9月1日に直腸がんのため亡くなった中村ゆりさん

※この記事は映画『平場の月』の内容に触れているため、ネタバレを含みます。

 9月14日の夜、中村ゆりさん(享年44)の訃報に大きな衝撃が広がった。中村さんは、9月1日に直腸がんのため亡くなったという。

注目集まる中村ゆりさんの役どころ

 所属事務所の発表によると、13年前にもがんを患っていたものの、治療により寛解。しかし、2025年1月に再びがんが見つかって手術をすることに。手術は成功したものの、術後に転移が見つかり、根治や寛解を目指すことは難しかったため、うまく付き合いながら仕事を続けていた。そんな中、今年8月に突然、余命宣告を受けたという。

 がんの再発がわかる直前まで撮影をしていたのが、2025年11月に公開された映画『平場の月』だった。

堺雅人さんが主演を務めており、井川遥さんとの大人の恋愛が描かれた映画です。堺さんが演じる主人公の男性が、中学生時代に思いを寄せていた井川さん演じる同級生のヒロイン女性と50代で再会するも、女性は大腸がんを患ってしまいます」(映画ライター、以下同)

 支え合いながら術後の生活を送っていたふたりだったが、術後から半年後、女性は男性に別れを告げる。

「それでも主人公の男性は、女性に対して強い思いを伝えて、1年後に再会するという約束を取り付けます。しかし、約束の日がまもなく訪れるというときに、女性が亡くなったということを主人公は知ります。術後から半年の検診でがんの再発がわかったヒロインは、そのことを男性に黙ったまま、ひっそりと闘病していたのです」

 そんな井川が演じた女性の妹を演じたのが、中村さんだった。

この映画は、2024年11月から12月の終わりにかけて撮影が行われました。つまり中村さんは、大腸がんの姉を支える役を演じた直後に、直腸がんの再発がわかったことになります。こうしたタイミングだったこともあり、ご本人や周囲の人たちは複雑な心境だったかもしれません」(スポーツ紙記者)

 ネット上には、

《あの役を、どんな思いで演じられていたのか…》
《この映画への思いも特別だったのかもしれない》

 と、当時の心境を案ずる声も。

 2025年5月に行われた『平場の月』の製作報告会見で、

「それぞれの背景を背負った大人同士の今までにない深い愛の話で、脚本を読んで感動しました」

 と話していた中村さん。自身も大きなものを背負いながら、輝き続けていた――。