批判の的となった福岡県議らによる「高額な海外視察」に、ようやくメスが入る…はずだった。だが、示された見直し案に県民の視線は厳しいようだ。
福岡県議会による実施基準案
28日、高額な海外視察が問題視されてきた福岡県議会が新たな実施基準案をまとめた。主に「空路移動は原則エコノミークラス」「宿泊は一般職員と同水準」。また、2年前まで作成義務がなかった視察報告書について、参加した議員1人1人が終了後2か月以内に作成し公表することとしている。
一見、大幅な見直しに見えるが県民からは《ズレてる。原則ってことは抜け穴作ってるし》《この期に及んで、まだ視察に行く気なんや…》といった冷めた声が相次いでいる。
「これらの見直しの背景には、高額な公費の支出に対する批判があります。過去3年間で25回の視察を実施し、支出された公費は約2億8000万円にのぼり2024年のフランス視察では当時の議長が1泊17万円近いホテルに泊まるなど、基準額を大幅に超える宿泊が常態化していました。
さらに、金銭授受疑惑や蔵内元議長の議長職の『辞職勧告決議案』に対する林県議の緊急動議など、福岡県議会では度重なる疑惑が問題視され県民からの信頼を失っている状況です」(政治部記者)
疑念が疑念を呼ぶ福岡議会
公費を抑える方向に舵を切ったのが今回の基準案だが、これまでの実態から疑念が生まれるのも無理はない。
「座席や宿のグレードを下げても、参加議員の数次第では費用は膨らみます。費用の総額や参加人数の上限が盛り込まれていないと、名目を変えて高額な支出が続く余地は残るのではないでしょうか。また、一部報道では、ある議員から宿泊先のセキュリティー懸念や長時間移動を考慮した上位クラスの例外規定といった意見も出ているようです」(前出・政治部記者)
一方で、これまで報告書の作成義務すらなかったことを思えば「誰が、何のために行き、何を得たのか」が可視化されるのは大きな一歩との声もある。
今回の見直しについては10月1日の会合で最終案が協議され、9月定例会が閉会する10月16日までに議長に答申される方針となる。積み重なった“不信”を払拭する改革を期待したいが果たして──。
