7月3日、大分県杵築市にある大田郵便局が始めた新たな試みが話題になっている。
人口975人、高齢化率は55.6%の大田地区は高齢化だけでなく、スーパーやコンビニエンスストアが無いことが課題となっている。そんな問題を解決するため、大田郵便局が杵築市と始めたのが「おおたホッとステーション」だ。
2025年12月末に市から相談が
窓口の隣に、キャッシュレスで販売するコンビニエンスストアの無人店舗を設置。郵便局が担う全国初の取り組みとあり、地元の新聞社などを中心に多数のメディアで取り上げられた。
高齢化が進む地域にとって救世主になりそうな今回の取り組みについて、管轄する日本郵便株式会社九州支社の広報部に話を聞いた。
「杵築市から大田地域の買い物環境について相談があったのは、2025年12月末頃です。最寄りのスーパーマーケットまでは自家用車やコミュニティバスを利用する必要があり、気軽に買い物ができる環境とは言い難い状況がありました」(担当者、以下同)
相談を受けたことで、郵便局を利用する際に日常の買い物もできるようにすることで、地域の買い物環境の確保に協力できないかという方向で検討を始めたという。
「2026年7月3日のサービス開始まで約6か月間、具体的な買い物支援の形や運営方法などについて準備を進めました」
サービス開始後の反響については、
「郵便局の空きスペースを活用して、食品や日用品をミニ店舗で販売するために、杵築市によるチラシの用意や地元の報道のおかげで想像以上の方に商品を購入いただいております。大田地域で唯一の金融機関である郵便局は地域住民の身近な拠点として、買い物と見守りの支援を一体的に実施しホッとできる場所になれていると思います」
と、手応えを感じているようだ。中でも人気なのが飲料品だ。
「現時点では特にコーヒーやお茶類の動きが多く、菓子類ではフィナンシェが比較的人気です。郵便局をご利用いただく際に手に取りやすく、暑い時期でもあることから、飲料の購入につながっているのではないかと考えています」
今後の課題については、
「この取り組みは杵築市大田地域における生活支援拠点としてスタートしたものです。まずは大田地域での成果や課題を、杵築市や関係機関の皆様と共有しながら丁寧に検証し、そのうえで地域のニーズや自治体からのご要望なども踏まえて、今後の展開を検討していきたいと考えています」
振り込め詐欺などの防止も努める
佐藤局長は地域の見守りを行う集落支援員に市から委嘱されているが、どのような活動を行なっているのだろうか?
「地域住民への日常的な声掛けにより異変を察知した際には関係機関に連絡しています。併せて月に1度の定例会に参加し、民生委員会の活動状況を共有し関係機関と連携しています。金融機関ですので、振り込め詐欺などの防止にも努めています」
今回の取り組みは「地域の生活を支える“生活サポート拠点”として新たなモデルケースになり得るものと考えています」と続ける。
「郵便局を拠点とした、『見守り支援』『買い物支援』を一体的に実施する取り組みであり、まずは大田地域での成果や課題を丁寧に検証し、その内容を共有することで、地域の実情に応じた形で同様の取り組みだけでなく、郵便局が地域のサポート拠点となっていくことを期待しています」
全国に2万3705局(2022年6月30日段階)あり、小学校の数よりも多い郵便局だからこそできる試みだけに、他の地域にも広がることを期待したい。
