9月9日、日本プロ野球史上初となる通算3000安打を放ち、引退後は“辛口”野球解説者として親しまれた張本勲さん(享年86)が都内の病院で亡くなった。7月27日に東京ドームで「最終打席」に立っていた張本さん。その結果はーー。
TBS系『サンデーモーニング』スポーツコーナーでは、“ご意見番”として選手に「あっぱれ!」や「喝!」の叱咤激励をし、時に番組司会の関口宏(2024年3月で降板)を困らせていた張本さん。過激な言動がネット上でも物議を醸したが、張本さん目当てに見ていた視聴者も多かったことだろう。
そんな張本さんが出場していたのが、7月27日に東京ドームで開催された『サントリードリームマッチ2026』。名球会のレジェンドをはじめ、プロ野球OBが一堂に集結して夢の一戦を繰り広げるイベントだ。「ドリーム・ヒーローズ」と対戦する「ザ・プレミアム・モルツ球団」GMとして参加したのが張本さんだった。
試合前には杖をつきながらも、しっかりした足取りでグラウンドを歩いていた張本さん。OB選手たちのバッティング練習を真剣な眼差しで見守る姿からは、やはり野球人としての情熱はまだまだ冷めてはいないようだった。
GMとしてベンチで戦況を見守っていた張本さんだったが、5回裏にヒーローズ投手が読売ジャイアンツ、ボストン・レッドソックスなどで活躍した上原浩治氏(51)に交代したところで場内からどよめきが起こった。
「3番・高橋に代わりまして張本勲。背番号10」
バットを持ってゆっくりと左打席に入ったのは、自ら元巨人・高橋由伸氏(51)の代打として出場するサプライズを演出したGM。現役当時と変わらない、力感ない構えでマウンド上の上原を見据える張本さんだった。
“後継者”上原との勝負の行方
上原が投じた第一球、外角に外れるストレートを悠々と見逃してみせた、ように見えたが、打席を外して何やら手を振ってベンチの方に歩み出す。その行動に、上原や元巨人の捕手・小田幸平氏(49)、そして球審も「どうした?」と怪訝な様子。球場も騒然とする中でアナウンスで伝えられたのは、
「張本選手、申告敬遠のため出塁します」
本来は守備側が申告する「申告敬遠」を、打者である張本さん自らが“申告”して、なぜか出塁する事態に。思わぬ野球のルールを無視した身勝手な行動に、マウンド上の上原、話をしていた遊撃手・松井稼頭央氏(50)も苦笑いするしかなかった。試合後ーー、
「打ちたかったんだけど、打たせてくれなかった。ダメだね。上原の球だったら当たりもしない、三球三振。見た目は速くないように見えるけど、手元でピッと伸びてるからね。打ちにくい球ですよ」
上原の投球を打席で間近で見たところ「お手上げ」だったようで、自ら打席を退いたことを明かしていた張本さん。人生での「最終打席」で、プロ野球界のご意見番“後継者”である上原に最大級の「あっぱれ!」を贈ったのだった。
これからも野球界を見守り、天国から変わらず辛口コメントをするのだろう。
