い紫外線でダメージを受けた肌、なんとなく抜けない疲れ、乱れがちな体調を解決するレモン水(写真はイメージです)

国産レモンが旬を迎えるこれからは、夏の疲れが表面化しやすい時期でもある。強い紫外線でダメージを受けた肌、なんとなく抜けない疲れ、乱れがちな体調……。そんな季節に取り入れたいのが、レモンと水だけで作れる「レモン水」。ビタミンCなどレモンの栄養を手軽にとれるうえ、水分補給にも役立つ。毎日の1杯で、夏の疲れをリセットする習慣を始めよう。

医師が推奨するレモン水の効果

「夏バテの疲れが抜けない」「秋になったら急に肌がカサついて老けた気がする」「健診で血糖値や血圧の数値が高めと言われた」など、体調の変化に悩んでいないだろうか?

 秋は、夏の間に浴びた強い紫外線や、暑さによる疲労の蓄積が一気に表面化し、女性が最も老け込みやすいといわれる季節。さらに更年期以降の世代は、女性ホルモンの減少に伴って代謝が落ちて太りやすくなったり、自律神経の乱れや骨密度が低下したりと、さまざまな身体の不調に直面しやすくなる。

 そんな日々の不調や悩みをまるごとケアしてくれるイチ押しの習慣が、身近な果実を使った「レモン水健康法」だ。

「私自身、レモン水を習慣にしてから体調が良くなりました。趣味のランニングでも疲れにくくなり、お酒を飲む際にもレモンを加えるとしっかり尿が出て、翌朝むくみにくくなったんです」

 そう話すのは医師の石原新菜先生。作り方は驚くほどシンプルで、水200ミリリットルにレモン半個分の果汁をしぼるだけで完成する。

「身体が変わる」秘密は4つの成分

 レモン水の魅力は、その手軽さだけではない。レモンには、クエン酸、カリウム、ビタミンC、ポリフェノールと身体にうれしい成分が凝縮されている。

 まず、果汁に含まれるクエン酸は、疲労物質である乳酸を分解してエネルギー代謝を促し、疲れを吹き飛ばしてくれるほか、カルシウムや鉄分の吸収を高めてシニアに急増する骨粗しょう症の予防にも貢献する。

※イラストはイメージです

「カリウムは余分な塩分と水分を排出して高めの血圧を下げ、むくみを解消してくれます。また、果皮や白いワタに豊富なポリフェノールは強い抗酸化力を持ち、悪玉コレステロールの酸化を防いでくれるのです」(石原先生、以下同)

 レモン水は、飲むタイミングによっても効果が倍増する。

「同志社大学などの研究によると、ご飯を食べる前にレモン果汁30gを摂取すると、食後の血糖値の急上昇を約20%も抑えられることがわかっています。食後の強い眠気やだるさがある方、更年期に入って太りやすくなったと感じている方は、食前に飲むのがベストです」

 さらに、継続して飲むことで、血圧や腸内環境の改善にも大きな期待がもてる。

「クエン酸が血管の柔軟性を高め、カリウムが塩分を排出するため、3か月間の継続摂取で血圧の有意な低下が確認されています。また、レモンに含まれる食物繊維のペクチンが善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれるので、特に朝の起き抜けに飲めば、お通じもスムーズになりますよ」

 また、肌のくすみや、心の不調にもレモン水は心強い味方に。

「豊富なビタミンCとポリフェノールの強力な抗酸化作用が、シミやシワ、くすみの原因となる老化物質(AGEs)が体内でできるのをダブルでブロックし、ハリと透明感のある肌をつくります。

 さらに、レモンをしぼったときに広がる香り成分リモネンには、自律神経のバランスを整える高いリラックス効果が。更年期特有のイライラやストレスを和らげるのにもぴったりです」

 効果はそれだけにとどまらず、身体の内側全体の健康をサポートできるという。

「脂質代謝を促して脂肪肝の改善やダイエットに役立つほか、ビタミンCやポリフェノールは免疫力を高める働きもあるため、季節の変わり目に風邪をひきにくくなるなど、多方面でうれしい効果が期待できます」

国産レモンの旬が到来! 夏のダメージをリセット

『からだにいい! 血糖値を下げる! レモン水健康法』(宝島社)

