プロ野球のペナントレースも終盤を迎え、阪神にマジックが点灯。巨人は優勝争いから大きく後退した。選手層の厚みが明暗を分ける格好となり、チームの命運を左右した“過去の選択”にファンの関心が集まっている。
2022年ドラフトの“裏話”
8月末に行われた阪神対巨人の天王山。首位を走る阪神が3連勝を飾り、巨人とのゲーム差を大きく突き放した。巨人打線は阪神投手陣の前に沈黙。一方、投手陣は佐藤輝明、森下翔太をはじめとする阪神打線の「長打力」に屈する形となった。
この現状に対し、過去の指名を振り返る声が出ている。大きなターニングポイントとなったのが2022年のドラフト会議。巨人はドラフト1位で高校生の浅野翔吾を指名し、阪神との競合の末に交渉権を獲得した。その一方で、阪神が外れ1位で指名したのが中央大学の森下翔太だった。森下は入団後、着実に実績を積み重ね、今や打線の軸として連覇を目指すチームを牽引する存在となっている。
「5月22日に行われた巨人対阪神戦の中継で、解説を務めた元巨人監督の原辰徳氏と元阪神監督の岡田彰布氏が2022年ドラフトの知られざる裏話を明かす場面がありました。ドラフト前に原氏から“我々は浅野いきますから、岡田さんはやめてくれ”といった趣旨のメールが届き、“取り合いはやめましょう”とやり取りしていたエピソードを披露。
原氏は現在の両者について“答えは出ていませんが、浅野も頑張るでしょうから。でも出世しましたね、森下は素晴らしい選手になりましたね”と語っていましたが、森下の活躍に巨人ファンからは“あの時、森下を指名していれば”との声が聞かれます」(スポーツ紙記者)
巨人ファンの複雑な心境
2022年のドラフト会議では、森下のほかに大学球界を代表する外野手として、西武のドラ1・蛭間拓哉、ヤクルトのドラ3・澤井廉、巨人のドラ2・萩尾匡也が「大学外野手BIG4」と称され、注目を浴びたものだった。
「当時はスカウトやファンの間でも評価が分かれており、森下選手より萩尾選手の方が期待されていました。しかし、プロの壁は厚く、森下選手が球界を代表する存在に成長する一方で、ほかの選手たちは一軍への定着や結果を残す面で苦戦が続いています。萩尾選手は9月2日のDeNA戦で今季初スタメンを果たしましたが、2打席凡退に終わり途中交代するなど、活躍を見せるには至っていません」(同・スポーツ紙記者)
巨人は浅野が怪我により長期離脱を余儀なくされるなど、指名した若手打者の成長曲線が思うようにいっていない。 ネット上でもこの指名を巡り、「当時は森下より蛭間の方が評価が高かった記憶がある」「森下は三振率の高さなどを心配する声もあったのに、結果的に一番育っている」「巨人があの時もし森下を指名していればどうなっていたか考えてしまう」といった声が上がっている。
「ドラフト当時の評判や評価がそのままプロでの活躍に直結するとは限りません。森下選手に関しても、入団当初は粗削りな部分を懸念する声が一部から上がっていました。結果的に阪神の育成環境や起用法と合致したことで才能が開花したと言えます。巨人にしてみれば、補強ポイントに合わせた選択であったとはいえ、森下選手にやられるたびにファンが複雑な思いを抱くのも無理はないでしょう」(スポーツ紙デスク)
ドラフト会議でのわずかな運命のいたずらが、数年後のチーム状況に大きな差を生み出す。今季の苦戦を糧に、巨人が秋のドラフトや今後の育成でどのように巻き返しを図るのか……ファンの熱い視線が注がれている。
