福岡県議会の蔵内勇夫議長(72)が8月24日、議員辞職を表明した。わずか5日前には議員辞職を否定していただけに、突然の方針転換にSNSでは「辞めて終わりではない」と説明責任を求める声が相次いでいる。金銭授受疑惑など一連の問題は、辞職で幕引きとなるのか……。
福岡県政で長年にわたり影響力を持ってきた“県議会のドン”が、議員の職を辞することになった。
「福岡でゆっくり…」一転して議員辞職
8月24日、福岡県議会の蔵内勇夫議長(72)が議員辞職の意向を表明。25日に東京で開かれる全国都道府県議会議長会の大会で会長としての職責を全うしたうえで辞職すると発表した。翌25日には都内で報道陣の取材に応じ、「福岡県議会議長、そして福岡県議会議員を辞職いたします」と改めて明言している。
「蔵内氏は、単に10期を務めてきたベテラン県議というだけではありません。長年にわたって県議会の要職を務め、自民党県議団内でも大きな影響力を持ってきた人物です。全国都道府県議会議長会の会長まで務めていたことからも、その存在感の大きさが分かります。
だからこそ、今回の問題では、個々の疑惑だけでなく、『県議会の意思決定がどのように行われてきたのか』という点にも県民の関心が集まっています。
金銭授受をめぐる問題については蔵内氏自身が否定していますが、県議会内から具体的な証言や音声が出てきたことで、単なる個人間のトラブルではなく、議会のあり方そのものが問われる事態になったといえるでしょう」(社会部記者、以下同)
7月以降、県議会では正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑が浮上。吉松源昭県議が、自民党県議団内で金銭を要求されたなどと証言し、音声データも公開された。一方、蔵内氏は自身が金銭授受の当事者だとする指摘について「全く身に覚えがない」と否定している。
さらに、高額な海外活動をめぐる問題も浮上。6月の会見で「海外旅行は続けます」と発言した後、「あ、すいません海外旅行ではなく、海外活動です」と訂正。8月にはネパールから帰国後、「ネパールは天国だった」とも語っていた。
「海外活動については、それ自体が直ちに問題というわけではありません。ただ、県民から見れば、費用や活動内容が適切なのかという疑問を持ちやすいところです。そこに『海外旅行』という言葉が出たことで、県議の海外活動に対する県民の見方がより厳しくなった面はあるでしょう」
8月17日には吉松県議が蔵内氏への議長辞職勧告決議案を提出したものの、自民党県議から動議が出され、採決は見送りに。そして19日、蔵内氏は「県政を混乱させた」責任を取るとして、議長職を「しかるべき時期に」辞職する意向を表明した。
ただ、この時点では議員辞職について「考えていません」と否定。第三者委員会が設置されていることを理由に、「県会議員としてしっかりと協力したい」と話していた。
それからわずか5日後の24日、一転して議員辞職を表明。25日には改めて辞職を明言したものの、なぜ議員辞職に至ったのか、その理由については説明せず、「後日福岡でゆっくり報告したい」としている。
「辞職しても終わりじゃない」
この急な方針転換に、SNSでは、
《逃げられたと思わないでほしい》
《辞職して終わりではない。しっかり理由を述べて、説明責任を果たしてほしい》
《議員は続けると言っていたのに?逃げるように辞職とは…とことん調べてください
議員辞職しても、許されない。》
など、説明責任を求める声が相次いでいる。
「今回、蔵内氏が議員を辞職することで、進退については一区切りとなります。ただ、金銭授受疑惑については本人が否定している一方、第三者委員会による調査も進められています。辞職したからといって、これまで指摘されてきた問題の解明や説明責任までなくなるわけではありません。
特に、19日には議員辞職を否定していたにもかかわらず、わずか5日後に判断が変わった。その理由について本人から十分な説明がない以上、県民が『なぜ?』と思うのは当然でしょう。今後、本人がどこまで自らの言葉で説明するのかが重要になります」
辞職で一連の問題は終わるのか。むしろ、ここから真相解明と説明責任が問われることになりそうだ。
