天皇、皇后両陛下の長女・愛子さまは8月1日からの2日間にわたって三重県を訪問された。
「35度を超える猛暑の中、近鉄宇治山田駅には多くの人が集まっていました。駅から出てこられると“愛子さまー!”と大きな歓声が上がっていました」(皇室担当記者)
愛子さまの法被姿に脈々と受け継がれていく様子を感じた
初日の夕方には、両陛下も昨年11月に訪問された鳥羽水族館に足を運ばれた。若井嘉人館長は当日の愛子さまについてこう振り返る。
「到着されると開口一番、“昨年、両親から鳥羽水族館は素晴らしい施設だと聞いており、こうして来られることを楽しみにしていました。やっと来ることができてうれしいです”とおっしゃっていただきました」
自身が15年担当してきたジュゴンについては、説明に力が入ったと話す若井館長。その熱心さにつられてか、愛子さまの質問にも熱とユーモアがあふれ出た。
「ジュゴンのエサの『アマモ』という海草の名は、かじるとほんのり甘い香りがすることに由来しています。すると愛子さまから“館長も食べられたことはあるのですか”と。ほかにも“ジュゴンの健康の秘訣は”とご質問を受けたので“ベジタリアンだからでしょうね”とお答えしました。愛子さまは“母からジュゴンが健康なのはほかの生き物と一緒に暮らしているからだよ、と聞きました”とおっしゃって、そんな話までされていたのかと驚きました」
翌日は伊勢神宮を参拝され、式年遷宮に際し社殿などに使用する木材を運ぶ「お木曳行事」に参加された。第63回神宮式年遷宮用材奉曳団連合会内宮領委員長の宇治土公貞尚さんは愛子さまについてこう話す。
「お木曳は国の選択無形民俗文化財にも指定されている伝統行事で、愛子さまが同じご体験をされたことは伊勢市民にとりましても晴れがましい気持ちです。法被は私どものほうでご用意させていただいたのですが、前回の式年遷宮では、天皇陛下も法被をお召しになって、お木曳にご参加されており、脈々と受け継がれていく様子を垣間見ることができました」
片付けが苦手だという悠仁さまに親近感がわいた
同時期、秋篠宮家の長男である悠仁さまも地方公務に臨まれていた。
「8月7日から2日間、広島を訪問されました。初日には平和記念公園で花を手向けられ、被爆した校舎の一部が残る、本川小学校平和資料館を視察されました」(皇室ジャーナリスト)
午後には中心地から離れた神石高原で行われた国内最大規模のキャンプ大会「日本スカウトジャンボリー」に参加された悠仁さま。夜には初の公式行事でのお言葉を述べられ、皇族としての成長ぶりが話題になった。
当日、悠仁さまとテント張りと野外炊事を一緒に行った愛知県から参加した都築さん(19)は、こう話す。
「周囲を常によく見て行動されており、非常に謙虚で、皇族としての気品を感じました。一方で、片づけが苦手という話題になった際には“ものが散らかっていて、散らかったら片づけるというのを繰り返している”と悠仁さまがおっしゃったので、同年代として急に親近感が湧いたんです。高校生年代のベンチャースカウトたちも一緒に食事をしたのですが、その中の1人が“今日、誕生日なんです”と悠仁さまにお話ししたところ“それは祝わないといけないね! おめでとう!”と笑顔でお祝いの言葉を送られていました」
そんな貴重なキャンプの体験の後、「広島県立歴史博物館」へ足を運ばれた。案内した担当者は悠仁さまの訪問をこう振り返る。
「ご説明申し上げる際に、しっかりと目を合わせながら、真摯に耳を傾けていただき、多くのご質問をされる姿には感銘を受けました。最後のお見送りの際に“瀬戸内の歴史や文化について理解を深めることができ、有意義な学びができました”といった温かいお言葉を頂戴し、たいへん優しいお人柄を感じました」
“男系男子”という縛りは悠仁さまにとって精神的重圧に
若い皇族方の公務でのご活躍の様子が報道されていることについて、長年皇室を研究している静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授はこう解説する。
「愛子さまは2年前の伊勢単独訪問と比較して、被災地訪問や海外訪問といった経験を重ねられ、初々しくも安定感と安心感のある天皇家の長女としての風格が備わった印象です。自然で堂々たる振る舞いは、多くの国民に、むしろ今回の皇室典範改正の不自然さや理不尽さを感じさせ、将来の皇室の安定には愛子さまの存在が欠かせないこと、可能であれば皇位継承者となられることを、かえって印象づけているのではないでしょうか」
一方で、悠仁さまは成年式後から、公務を通して徐々に素顔が多く伝わるようになってきた。
「皇室典範改正の結果、ご結婚やお世継ぎ誕生への国民の関心、そして“男系男子”という縛りによって、精神的重圧を受けられるのではないでしょうか。フランクで活発な悠仁さまが、こうした重圧をどのように乗り越えていかれるのか、新たな懸念材料として浮かんできたといえるでしょう」(小田部名誉教授、以下同)
しかしながら悠仁さまもまだ10代。ご両親の教育はもちろんのこと、自分自身の道も開拓されていく。
「将来天皇になられる自覚を持たれていた陛下と、それを支える自負を持たれていた秋篠宮さまとの間では帝王学のあり方や、皇室の将来のあり方などに対する考え方の微妙な違いはあります。そうした違いが愛子さまや悠仁さまの間にもあることは否めません。愛子さまと比べてまだ若い悠仁さまは、皇族としての素養や帝王学が十分には身についていないようにもお見受けしますが、これからのご活動とご発展がとても楽しみです。そして今後のおふたりの立ち振る舞いが、将来の皇室像をつくっていくのではないでしょうか」
皇室典範改正により、新たなフェーズに突入した皇室。新時代を担う若い皇族の成長に期待が高まる。
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数