 基本の作り方は、水や50~60度の白湯200ミリリットルにレモン1/2個分の果汁をしぼるだけだが、毎日無理なく続けるコツを石原先生に教えてもらった。

「生のレモンがいちばん理想的ですが、忙しいときは市販の100%レモン果汁(大さじ1~2杯)でも十分に効果が期待できます。普段、起床後に飲んでいるお水や白湯、夜のお酒にちょい足ししたり、甘いジュースの代わりに置き換えたりすると長続きしやすいと思います」

 10月は国産レモンが本格的に出始める絶好のシーズンでもある。

「この時季に出回る国産レモンは鮮やかな緑色が特徴のグリーンレモンで、普通のイエローレモンに比べて酸味がキリッと強く爽やかな香りが特徴。国産のものは農薬不使用や防カビ剤不使用のものが多いため、安心して皮ごと使えるのがうれしいところ。

 皮ごとしぼったり、輪切りにして使えば、果皮に詰まったポリフェノールも余すことなく摂取できます。季節や産地によって食べ比べてみるのも楽しいですよ」

 さらに、レモンを刻んで酢や麹に漬け、料理にアレンジしてもおいしくヘルシーに習慣化できる(下部参照)。

 手軽で良いことずくめのレモン水だが、酸性が強いため飲み方には少し注意が必要だと石原先生はアドバイスする。

「酸が歯に長時間触れると、歯のエナメル質を傷めるおそれがあります。ダラダラと時間をかけて飲むのは避け、ストローを使って歯に直接触れないようにする工夫を。飲んだあとは口をすすいで酸を洗い流し、歯磨きは30分ほど置いてから行いましょう。

 酸で歯がやわらかくなっている状態で歯磨きをすると、歯の表面のエナメル質が削れ、知覚過敏などの原因に。30分ほどすると、唾液の力で口の中が中性に戻り、歯の表面が再び硬くなるので、そのあとに歯磨きをするのがおすすめです」

 胃が空の状態で飲むと胃痛の原因になることもあるため、胃腸が弱い方は軽く食べた後や、少量から始めてみるのがオススメだ。

「飲みすぎるとお腹が緩くなることもあるので、1日の上限は400ミリリットルまでにとどめるのが安心。皮には紫外線でシミができやすくなる光毒性成分のソラレンが含まれるため、朝は果汁のみにし、皮ごと使う場合は夜飲むようにするといいですよ」

 夏の疲れを引きずりがちな10月こそ、身体をリセットする絶好のタイミング。まずは明日の朝、1杯のレモン水から始めて、1か月後の身体と肌のうれしい変化を実感してみよう。

レモン水の作り方

 レモン1/2個分の果汁を水200ミリリットルしぼり入れる。市販の100%レモン果汁を使うときは大さじ1~2杯を入れて。多くても1日2杯までにとどめよう。

【POINT】
寒い季節は白湯で割ると身体が温まる。ただし、ビタミンCは熱に弱いので50~60度が適温。レモン水にりんご酢や蜂蜜をちょい足ししたり、トマトジュースと割って飲んでもおいしい。

【皮やワタの栄養も丸ごといただけるレモン調味料レシピ】

お酢のクエン酸とレモンの栄養がダブルで働くレモン酢

お酢のクエン酸とレモンの栄養がダブルで働く「レモン酢」

●材料(作りやすい分量)

レモン…2個
氷砂糖…200g
酢…400ミリリットル

●作り方

(1)レモンを5ミリメートル厚さに切る。
(2)清潔な保存瓶にレモン半量と氷砂糖半量を交互に入れ、残りのレモンと氷砂糖を重ねる。
(3)酢を加え、涼しい常温で2週間ほど熟成させる。または、600Wの電子レンジで1分加熱すれば一晩で完成。

【POINT】
炭酸水で割ってドリンクにしたり、ドレッシングや肉料理のソースに(常温保存で約1年)。

※レシピは『からだにいい! 血糖値を下げる! レモン水健康法』(宝島社)より流用

取材・文/荒木睦美

石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。日本内科学会、日本東洋医学会、日本温泉気候物理医学会会員。漢方医学や自然療法、食事療法を取り入れた独自の治療・健康法を提案している。著書に、『からだにいい! 血糖値を下げる! レモン水健康法』(宝島社)など多数。