いくつになっても健康で美しくありたい─。そんな願いを体現している彼女たちの若々しさの秘訣とは? ミニスカートを颯爽と着こなし、70代を楽しくご機嫌に過ごしている由美さんの普段の生活や心持ちをインタビュー!
スリーサイズは15歳から維持
「時代の流れとともにファッションも変わって、私もロングスカートで足を隠すことが多くなっていたんです。でも70歳になったとき、『ミニスカートをはきなさい』と事務所の社長に言われて。今はミニスカートを積極的にはくようにしています。70歳のリニューアルです」
と笑うのは、俳優の由美かおるさん(75)。
その言葉どおり、取材現場に身体にフィットするミニのワンピース姿で現れ、カメラの前で颯爽とポーズを決める。70代とは思えない見事なプロポーションで、着こなしは実に華やかだ。
「ミニスカートで街を歩いていると、男性も女性もみなさんまず下から見て、上まで見てくるんですよね。ちょっと緊張しますけど、その緊張感が心地よくて、いい刺激になっています(笑)」
1966年にデビューし、今年で芸能生活60周年を迎えた。西野バレエ団で培ってきたダンススキルを生かし、人気を博す。時代劇『水戸黄門』には「かげろうお銀」と「疾風のお娟」役で'86年から'10年まで24年間にわたりレギュラー出演。
彼女の入浴シーンになると毎回視聴率が跳ね上がり、最高視聴率は驚異の43.7%を記録。入浴シーンは計204回を数え、世の男性たちの心を虜にしてきた。
抜群のプロポーションで知られるが、デビューした15歳のときのスリーサイズ「B86・W58・H86」を今も維持。体重もほぼ変わらず、驚異のスタイルを誇る。
インスタグラムではひざ上のミニスカートにハイヒール姿で、美しい脚のラインを惜しげもなく披露。70代でミニスカートを再びはくようになってから、おしゃれがより楽しくなってきた、と話す。
「昔のお洋服は色がすごく素敵なものが多かったので、肩幅を今風に手直ししたり、いろいろアレンジしてまた着ています。ただそれに合うインナーを探したのだけれど、自分の年齢のお店に行ったら全然なくて。でも、渋谷の『109』や『ZARA』とか、若い人たちのお店に行くとピッタリくるものがあるんです。自分なりに服を組み合わせていると、毎日が楽しいですね」
70代になってもミニスカートを鮮やかに着こなす、スタイル維持の秘訣は何なのだろう。気になる食生活はというと。
「1日2食半くらい。ただ、3回は必ず食べています。朝はしっかり食べて、夜もしっかり食べて。仕事のときは、その間にサンドイッチをつまんだり、ミルクやコーヒーを飲んだり」
自宅では基本自炊で、好きなものを好きなだけ、その時々で身体が求めるものを口にする。時には夕飯が11時になることもあれば、焼き肉やビールで打ち上げをすることもある。
「自分がおいしいなと感じたら、それでいい」
仕事柄、食事のタイミングも内容も不規則だが、これはダメと決めつけず、自然体で受け入れる。
「型にはまると、それを食べなきゃ調子が悪い、となってしまう。こうだから調子が良いと思い込みすぎても、そこから抜けられなくなってしまう。なんでも決めてしまうと、そのための生活になってしまう。
食材の裏の表示を見て添加物が多いと気になったりもするけれど、そんなことばかりもしていられないですよね。それより、実際口にすると、なんか変な味だなとか、味覚が教えてくれる。どんなものでも自分がおいしいなと感じたら、それでいいのかなって思うんです」
何より由美さんの心身を支えているのが、呼吸法「由美かおるコア・ブリージング」。自ら編み出したブリージング法で、高齢者が増えている今の日本で、美と健康を保ち、生き生きと毎日の生活が送れるようにと考えた。
その始まりは、デビュー間もない10代のころにさかのぼる。
「当時は北海道から九州まで全国いろいろなところに行ってステージに立ち、踊り、歌っていました。もうマラソンをしているような激しい踊りです。そのとき、呼吸がちゃんとできてないと声が出ないんだって気づいて。自分で自分なりに息を吐き、お腹に空気をためると、落ち着いて声が出たんです。呼吸を大事にしなければいけない、呼吸というのは本当に大事なんだというのを、自分の身体を通して思い知らされて」
以来60年近く、毎日欠かさずブリージングを実践してきた。現在はブリージングの講師として、全国を駆け回る多忙な日々を送る。
「口から吐いて鼻から吸う、取り入れた空気を丹田にため、両足の裏から地球の中心につながっているイメージを描き、エネルギーを入れていきます。姿勢がとても大事で、腰椎にしっかりと上半身を乗せるようにします。呼吸を取り入れやすい姿勢です」
自らの身体をもってその効果を体現しているだけに、説得力は大きい。
「このブリージングをしていると、便秘もしないし、イライラもないですね。ちょっと食べすぎちゃったなという次の日、お腹が重いなと思っていても、ブリージングをするとスーッと身体が内側から循環してスッキリするんです。さらに今は、みなさんが簡単にできるよう、寝ながらできるブリージングを考案中です」
この年だから……という意識は由美さんには見当たらない。英語に料理、アコーディオン、貼り絵と、年齢を重ねてから取り組んだ数多の挑戦、いくつになっても前向きに新しい何かにトライする。
「若いときよりもすごく楽しく感じる」
「若いときにできなかったことにいろいろ挑戦しています。お料理もそう。ずっと忙しくてできなかったけれど、今はスマホで分量を見ながら、そうなんだ、そうなんだって作っています。
今日はちょっと失敗しちゃったかな、なんてときもあるけれど、それも勉強です。誰しも年はどんどん取っていくけれど、その分いろいろなことを学んでいきたい。実際に挑戦してみると、若いときよりもすごく楽しく感じるんですよね」
70代でミニスカートを再びはき始め、リニューアルを果たした。そして今、一つの大きな野望があるという。それは「世界のシニアのアイドルになる!」こと。
「『水戸黄門』を卒業してから、社長に“何かやり残したことがあるんだったらやりなさい”と言われて。それで、世界のシニアのアイドルになろうと。ただ、シニアだけでなく、今の若い人たちを見ていると、あまり若さがないなっていう方もいるんですよね。そういう方たちが、生き生きできるようになれば。
みなさんに元気になってもらうためには、まず自分が元気でいなければいけない。それにはやっぱり健康であるということが大事。シニアのアイドルとして、この年代なりの生き生きとした姿をお見せできればと思います!」
取材・文/小野寺悦子
俳優、歌手。1950年11月12日生まれ、京都府出身。中学生で「西野バレエ団」に入団後、歌手・俳優として活躍。'86年より時代劇『水戸黄門』にレギュラー出演。デビュー当時からほぼ変わらない、抜群のプロポーションを保つ
