スマホ料金見直し術!

 毎月のスマホ代が高いけれど、何を変えればいいのか……。格安SIM、eSIMなども聞くけど、何のことかわからない……。近頃、複雑になってきているスマホ料金のプランや料金形態をITジャーナリストの富塚大海さんが簡単にポイント解説。スマホ料金の今の“仕組み"と、今日からできる節約方法がわかる!

スマホ料金が高い本当の理由

 スマホの料金が高い!「動画を見すぎたから」「長電話したから」と考えがちだが、実はそうではない。

「いちばん多いのは、契約したまま何年も料金形態を見直していないケースです。実際には月10GBしか使っていないのに100GBのプランに入っていたり、契約時にすすめられたオプションがまだ残っていたり、それらを整理すればスマホ料金はもっと安くできます」

 そう話すのは、スマホ料金に詳しいITジャーナリストの富塚大海さん。いちばん見落としやすいのが、家族割やセット割だという。

「大手キャリアのプランは、家族割や自宅のインターネットとのセット割、クレジットカード払いなどの条件がそろうと安くなる設計が少なくありません。子どもの独立や引っ越しなどで割引条件が外れても契約を続けていると、毎月の料金が思った以上に高くなります」(富塚さん、以下同)

 では、何から見直せばいいのか。

「最初にすべきなのは、自分が毎月何にいくら払っているか、その中身を知ること。前述のように、データ通信量とオプションのチェックは必須です。自分が月々何GB使用しているか、電話料金はいくらかなどを把握してください」

 そのうえでプラン変更や、他社への乗り換えを検討。最近は格安SIM(シム)も人気だが、料金だけで飛びつくのは禁物だ。

「格安SIMだと月1000円程度の使用料金に抑えられる場合もありますが、お昼や夕方など利用が集中する時間帯は通信速度が落ちて、ネットがつながりにくいというデメリットがあります」

 通信品質を優先したい人は、大手キャリアの「オンライン専用プラン」やサブブランドも有力候補になる。

「店舗で相談したい方ならワイモバイルやUQモバイル、ネット手続きに抵抗がないならLINEMOやpovo、ahamoなどのキャリアも選択肢になります。安さだけではなく、電話使用が多いのか、ネット中心なのか、動画をよく見て通信量が多めなど、普段の使い方に合わせて選ぶことが、結果的に最も無駄のない契約につながります」

スマホ節約の救世主eSIMとデュアルSIM

eSIMを上手に使いこなして節約

 さらに賢く節約するなら、eSIM(イーシム)の活用もおすすめだ。でも、そもそもSIM、eSIMとは?

「SIMはスマホの『身分証明書』のようなものです。従来は小さなSIMカードをスマホに差し込んで使っていましたが、eSIMはそのカードがなく、スマートフォンにあらかじめ内蔵されています。QRコードを読み込むだけで利用できます」

 また、eSIMはキャリアに関係なくデータ通信量を追加、利用できるため、ギガが足りなくなったら小容量のデータを必要な分だけ購入することもできる。うまく活用すれば、通信費の大幅な節約が可能だ。さらに、海外旅行でも威力を発揮する。

「以前は現地でSIMカードを買ったり、Wi―Fiルーターを借りたりする必要がありましたが、eSIMならその国に対応している通信社に回線を変更すればいいだけです」

 このように、eSIMの特徴を利用して、1台のスマホに2つの通信回線を入れて、用途で使い分ける方法を“デュアルSIM”という。

「例えば、電話回線は今のまま、データ通信はもっと安い別会社を利用するなどの使い方です。用途ごとに最適な料金プランを選べるので、通信費を抑えやすくなります」


 異なる会社の回線を組み合わせておけば、一方で通信障害が起きても、もう一方の回線が使える可能性がある。節約だけでなく、万一の通信障害や災害時の備えとしても注目されているのだ。ただし、導入前に知っておきたい注意点も。

「最初は、通話用とデータ通信用など、どの回線を使っているのかわからなくなることがあります。また、“基本料0円”の契約キャリアだと、一定期間使わないと自動的に解約になることがあるのも注意点です」

 デュアルSIMは通信費を抑える有効な方法の一つだが、富塚さんは「すべての人に必要なわけではない」と話す。

「基本は、自分の使い方に合った料金プランを選ぶこと。デュアルSIMはその応用編のようなものです。スマホ料金は一度見直すだけで、年間数万円の節約につながることもあります。まずは請求書のチェックから始めてみてください」

スマホ料金見直しの3ステップ

(1)毎月の請求の詳細を確認

 まず、「支払いの内訳」を確認しよう。通信料金だけでなく、端末の分割代金や有料オプションなどもチェック。各社のアプリやマイページで簡単に確認できる。わからなければ、家族やショップに相談を。

(2)利用状況と比べる

 次に、毎月使うギガの量や通話時間を確認。動画を見ないのに大容量プランに入っていたり、無料のLINE通話が中心なのに「電話かけ放題」を契約していたりと、実際の使い方と契約内容が合っていないケースは少なくない。

(3)別のキャリアも検討する

 プラン変更だけでは高いと感じたら、他社への乗り換えも視野に入れる。今は電話番号を変えずに乗り換えられる。店舗で相談したい人はワイモバイルやUQモバイルなどのサブブランド、料金重視なら「オンライン専用プラン」が選択肢に。

eSIMを使いこなして節約

 SIMカードが不要で、申し込み後に届くQRコードを読み込むだけで利用できる。旅行や出張で一時的にデータ通信を増やしたいときや、月末などギガが足りなくなったときにも便利。普段の回線はそのままに、必要なときだけ追加できるので、通信費を無駄なく抑えられる。

・eSIMに変えるときの注意点
自分のスマホがeSIM対応機種か確認を。キャリアによっては、SIMロック解除が必要な場合がある。

「デュアルSIM」にチャレンジ
デュアルSIMは、1台のスマホで2つの回線を使い分ける方法。例えば、「通話用」と「データ通信用」を分けることで、自分に合った料金プランを組み合わせられる。毎月の通信費を抑えられるだけでなく、災害時の通信トラブル対策にも役立つ。

取材・文/池田純子

富塚大海さん
ITジャーナリスト(スマホ料金・eSIMの専門家)。通信系ITベンチャー企業に入社後、国内向けモバイルWi-Fiレンタル事業の立ち上げを経験。その後、海外・国内eSIM事業の立ち上げを担当し、通信インフラ分野における事業開発・商品設計などに従事。現在は、生活者目線でのIT活用術や通信費最適化に関する情報発信を行う。