いくつになっても健康で美しくありたい─。そんな願いを体現しているプラチナ世代の若々しさの秘訣とは? インスタグラムがフォロワー14万人超えの柏木さん。70代を楽しく、ご機嫌に過ごしている普段の生活や心持ちをインタビュー!
趣味はデパートで服を見ること
「今日は何を着ようかな、これとこれが合うかなって、あれこれ考えるのが好き。今日のコーディネートは納得したなっていうときは気分もいいし、ファッション次第で気分も上がりますよね」
インスタグラムのフォロワー数は14.8万人超え。私物を紹介したファッションブックは重版を重ねるなど、大人のファッションアイコンとして今ブレイク中の柏木由紀子さん(78)。
この日は真っ白のカットソーにシンプルな黒のパンツスタイル。ご自宅へお邪魔しての撮影で、白を基調とした開放感あふれるリビングに、モノトーンのファッションがよく映える。
もともと大の洋服好き。幼いころから毎月ファッション雑誌を見るのを楽しみにしていたというから、筋金入りだ。
小学5年生のとき、劇団若草に入所。モデル活動を始める。雑誌の子ども服モデルから、中学・高校時代はティーンモデルとしてジュニア雑誌の誌面を飾った。
柏木さんにとっては、どこにいようと誰と会おうと、ファッションは自分が楽しむためのもの。
「時間があるとデパートに行っては、どんなお洋服が流行っているんだろうって見ています。それが私の趣味なんです(笑)」
70代に入り、転機が訪れた。娘のひと言がきっかけだった。
「娘に、“ママはどこに行くわけでもないのに毎日お洋服を替えたり、おしゃれをしているんだから、インスタをやってみたほうがいいんじゃない?”って言われて……」
いざインスタグラムを開設すると、大きな話題を呼んだ。柏木さん自身、思ってもみない反響だった、と話す。
「街で“いつも見ています!”なんて声をかけてくださる方も多くなりました。それも同じ年代ではなくて、みなさん私より全然若くて、きれいな方ばかりです。それがとてもうれしいですね」
インスタグラムでは日常のコーディネートを紹介。コメント欄には、「素敵!」「憧れです!」「若々しい!」との声が飛び交う。まさに奇跡の70代だ。年を重ねるごとに、ファッションも変わってきたという。最近のこだわりは?
気に入った洋服は処分できない
「昔は、紺やグレー、茶色が好きで、ファッションによく取り入れていました。でも年を重ねてきたせいか、鏡を見ると、疲れていなくても、疲れた感じに見えるようになってきて。だから、最近はわざと派手な色を着て、色から元気をもらうようにしているんです」
ただし、やみくもに色を重ねるのはNG。特に柄物はコーディネートが難しく、年を重ねた女性が品良く着こなすには注意が必要だ。
「色はたいてい2色、多くても3色。上に色を着ることが多くて、例えば上に赤をもってきたときは、下はグレーや黒にしたり。あまり柄物は着ないですね。柄がたくさんあるお洋服は、どうかすると柄に負けちゃう感じがするから」
エルメスやセリーヌといったハイブランドから、ユニクロやZARAなど若者のファストファッションもさらりと着こなす。
ユニクロのワンピースの着回しコーデをインスタグラムで披露すると、これもまた大きな反響を呼んだ。
「今っぽいものを、昔から持っている古いお洋服と合わせてみようとか、そんな感じで取り入れています。私はとにかく物持ちがいいので、昔のお洋服も結構持っているんです。整理しなきゃと思うのだけれど、気に入ったお洋服はどうしても処分できなくて」
50年前の洋服を活用し、今風の着こなしにアレンジしていく。そこはファッショニスタの腕の見せどころ。
「歌手の竹内まりやさんが私のファッションブックを見てくださって、“このお洋服はどこに売ってるの?”と聞かれたんですけど、“50年前のスカートなのよ”と言ったら、びっくりされていましたね(笑)」
洋服を美しく着こなすためには、スタイルも重要だ。普段の食事は昼夜の2食が基本。ブログにアップされた手料理は、いずれも野菜たっぷりで彩り豊か。ここにも柏木さんの高い美意識が伝わってくる。
「お野菜が好きなんです。365日、サラダは欠かしたことがないですね、ベビーリーフにバルサミコ酢とオリーブオイルをかけて、そこにきのこやナッツ、玄米フレークを加えたり。
お野菜を蒸したり、炒めたりするのも好き。ただ、タンパク質が足りないと言われるので、最近は身体のためを思っていろいろなものを食べるようにしています。サラダにサーモンを足したり、お肉をなるべく加えるようにしています」
お酒は飲まず、旬の野菜をふんだんに取り入れる。バランスも良く、普段からヘルシーな食事を自然と実践しているようだ。
なるべく時間は無駄にしない
「でも、甘い物は大好き。アイスクリームも好きだし、和菓子も好き。お昼に食べて、また夜食べちゃったりすることも(笑)」
スポーツはどうだろう。体形維持のために日々していることは?
「ジムは1回も行ったことがないんです。時間がもったいない気がして」
その分、家事で身体を動かすのが柏木さん流。
「毎日たいてい2時間くらい家であれこれしています。することがいっぱいあるので、結構体力を使うし、それで十分じゃないかな、と思っていて。木も自分で切りますよ。お手伝いさんはいないので、全部自分でしているんです」
白い大理石の床はピカピカで、磨き込まれた様子が見て取れる。これだけ広く、庭つきのお宅を一人で手入れするのは大変な労力が必要なはず。しかし、日々を充実させるのも、若々しさを維持する秘訣のひとつ。
「年だからってゴロゴロしているのではなく、なるべく時間を無駄にしないようにしています。今日はこれをしなきゃ、あれをしなきゃということを、いつもメモに書いて、できたら消していくんです。そうやってなるべく自分で自分を忙しくするようにしています」
今年5歳になる愛犬のトイプードル、アンドレアくんとは「どこに行くのも一緒」と、今はアンドレアくん中心の生活にもなっている。年齢を重ね、ライフスタイルが変化し、そこでまた意識も変わってきたと語る。
「2人の娘たちは巣立ち、もう親としての責任からは解放された。だったら自分で自分を楽しもうという気持ちがあります。実際年を重ねるとだんだんずうずうしくなるから、できることも増えて(笑)。恥ずかしがらず、やりたいことをやれるようになった気がします」
柏木さんのようなおしゃれシニアになるためには? 読者に向け、メッセージをもらった。
「今って一人ひとり自由ですよね。お洋服もそう。これが正しいということがあまりないし、それが個性になる。私がお洋服に何色も使わないのは、自分で着ててすごく嫌だから、落ち着かないからそうしないだけ。人それぞれでいいと思う。みなさんご自分の好きなものを好きなように着て、ファッションを楽しむ。それが一番いいんじゃないかなって思います」
取材・文/小野寺悦子
俳優。1947年12月24日生まれ、東京都出身。夫は故・坂本九さん。『細うで繁盛記』(日本テレビ系)など数々のドラマで人気を博す。'17年から始めたインスタグラムのフォロワーは14.8万人超え。
