しまむらグループの『バースデイ』

「え……赤ん坊、全く同じ顔でなんか怖いんだけど」「AIは何の参考にもならないのでやめてほしい」――。子ども服・ベビー用品を扱う『バースデイ』が公式Xに投稿した商品画像をめぐり、SNS上で困惑や批判の声が相次いでいて……。

生成AIを使った独特な質感

 話題になっているのは、9月13日に公式Xで公開された「スカジャン&スカオール」のオンライン販売開始の告知画像。バースデイは「元気に!カッコイイ!もっと笑顔に!」「みんなお揃いで着てみてね!」と紹介し、翌14日正午からオンラインストアで予約販売を開始した。

 商品は、龍の刺繍などをあしらったスカジャンで、ブラック、ブルー、ピンクを展開。ベビー向けの「スカオール」も用意され、スカジャンは税込3069円、スカオールは税込3619円となっている。

「購買意欲を削ぐよ」AIを使った新商品の告知に嫌悪感(バースデイ・しまむらグループ公式Xより)

 ところが、この告知に使用されたビジュアルをめぐって、Xでは「これAIだよね?」という指摘が相次いだ。

 実際の画像を見ると、2枚のビジュアルには子どもがスカジャンやスカオールを着用した姿が描かれているが、写真のように見える一方で、背景のイラストや文字なども含め、全体的に生成AIを使ったと思われる独特の質感がある。

 SNSでは、

《AIのチープ感が購買意欲を削ぐよ》
《AIは何の参考にもならないのでやめてほしい》
《実物の品を物撮りだけの方が良いです》
《実物を、存在する人間に着せてこそ宣伝じゃないのでしょうか》

 といった声が寄せられている。なかでも目立つのが、モデルとして登場する子どもたちへの違和感だ。

《え…赤ん坊全く同じ顔でなんか怖いんだけど…》
《子どもがみんな同じ系統の顔に見える》

 など、AI特有の不自然さを指摘する声も。

実際の商品との差異

 商品そのものについても「実際の商品と画像の印象が違うのではないか」と不安視する声が上がっている。今回、オンラインストアに掲載された実物写真と告知画像を見比べても、商品の刺繍などについて明確な改変と断定できるほどの差は確認できない。

 ただ、AIによって作られたように見えるビジュアルなだけに、「実際に届く商品はどんなものなのか」という疑問につながっているようだ。

「洋服は、実際に人が着たときのシルエットや素材感、刺繍の細かさなどを見て『自分の子どもに着せたらどうなるか』を想像してもらう商品です。だからこそ、広告を見たときに服よりも『この子どもは本物なの?』『AIなの?』という部分に目が行ってしまうのは、少しもったいないと感じます」(ファッション誌編集者、以下同)

「デザインが変わって見える」AI広告で紹介された服の実物(しまむらパーク公式オンラインストアより)

 もちろん、ファッション広告でAIを使用すること自体が問題というわけではない。背景や演出に活用するなど、商品の魅力を引き立てるための使い方も考えられる。

「AIを使うのであれば、商品そのものは実物を正確に見せて、背景などで遊ぶ方法もあると思います。特に今回のような子ども服は、実際の着用感を見たい人も多い。『かわいい』と思ってもらうことが目的なのに、AIの違和感が先に気になってしまうのは避けたいところです」

 バースデイといえば、しまむらグループのベビー・子ども用品を扱うブランドとして、リーズナブルな価格と豊富なデザインで支持を集めてきた。だからこそ今回の投稿には、単なる「AI嫌い」ではなく、普段から利用しているからこその厳しい声も見られる。

 便利な技術を取り入れる一方で、消費者が本当に見たい「実物のかわいさ」をどう伝えるのか。企業広告におけるAIの使い方が、改めて問われている。