Snow Man

 2026年11月、北海道札幌市の『大和ハウス プレミストドーム』で前代未聞の“ライブラッシュ”が巻き起こる。

 10月24日のNumber_iを皮切りに、10月30日から11月1日にはSnow Manの3days、11月14日・15日にはYOASOBIの2daysと、人気アーティストたちが立て続けに公演。さらに北海道最大級のファッションイベント『サツコレ』なども重なって、全国から大量の人が押し寄せる札幌市内は大混乱が予想されている。

 こうした事態を受け、JR北海道はコンサート終了に合わせて『札幌』発『旭川』行きの臨時特急『カムイ』『ライラック』を運行すると発表した。夜の10時から11時台に札幌を出発する異例のダイヤだが、どうしてわざわざ約140キロも離れた旭川行きの列車を走らせるのか。

「その狙いは、札幌市内の猛烈なホテル不足と宿泊費の高騰から生まれる“宿泊難民”の救済です。大型ライブが重なる日の札幌市内は、需要に応じて価格が跳ね上がるシステムの影響もあり、かつてはビジネスホテルが1泊数万円から10万円近くまで暴騰したことがありました。予約すら取れない状況に陥るため、特急で約1時間半の旭川市という、ホテルの空きがあって価格も比較的落ち着いているエリアに移動してもらう“避難ルート”を提示したというわけです」(イベント業界関係者、以下同)

北海道ライブが11月に集中する理由

 そもそも、なぜ11月にライブが集中してしまうのか。その理由は、北海道特有の厳しい気候にある。

「12月から3月といった真冬は、大雪や吹雪による飛行機の欠航やJRの全線運休が多発します。アクセスが途絶えて公演中止になれば、億単位の損失が出るため、アーティスト側は冬季開催を避けるのです。つまり、積雪の影響を受けずに数万人を集客できる“安全開催の限界ライン”が、11月中旬なのです」

 いくらJRが臨時特急を出したからといって、すべての懸念が拭えたわけではない。過去の大型ライブでも深刻な問題が相次いでいる。

『Number_i』の3人(左から神宮寺勇太、平野紫耀、岸優太 公式Xより)

 まず挙げられるのが、会場からの脱出難だ。ドーム最寄りの地下鉄『福住』駅などは、終演後に猛烈な入場規制がかかり、『札幌』駅に辿り着くまでに1~2時間以上かかることも珍しくないという。

「過去に、同じ会場で行われた嵐のラストツアーでも、夜10時5分発の臨時特急は、移動が間に合わなかったファンの席が空いたまま発車してしまったことがあり、続く夜11時16分発の最終便は通路やデッキまでギュウギュウ詰めの超超満員で殺到するという“偏り”が発生していました」(地元テレビ局関係者)

一部ファンが複数ホテルを仮押さえ

 11月の札幌は、初雪や根雪のシーズン。夜間は氷点下近くまで冷え込むため、駅の外で長時間待たされるファンの低体温症や体調不良も危惧されるだろう。

 仮に深夜1時近くに旭川へ到着できたとしても、翌日も参戦するファンにとってはかなりの極限スケジュールだ。

「それと、一部ファンによる“とりあえず複数のホテルを仮押さえする”といった常習的な行動や、ホテル側の時期によって価格を変動させるシステムによって、手ごろな宿が消えてしまうといった構造的な問題は、一向に解決していません」(前出・イベント業界関係者)

 JRの“神対応”によって救われるファンがいる一方で、冬直前の北海道ライブは、防寒対策から移動のタイミングまで、緻密な戦略が求められる過酷な遠征となりそうだ。