三原理稀容疑者(写真は共同通信)

 元妻A子さん(28)の群馬県太田市の実家に乗り込んでその母親の手塚由佳さん(52)を殺害し、弟(26)の後頭部を切りつけて逃走したとみられる外壁工・三原理稀容疑者(30)が同県高崎市内のパチンコ店で逮捕された。9月25日白昼の犯行から丸2日のスピード確保だったが、事件現場周辺には“恐怖の記憶”が深く刻まれていてーー。

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「パチンコしないで休憩用ベンチに座っていたんでしょ? 大勢の客が出入りするから目立つのに、顔写真で手配されて、逃走する気力が失せたのかも。発生当初はパトカーが何台も駆けつけ、上空にはずっとヘリが飛んでいるし、犯人がうちに逃げ込んでくるんじゃないかと怖かったですよ。思い出すのもゾッとしますね」(近所の70代男性)

どこかチグハグな犯人の行動

 逮捕時は本人であることを認めて抵抗しなかった。容疑はA子さんの弟に対する殺人未遂で、手塚さんの殺害についても関与をほのめかす供述をしているという。

 犯行後、凶器とみられる包丁2本のうち1本を持ち去りながら近所に捨て、現場宅の敷地に靴を脱ぎ捨てていた。靴下姿で徒歩と公共交通機関を使って逃げた可能性が高い。

「自宅から包丁1本を持参しており計画的犯行の線は濃いといえます。逃走中にメガネをかけたり、上着を脱ぐなど外見を変えていたこともわかっています。不思議なのは現場近くの店舗駐車場まで車で乗りつけながら、逃走には使っていないこと。

 どこかチグハグなんです。一方で犯行の手口は執拗で、手塚さんは胸、腹、腕、足など十数か所に刺し傷などがあり、一部は肺にも達していました」(全国紙社会部記者、以下同)

 三原容疑者とA子さんは今年3月までに離婚している。しかし、離婚成立後も栃木県佐野市の容疑者宅アパートで同居していた時期があり、A子さんやその親族は3月以降、群馬、栃木の両県警にDV相談や通報などを複数回していた。A子さんは9月19日にも栃木県警に相談し、同警が三原容疑者を呼び出して口頭指導したばかりだった。

「実家に戻るにあたり、三原容疑者から“家族とオレのどっちを取るのか。A子さんの母親と弟を殺して自分も死ぬ”と迫られたという相談でした。情報共有する群馬県警は9月24日、実家にいるA子さんに連絡をとり、避難をうながしています。しかしA子さんには母親の世話があり避難は難しかったようです」

「身体がガタガタと震えて…」

 事件当日、帰宅したA子さんと弟は自宅内で三原容疑者と鉢合わせしたとみられる。近くで母親が血を流して倒れていた。A子さんと弟は自宅を飛び出した。

事件現場となった元妻の実家には規制線が張られて……

 直後のA子さんと接した近所の80代男性が振り返る。

「A子さんは“助けて、助けて”と連呼してうちに飛び込んできました。“警察、警察”と言うんですが、説明がないので一向に状況はつかめません。

 通報する電話口では“早く来てください、早く”と言いながら身体がガタガタと震えていますし、私は“落ち着いて。言葉でわかるように言って”と声をかけたんですが、なかなか落ち着くことができないようでした。80年以上生きてきて、人があれほどパニックに陥る姿を見たのは初めてです」

 やがてA子さんは「私が悪いんだ」と何度か言い、「弟を探しに行かなきゃ」と出て行った。そのあとの行動を目撃した女性住民によると、通報で駆けつけた警察官と合流したA子さんは、道端に横になり母親の状況をジェスチャーで伝えていたという。

 複数の近隣住民によると、母親は乳がんを患っていたようで、ここ1年ぐらい、姿は見られなくなっていた。親の世話をすることさえ許さないとは、あまりに非情すぎる。