視する形成外科医だ。「知的な雰囲気がハマっていた」(東京都・67歳・男性)、「クールビューティー」(千葉県・45歳・女性)などの声が届いた。
「アシュラ先生と真逆で、その対比がよかったですね」と語るのは、漫画家でテレビウォッチャーのカトリーヌあやこさん。
「冷ややかな目でアシュラを見るけれど、患者を前にすると見事なコンビネーションで手術。2人のバディ感がよかったです」(カトリーヌさん、以下同)
フライトドクターたちの奮闘を描く『コード・ブルー』は'08年スタート。第3シーズンまで続き、'18年には劇場版も公開された。白石は受け身で内向的なキャラクターだったが成長を重ね、第3シーズンではスタッフリーダーに。「可愛かったし彼女のキャラにも合っていた」(北海道・46歳・男性)、「まじめで応援したくなる」(東京都・50歳・女性)などの声が。
カトリーヌさんが特に印象深いというのは、第1シーズンでの爆発事故。自分をかばったことで指導医・黒田(柳葉敏郎)が腕を切断しなくてはならなくなる。
「白石はすごく自分を責めるんですが“誰よりも多くヘリに乗れ”という黒田の言葉を励みに頑張る。ほかの登場人物も含めて、成長を見守れる作品ですね」
4位は『救命病棟24時』の松嶋菜々子
4位は27票で『救命病棟24時』(フジテレビ系)の小島楓役、松嶋菜々子。'99年にスタートし第5シリーズまで続いている。最初は研修医だった小島だが、第4シリーズラストで医局長に。
「役になりきった迫真の演技」(宮城県・58歳・女性)、「声も透明感があり聡明な感じが合っていた」(東京都・49歳・女性)などファンの多いキャラクターだ。
「新人時代は生意気で、でもうまくいかずに落ち込んだり。進藤先生(江口洋介)がパーフェクトな分、彼女を通して私たちも救命について学んでいく、という側面もありました。そして、次第に学ぶ側から進藤先生を支える側になっていく。その軌跡もよかった」
3位は山下智久の代表作になった医師役
3位は『コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』(フジテレビ系)藍沢耕作役の山下智久で43票。ぶっきらぼうな野心家だったが、回を重ねるにつれ患者に寄り添う医師に。「彼のドラマの中でも秀逸」(東京都・58歳・女性)、「才能があり非情な判断もできる役がハマっていた」(奈良県・49歳・女性)、「成長や仲間との協力、現場へ一直線に突き進む姿がカッコよかった」(福岡県・47歳・男性)と、鮮烈な印象を残した。
「天才的な技術を持っているのに、最初はちょっとドライでクール。それが第3シーズンでは“あのころは自分のために医者をしていたが、今は誰かのために医者でありたいと思う”と白石に言うんです。
ずっと見てきた視聴者は“あの藍沢が!”と思わず涙、みたいな(笑)。山下さん自身も、この作品でアイドルから一人の俳優としての基盤を確立したと思います」
2位は『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』の鈴木亮平
82票で2位に入ったのは『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(TBS系)の喜多見幸太役、鈴木亮平。'21年に連続ドラマ、'23年と'25年に劇場版、公開延期中の新作を楽しみに待つファンも多い。
医療機器とオペ室を搭載した緊急車両(ERカー)で現場に急行する救命救急チームのチーフドクター、喜多見。優れた技術や判断力、強い責任感や情熱が視聴者を惹きつけ、「演技とは思えないほど自然で、こんな医者がいたらいいなと思えた」(福岡県・50歳・女性)、「実際にいてほしい」(山形県・57歳・女性)とラブコールが。
「たとえ患者の意識がなくても“大丈夫ですよ”と話しかける声に圧倒的な安心感があって。私も何かあったら喜多見チーフに助けられたいと思うほどです。あと、よく筋トレしていて、そのおまけのシーンも好きですね」
救命救急医のイメージをつくった江口洋介
そして165票という大量得票で、『救命病棟24時』(フジテレビ系)進藤一生役の江口洋介が1位に。ゴッドハンドの異名をとる天才外科医。
「強い信念を持って患者と向き合う姿が印象的」(青森県・64歳・男性)、「救命救急医のイメージを最初につくった人」(福岡県・64歳・男性)、「江口さんを通して救命救急医の大変さを知った」(徳島県・58歳・女性)などの声が集まった救命救急医の元祖だ。
「このドラマで“トリアージ”を知ったくらい、本当に救命ドラマの先駆け。今でも救命救急医といえば真っ先に進藤先生が浮かぶ人も多いのでは。それまで熱血あんちゃんのイメージだった江口さんですが、“クールで厳しいけれど誰も見捨てない”という新たな顔を見られたのもよかった」
そして、視聴者にも大きな影響を与えた。
「進藤先生を見て救命救急医になったという人がたくさんいるそうなんです。それだけみんなの心にリアルに迫ったんですね。『コード・ブルー』第3シーズンには、進藤先生に憧れてこの道に入った医師が登場します」
通常の医療ドラマでは患者との日常的な触れ合いも描かれるが、1分1秒を争う救命ドラマにはない。
「リアルな切迫感がほかの病院ものとは違う特色かなと。災害の多い日本だからこそ、命の大切さや現場の過酷さが真に迫ってくる。先日の熊本地震でも、本当に大変なことが伝わってきてつらかったです」
鈴木亮平は映画の公開延期を受け、人命救助や復旧、そして誰かのために頑張っているすべての方々へ向けて《チームMERから最大の敬意とエールを送りたいと思います》とXに記した。
その思いを私たちも忘れずに、被災された方々のためにできることを少しずつでも続けていきたい。
<取材・文/今井ひとみ>
