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「『命』という漢字は、“人”を“一叩き”と書く。一叩きっていうのはトクン、トクンと心臓が動いているってこと。みんなには、命がけで産んでくれたお母さんがいる。男も女も始まりは女からなんだ。だから、女の人は守ってやり、優しくしてやり、尊敬してやんなきゃダメなんだ」

 全国の少年院で道を踏みはずしてしまった彼らに、もう1度立ち直って夢を追いかけてほしいと熱く語りかける姿が話題のTIM・ゴルゴ松本。ホワイトボードに漢字を書いて、ゴルゴ流の話を進めていく。

「例えば、『人間』には『間』という漢字が入っています。これが“違う”ことを『間違い』って言って、これが“抜ける”ことを『間抜け』という。音読みと訓読みがありながら、それがすべて組み合わさっているのが漢字なんです。『人間』の『間』っていうのは、訓読みすると“あいだ”と読みます。だから、『人』の『間』にあるのは“愛だ”って言い切っちゃうの(笑い)」

 『吐く』から『-』を取ると『叶う』になる。だから、マイナスな弱音を吐かなくなれば夢は叶う。『辛い』に『一』を足したら『幸せ』。幸せから何か1つでも欠けたら辛くなる。苦難、困難、災難が無いなら『無難』な人生といえるが、有ることを『有難い』という。漢字を使ったゴルゴの教訓の話は説得力がある。こういった漢字の話をどうして思いついたのか?

「講演のために調べたというわけではなくて、前から日本の歴史について興味があって勉強していました。そうしたら、日本語って素晴らしいということがわかってきたんです。いつでも漢字を調べられるように、電子辞書も持ち歩いています。おかげで漢字に対する考え方がかなり“進化”していってます(笑い)」

 とはいえ、少年たちに伝えたいのは、漢字の知識ではなく、生きるために必要な考え方を身につけること。

「少年たちとは男同士だから話もしやすいし、“俺のことを親戚のおじさんだと思え”って言っています(笑い)。勉強ばかりじゃなくって、ミミズにオシッコをかけたらオチンチンが腫れるのはなぜなんだろうとか世の中には不思議な出来事がたくさんあるので、自然の中から何かを学ぶっていうのも子どもの時期には必要なことだと思っています」