民放テレビ局

「この夏に、保育士の資格を取得しました」

 9月1日、TBSの吉村恵里子アナ(27)がSNSで明かしたのは、意外にも「保育士資格」の取得だった。

アナウンサーに資格取得の流れ

 吉村アナによれば、試験は9教科の筆記と2つの実技。仕事を続けながらテキストと向き合う日々を送り、合格をつかんだという。保育士資格は国家資格で、本人は「今後は仕事でも保育士の知識を生かし、ニュースに向き合って頑張っていきたい」としている。

 アナウンサーといえば、華やかな衣装で情報番組に出演し、芸能人と並んでテレビ画面に映る姿を思い浮かべる人も多い。しかし、その華やかさの裏側では、「話す技術」だけではない武器を身につけようとする動きが目立っている。

 CBCテレビの古川枝里子アナは気象予報士資格を持つ一方、今年5月には整理収納アドバイザー1級の取得も報告。また、元岡山放送の北村麗アナは、退社後に気象予報士の資格を取得。現在は気象予報士兼アナウンサーとして活動し、宅建、防災士、TOEIC895点などの資格も持つ。

 さらに今年6月には、3月にABCテレビを退社した増田紗織アナが「きものコンサルタント」の資格取得を報告。祖母や曽祖母から受け継いだ着物の知識を深めるため、休みの日に学校へ通ったという。8月にはFP3級の合格も報告した。

「女性アナウンサーは、どうしても若さや華やかさが注目されやすい職業です。もちろん30代、40代になっても第一線で活躍する人はいますが、若手が次々に入ってくる世界でもある。

 特にフリーになれば、単に“元局アナ”という肩書きだけでは仕事を取り続けるのが難しい。だからこそ、自分にしかない専門性を作ろうとする人が増えているのでしょう」(芸能記者、以下同)

 気象予報士なら天気や防災、FPなら税金や社会保険、住宅、そして保育士なら子育てや教育――。アナウンサーとしてニュースや情報を伝える際にも、専門知識がそのまま武器になる。

資格は生き残る武器

 そして、この流れは女性だけに限った話でもない。日本テレビの森圭介アナは昨年、宅建とFP2級に合格。今年3月には宅建士としての登録まで済ませた。取得理由についても、住宅やお金にまつわるニュースを伝えるために勉強したと説明している。

保育士の資格を取得したことを報告したTBSの吉村恵里子アナウンサー(本人のインスタグラムより)

「資格を“次の仕事”のためだけではなく、“今の仕事の質を上げるため”に使うケースもあります。アナウンサーという肩書きにプラスして、“何を語れる人なのか”が重要になっているのでしょう。しかし、資格を取ったからといって、それだけで仕事が増えるわけではありません。まして、資格の数を競うことが目的になれば、本末転倒。

 それでも、忙しい本業の合間を縫ってまで資格を取得するアナウンサーがいるのは、“アナウンサー”という肩書きだけに頼らないキャリアを意識しているからなのでしょう」

 “女性アナ”という肩書きだけで長く生き残ることが簡単ではない時代。若さや華やかさが注目される世界だからこそ、彼女たちは画面に映らないところで、「自分は何を語れる人なのか」という武器を増やしているのだろう。