8月19日、秋篠宮家の次女・佳子さまは第20回アジア競技大会の結団式に出席し、日本選手団を激励された。
「アジア競技大会は4年に1度開催される“アジア版オリンピック”として知られる、エリア最大級のスポーツ大会です。今回は32年ぶりに日本で開催され、9月19日の開会式には、天皇、皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻が出席されます。佳子さまは選手団関係者に向けて『チームジャパンの皆様が、これまでの努力の成果を存分に発揮できるよう応援しています』とお言葉を述べられました」(皇室担当記者)
佳子さまのヘッドピースは過剰に目立ちすぎ
この日の佳子さまは、ミントグリーンのワンピース、薄いピンク色のバラの花があしらわれたヘッドピース、パールのステーションネックレスと華やかな装いで登場された。
この装いについて、ネット上では《場が華やぎますね》《爽やかでお美しい》といった好意的な声の一方、《この飾りを頭につけて結団式に?》《結団式であれば、もう少しキリッとした服が良いのでは》《場違いとしか思えません》《あの髪飾りは派手》といった声も上がっている。
これまでファッションにご自身の思いを乗せて発信されてきた佳子さま。今回の装いに込めた思いとはなんだったのか――。スタイリストとして、“名刺服“を様々なクライアントに提案する霜鳥まき子さんは次のように読み解く。
「今回の結団式は、いわゆる正礼装から少し格式を落としつつも、カジュアルまではいかない略礼装という場です。ヘアアクセサリーは、正礼装ではつば付きの帽子などが適切ですが、略礼装では生花やドライフラワーなどがふさわしく、今回の場でも間違ってはいません。ネックレスも略礼装にあわせて、粒のそろったパールではなく、ステーションネックレスにされていて、選ばれたアイテム自体は全体的にすごくバランスがよいと思います。
ただ、お花のボリュームが大きめなので、過剰に目立ちすぎてしまっていますね。位置についても上の方に寄ってしまっていて、どうしても上の方につけるとかわいらしい印象になりますので、耳から下に収まるようににつけ、お花の量は半分くらいにして、エレガントな印象にされてもよかったのかなと思います」(霜鳥さん、以下同)
「私も同じ気持ちです」という同調を暗に示した佳子さま
しかし、意図しない目立ち方をしてしまった花にも、佳子さまなりの心遣いが感じられたという。
「大会開催地の愛知県は、花の産出額が日本一の『花の王国あいち』として知られています。そちらに思いを寄せて、お花を選ばれた可能性は十分ありますよね。その土地にゆかりのあるモチーフを取り入れて敬意を表すというのは、私たちもよく行う手法です。ピンクという色味についても、バラには赤い色と白い色を組み合わせると“団結“という意味があるそうで、その2色を混ぜたピンクという色味は、結団式の場にはぴったりだったのではないかと思います」
さらに、紫・金・緑で構成された大会のエンブレムや、参加選手の装い、大会スタッフのユニフォームにも注目したい。
「スタッフユニフォームやエンブレムには緑色が含まれています。佳子さまは今回、選手を激励するお立場で出席されていますので、そのニュアンスカラーであるミントグリーンで応援のお気持ちを表しているのではないでしょうか。同様に、選手のジャージが“ファイアリーレッド“という鮮やかな赤色なのですが、そこから引き算され、お花はピンクを選ばれたのかなと。金色はネックレスで拾われていました。近い色味をリンクさせて使うことで『私も同じ気持ちです』という同調を暗に示し、ワントーン落とした配色によって、あくまでもメインである選手団を立てているように感じます。選手団関係者と同じ色を配色しないという点も配慮を感じます」
非常に緻密に計算された試行錯誤がうかがえる。それだけでなく、佳子さまは選手団関係者との距離感にも気を配られていた。
「ひざ丈のスカートは、くるぶし丈と比べて親しみやすい印象を与えます。略礼装という場において、あまり固くなりすぎないチョイスをあえてされていて、選手に目線を合わせ、心を一つにするお気持ちを表現されたかったのではないでしょうか。スカートではなくワンピースを選ばれたのも、正礼装よりもカジュアルダウンできますので、よかったんじゃないかと感じます」
自身の装いにお気持ちを乗せて人々に伝える佳子さま。ファッションを通じたコミュニケーションについて、霜鳥さんは自身の経験も交えてこう語る。
「多くの方の前でお話する場面では、どうしても一人ひとりと直接お話しすることはできませんので、自分の本音やお相手への敬意をファッションに乗せて伝えるということをしています。皇室の方々はお立場上、ご自身のお気持ちを伝える場面は限られていますので、よりその思いは強く持っていらっしゃるはずです。ですので、佳子さまの取り組みも素晴らしいと思います」
それぞれのアイテムのチョイス、色味に応援の思いを託された佳子さま。賛否両論あるものの、たった3つのアイテムにも多くの思いと佳子さまなりの配慮が込められていた。佳子さまのファッションにどのようなメッセージが編み込まれているのか、今後も多くの人がそれを待っている――。
霜鳥まき子 スタイリスト・名刺服プロデューサー。JAL国際線CAを経てスタイリストに。個人法人のブランディングや制服デザインなどを手がける。著書に『似合う服だけ着ていたい』(文藝春秋)など
