8月5日に開幕した第108回全国高等学校野球選手権大会。大会15日目を迎える22日、決勝の舞台まで駒を進めたのは和歌山県代表の智辯和歌山高校と、群馬県代表の健大高崎高校だ。
高野連の対応に賛否
3年間、白球を追いかけ続けた両校の野球部員たち。最後に微笑むのはどちらか。決戦に注目が集まる中、13日に行われた準々決勝のある一幕がネット上で物議を醸している。
「初の女子部員・星よつはマネージャーが話題になった仙台育英高校と、智辯和歌山の試合後のシーンです。試合は智辯和歌山が初回に5点を奪い、勢いそのままに11対3で勝利を収めました。
試合後、先に球場を後にしようとした智辯和歌山の中谷仁監督と仙台育英の須江航監督が握手をしたのですが、高校野球連盟(以下、高野連)のスタッフと思われる男性が間に入り、すぐに剥がそうとする様子が中継で映ったのです。この対応が物議を醸しています」(スポーツ紙記者)
該当のシーンに対し、ネット上では、
《高野連は昔から偉そうです。一体何様なんでしょう?》
《この映像観てガッカリしました。 高野連役員も総入れ替えした方がいい。》
《ほんと、そのとおり、わずか2.3秒程度のこと 数秒急がせてなんの支障もない》
と、“ほんの数秒”の握手の何が問題なのか、という意見が上がる一方で、
《これを批判してる奴が何様?だろ》
《管理、進行する側からすればその数秒レベルが重要なのでは?》
《何でもかんでも高野連批判は好きじゃない。これだけの観客数を維持しながら、 1日4試合を同一会場で滞りなく行えるアマチュア団体はないよ》
など、高野連の対応に一定の理解を示す声も見られた。
高野連に聞いた「握手制止」の意図
前出のスポーツ紙記者は高野連の批判について、次のように分析する。
「昨年、問題になった広島県広陵高校の暴行事件について、高野連は当初、厳重注意と一部選手の公式戦出場停止に留めており、その凄惨ないじめの内容から“処分が甘すぎる”という指摘が寄せられました。ネット上でも多くの関心が寄せられ、“加害生徒の特定”を行う人も見られることに。広陵高校はこうした事態を受けて、大会の途中で辞退しています。
辞退ともなれば、ほかの高校が甲子園の地へ足を運べたということになりますし、高野連の最初の対応次第では、事態の泥沼化を避けられたかもしれません。この時は、“事なかれ主義”の旧態依然とした体制が指摘されていました。
今回の“数秒の握手すら許さない厳格さ”との落差に、ファンの潜在的な“高野連への不信感”が刺激された側面もあるかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
健闘を称え、握手を交わそうとする監督同士をなぜ止めなければいけなかったのか。高野連に問い合わせると、大会本部から次のように回答があった。
「試合終了後は、グラウンドですぐに次のチームの試合前ノックが始まるため、危険防止の観点から速やかな退場を促しております。過去にノック中の送球が、3塁側から退場しているチームの指導者に直撃する事故が発生したことがきっかけです。
現在は、次試合の練習補助員の協力を得て、退場時の防御、カバーをお願いする対策を講じています。取材終了後には、通路や控室で両チームの監督や選手らが互いの健闘をたたえ合い、握手したり言葉を交わしたりすることがあります。こうした交流は従来から行われています」(第108回全国高等学校野球選手権大会・大会本部)
過去の事故防止という明確な意図があった中で、現場での急な制止は視聴者に“冷淡な対応”として映ってしまったようだ。
