高市早苗首相が今月中に断行する予定の内閣改造・自民党役員人事。その中で、中低所得者へ向けた新たな給付制度の担当相を創設する検討に入ったことがわかった。
自治体から相次ぐ反発
9月8日、自民党は税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議を開催。食料品の消費税減税及び所得に連動した給付制度の実施に関する大綱案を議論した。消費税減税は飲食料品を対象に、2年間消費税を1%へ減税するというもの。2029年4月からは元の8%へ戻されることとなっている。
「8%に戻すのに合わせて、29年4月から中低所得者へ所得に応じて現金を給付するというのがこの給付制度の内容です。当初は29年秋からの給付を想定していましたが、8%に戻ってから半年程空いてしまうことを理由に前倒しすることが検討されています」(全国紙政治部記者)
対象者や支給額は地方自治体が持つ住民税の情報から、個人の所得を把握し決められる。29年度はまず4月に半年分を支給。前年の所得情報から住民税が確定した後、秋に残りの半分を支給する方針だ。政府・与党は15日にも大綱を決定するとしている。
「8日に開かれた国と地方の協議の場では、地方側から4月からの給付に対して“慎重に検討してほしい”との求めがあったようです。年度末や年度初めはただでさえ多忙な時期。自治体が負担増の懸念を抱くのも当然でしょう。また3分の2以上を国、残りの半分ずつを都道府県と市町村が費用負担するという案にも自治体から反発が相次ぎました」(前出・政治部記者)
「意味ない創設」国民からも疑念
全国町村会長で北海道白糠町長の棚野孝夫氏は、費用の負担について「財源の確保が難しくなっていく中で、新たな財政負担を受け入れることは極めて厳しい」と指摘。原案には“市場の信認を得られるよう、特例公債(赤字国債)に頼らない”ことが明記されているが、財源の確保にはまだまだ課題があるようだ。
さらに政府は、この所得連動型給付制度の担当相を新たに創設する検討を開始した。担当相は片山さつき氏が財務相と兼務する案が有力と見られている。消費税減税は財務省が所管するため、片山氏が給付制度の担当相となれば両方の法案を一括して答弁することが可能に。食料品の消費税減税と給付制度の関連法案を一本化して提出することに備える狙いだ。
しかし、一連の報道に世間からは「意味ない創設。肩書と手当を与えるためだけの役職」「自分が仕事したくないがために新しい大臣を作っているようにしか見えない」「そもそも多くの国民が『給付より減税』と言ったスタンスのはずだった。給付するにしても『所得制限を設けない』ことを求めていたと思うが?」「税金を減らす努力をして貰いたい」「しっかり税金を払ってる側ばかり冷遇されるのは不公平。そもそも給付が必要になるような政治するな」などと、さまざまな意見が上がっている。
政府は10月5日に、同法案の審議が焦点となる臨時国会を召集する方向で調整しているという。しかし現状では、高市内閣の方針に不信感を抱く国民は多いようだ。
