京都を代表する観光スポット「伏見稲荷大社」で外国人観光客が鳥居の前で、許可なく撮影したダンス動画がXで拡散され、波紋を呼んでいる。
公式サイトでは、
《境内において参拝者の通行を妨げるダンスパフォーマンス等、神域の尊厳を損ない、他の参拝者のご迷惑となる行為が見受けられます。当社では、禁止事項の一つとして『大声で騒いだり境内での座り込み等他の参拝者に迷惑となる行為』を掲げ、境内に注意看板を設置していると共に、職員等が禁止事項に該当される行為を発見した場合にはその都度注意を行っております》
と、《境内での参拝マナーについてのおねがい》という文章を公開した。
北九州市の神社は公式でダンス動画公開
この件を受け、神主と名乗るあるXユーザーが、福岡県北九州市にある『神武東征の宮 岡田宮』の公式Xで公開されたサカナクションの『夜の踊り子』のダンス動画を添えて、こう投稿。
《伏見稲荷で鳥居の下を塞いで踊る観光客は明らかに不敬です。許可もなく参拝の邪魔をしており擁護できる余地は全くありません。 ただ、許可の有無ですべてが終わる話でもない。 一部の神社は、神職や巫女装束のまま、神事目的ではない流行りの曲を神社公式アカウントで踊らせ、拡散している》
《日本の習俗や信仰を知らぬ外国人があの動画を観れば、「神社では踊ってよい」という映像だけが残る。観光客の無法は責めるべきだが、装束をトレンドの道具にした社は、他の神社にまで誤解を輸出する事態となっている事を知らねばならない》
当該の動画は7月12日に投稿されたものだが、この投稿は瞬く間に拡散され、批判が殺到することに。
問題となった動画は新しいスタッフが入ったことでチームワークを深めるために投稿したと綴られているものの、コメント欄は大荒れ。
《パロディで素人がやるのと神職が神社内でやるのとでは意味合いが変わってくる。海外に向けて神社はふざけていい場所であると誤解を招くのでやめたほうが良い》
《踊っても良い場所であると思われるのでやめていただきたいです》
真似をする人が増える前に削除した方が良いという指摘も。そこで『岡田宮』に批判が殺到していることについて、話を聞いた。
「SNS上でさまざまなご意見が寄せられていることは確認しています。神社のあり方や、神職による情報発信について、異なる考え方があることも理解しています。当該動画は、当社が企画し、境内の状況を確認したうえで撮影した公式企画です。参拝、祭典、通行の妨げとなる形で行ったものではありません」
誰もが全国の神社仏閣で自由に踊っていいわけではない
動画を制作した理由については、
「動画は、新たな職員を迎え、共同作業を通して職員間の連携を深める目的で制作しました。制作目的と撮影時の状況を改めて確認しましたが、制作した判断を変更する必要はないと考えています。一方、公式企画と一般の方による境内利用は別であることについて、説明を補足する必要があると判断しました」
ほかの神社仏閣で真似をする人が現れるのではないか? という声が上がっていることについては、
「当社が企画・管理した公式撮影と、一般の方が許可なく行う撮影やパフォーマンスは別のものです。当該動画を公開したことは、誰もが全国の神社仏閣で自由に踊ったり、撮影したりしてよいという意味ではありません。
境内で何が認められるかは、行為の名称だけではなく、主催者、目的、許可の有無、場所、時間、安全性、参拝者への影響などを踏まえ、各神社仏閣が判断するものです。これは国籍にかかわらない原則です。ほかの神社仏閣では、それぞれが定めるルールと管理者の指示に従っていただくべきものと考えています」
また現時点では、当該動画を削除する予定はないという。
「今回の反応を受け、当社の公式企画と一般の方による境内利用は異なること、撮影や企画については当社の管理方針に従っていただくことを、公式WEBサイトで明確に示します」
大前提としてルールを無視したり、他の参拝客に迷惑をかけてまで動画を撮影する人が悪いものの、動画だけが世界中に拡散される可能性も高いだけに、公式で撮影されるものは動画内でもきちんと注意喚起や説明文を追加すべきだろう。
