メルカリではちいかわ×くら寿司コラボのオリジナルフィギュアが多数販売されている(メルカリサイトより)

 9月10日午後、メルカリのサイトで『ちいかわ』で検索すると、今でも“今回の”グッズが多数ヒットする。7日にメルカリが騒動について公式Xで対応を公表してから3日後の状況だ。

『ちいかわ』とのコラボを中止した『くら寿司』

くら寿司の代名詞である「ビッくらポン!」も『ちいかわ』バージョンから通常バージョンに戻っていた 撮影/編集部

「回転寿司チェーン『くら寿司』は8月21日から9月30日までの予定で『ちいかわ』とのコラボキャンペーンを実施していましたが、9月5日に中止を発表。理由は従業員による不正行為が発覚したため。大手フリマアプリ『メルカリ』では3日の時点で“配布前”だったグッズの出品が確認されており、くら寿司の発表以前から従業員による抜き取り疑惑が上がっていました」(ITジャーナリスト、以下同)

 大前提として、悪いのは盗んだ者、それを出品した者である。

「メルカリは以前から不可解なアカウント停止など、ユーザーからの不満が少なくなかった。それが今回盗品の疑いのある品のマーケットになってしまったことで不満が爆発した格好です」

 プラットフォーム側がすべての出品を事前に、または即対応することは難しいという主張にも一定の理はある。しかし、メルカリの対策およびその後の対応には批判の声が止まない。

 7日、メルカリは公式Xにて本件についての対応として以下の取り組みを発表した。

《1. 通報・申告への対応:お客さまや企業・個人からの申告を受け付け、シリアルナンバーや商品特徴等の情報を照合の上、該当品と判断した場合は出品商品の削除・出品者への制限措置等を実施しています。

 2. 捜査機関との連携:警察から出品商品に関する照会があった場合は、法令に基づき適切に連携・協力しています。》

 ユーザーや警察などのメルカリ“外部の第三者”からの指摘があった場合だけメルカリは動くのか。メルカリに問い合わせると以下の回答があった。

「メルカリでは、不正対策専門のチームを設けており、AIを活用した24時間365日の出品・アカウント監視などによる未然防止策を実施しています。本件においても、9月7日の発表以前に出品禁止物に該当する商品の削除対応などを行い、現状も監視を継続しています」(メルカリ広報部、以下同)

 このような回答であったが、前述のとおり9月3日に店で配布される前のグッズ(湯呑み)がメルカリで出品され、それらの一部はメルカリで取引成立に至っている。

今後のメルカリ側の措置は

 またメルカリは公式Xにて、《盗品など正規ルートではない入手が確実と思われる商品の出品を利用規約・ガイドラインにより禁止》としている。配布前のグッズは、“盗品など正規ルートではない入手が確実”に限りなく近い物と思われるが、メルカリ体制をすり抜けて売買された。この点について問うと以下の回答となった。

「9月7日に当社公式Xでもお知らせしている通り、くら寿司様と連携し、不正に入手された疑いのある出品商品の削除などの対応を実施しております」(前出・メルカリ広報部、以下同)

 配布前から出品され、店舗で配布されたのはわずか2日だけだったちいかわ湯呑みは、今現在でもメルカリで多数出品されている。

「当社にてこれらの商品に該当すると合理的な理由に基づき判断した場合は、取引キャンセル・商品削除・利用制限などの措置を行います」

 メルカリは、削除や利用制限を行った出品は購入者へ返金し、販売手数料を受け取らない。事務局の対応前に取引が完了した場合も、全額補償プログラムが利用でき、その対象取引からも手数料は取らないという。

 現在、本件はくら寿司×ちいかわ自体というより、横領されたような品が売買される場をメルカリが提供していること、そうした取引を通じて手数料収益が発生すること、その道義的な部分が問題視されている。

 これらについては繰り返しメルカリに問うたものの、この部分についての回答はなされず、「当社が販売手数料を受け取ることはありません」という説明が繰り返された。

 フリマアプリにおいて、出品の禁止規定があることと、それが実際に“機能”していることは、別であり、それこそが重要なのだが……。