プロ野球の優勝争いの裏で、“戦力外”の当落線上にいる選手にとっては人生の命運を分ける秋がやってきた。毎年多くの者がユニフォームを脱ぐ中、巨人を去った元選手たちのセカンドキャリアに関心が集まっている。その異色すぎる転身先とは?
俊足ドラ2はYouTuberに
2015年のドラフト2位で入団し、50メートル5秒7の俊足を武器に10年間プレーした重信慎之介氏は、昨季のシーズン終了後に現役を引退。それからわずか半年後、「43株式会社」を設立し、社長に就任するという“スピード”ぶりを見せた。
「重信氏は現役時代からYouTuberとして『しげガレージ』のチャンネル名で車の動画を発信し、現在、チャンネル登録者数は5万人超え。引退後はその趣味をビジネスへ昇華させ、カープロテクションやカーラッピングを行うブランド『YOROI』を立ち上げると、9月1日に千葉県木更津市に店舗をオープンしました。Web上で支援を募るクラウドファンディングや施工スタッフの採用活動にも注力しており、実業家としての手腕に大きな期待がかかります」(スポーツ紙記者、以下同)
同じく巨人を支えたOBの転身で話題を集めているのが、2001年のドラフト7巡目で入団した林昌範氏だ。貴重な中継ぎ左腕として巨人や日本ハム、DeNAで16年間にわたり活躍し、通算22勝26敗22セーブ99ホールドを挙げた。
「2017年の引退後は、実父が創業した千葉県船橋市の『船橋中央自動車学校』に入社。家業である自動車学校の運営に携わり、現在は専務として会社を支えています。今年4月にはBSの野球トークバラエティに出演。日本ハム時代に“ハンカチ王子”斎藤佑樹がプロ初登板初先発初勝利した試合に2番手で登板したことを振り返り、『プレッシャーはハンパじゃなかった』と振り返っています。2007年に結婚した妻で元テレビ東京の亀井京子もフリーアナウンサーとして活躍する一方、健康志向・機能性ジェラートブランドをプロデュースするなど幅広く活動。息子が4月に高校球児になったことも話題となりました」
156キロ左腕の現在は「警備員」
今夏の甲子園では、横浜高校の織田翔希投手が高校最速タイとなる156キロを計測して話題を呼んだが、約20年前に甲子園の聖地で同じく156キロをマークし、2005年にドラフト1位で入団したのが辻内崇伸氏だった。
「大阪桐蔭時代には剛速球を武器に1試合19奪三振を記録。“甲子園のスター”として嘱望されたものの、度重なる肩や肘の故障に悩まされ、一軍登板を果たせないまま2013年に現役を引退しています。その後、指導者などを経て2019年に妻の実家がある秋田県へ移住し、ハローワークを通じて『ALSOK秋田』へ入社。現在は警備員として現金輸送業務などを担当。職場の野球部にも所属し、周囲の支えに感謝しながら新たな日々を送っているようです」
ネット上では、「辻内が警備員として真面目に働いている姿を知り、第二の人生を応援したくなった」「林は家業をしっかり引き継いで専務として会社を支えていて素晴らしい」「重信の車好きから社長への転身は夢があって挑戦する姿勢が格好いい」といった好意的なコメントが多く寄せられている。
グラウンドで声援を浴びたかつての巨人戦士たちは、起業家YouTuber、会社経営者、警備員といった多様な場所で、それぞれの新しい道を切り拓いているようだ。
