「私はここに、愛知・名古屋において開催される第20回アジア競技大会の開会を宣言します」
第20回アジア競技大会開会式出席の天皇陛下と皇后さま
9月19日、秋篠宮家の次女、佳子さまの伯父である天皇陛下と皇后さまは、名古屋市瑞穂公園陸上競技場で行われた第20回アジア競技大会の開会式に出席した。大会名誉総裁の秋篠宮さまも、紀子さまと一緒に同席している。
開会式は午後6時ごろから始まり、秋篠宮ご夫妻に続き、両陛下が貴賓席に姿を見せると会場から大きな拍手が送られた。各国の出場選手たちが入場行進した後、天皇陛下は冒頭のように述べ、大会の開会を宣言した。
その後、両陛下と秋篠宮ご夫妻は、五輪メダリストらによるトーチリレーや聖火点灯などを観覧している。翌20日、両陛下は名古屋市内でバスケットボール女子の試合を観戦した。
この大会は1951年から始まり、4年に1度開催されるアジア最大のスポーツの祭典として知られている。今回は45の国と地域などが参加して10月4日までの日程で開かれ、43競技で選手たちが熱戦を繰り広げた。
「本日、第20回アジア競技大会の結団式にあたり、TEAM JAPANの皆様にお会いできたことを、大変うれしく思います。このたび日本代表に選ばれた選手の皆様、選手をサポートしてこられた皆様、おめでとうございます。今回のアジア競技大会は、愛知県名古屋市を中心に開催されます。日本での開催は、1994年の広島大会以来32年ぶりです。(略)
TEAM JAPANの皆様が、これまでの努力の成果を存分に発揮できるよう応援しています。また、この大会が、各地からいらっしゃる方々との交流を深める機会になることを願っています」
佳子さまは8月19日、東京都港区のホテルで行われたアジア競技大会の日本選手団の結団式に出席した。まず、佳子さまは熊本県の地震と千葉県の豪雨の被災者たちにお見舞いの気持ちを伝えた後、前述のとおり選手たちを激励した。
話はさかのぼるが昨年4月から10月まで、大阪・関西万博が大阪市の人工島、夢洲で開催された。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、半年間にわたって未来社会を形づくる理念や先端技術を発信したが、日本での大規模万博は2005年の愛知以来20年ぶり6回目で、大阪では1970年の大阪万博以来55年ぶりとなった。
開幕前日に行われた開会式の挨拶のおことばで、陛下は10歳のときに大阪万博を訪れた思い出を懐かしく振り返りながら、次のように述べている。
「博覧会の会場を何度か訪れ、さまざまな国のパビリオンを巡って、世界の人々との触れ合いを実感するとともに、月の石を見たり、ワイヤレステレホンでの通話を楽しんだりして、当時の最新の技術に驚いたことなどを今でもよく覚えています。
今回の博覧会を通じて、子どもたちが世界の国や地域、人々への理解を深め、次世代の技術や、SDGsの達成に向けた世界の取り組みなどにも触れることにより、未来の社会について考えることを願っています」
開会式には皇后さまや万博名誉総裁を務めた秋篠宮さま、それに紀子さまも同席した。天皇、皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻は開会式前日に大阪・関西万博の会場を視察し、万博のシンボル「大屋根リング」に上り、リングの構造などについて説明を受けた。両陛下と秋篠宮ご夫妻そろっての視察は、園遊会などの皇室行事を除いて令和になって初めてだったという。
今回、アジア競技大会の開会式でも兄弟夫妻が顔をそろえたことになり、その姿がまた注目を集めることになった。
りくりゅうペアと佳子さまの交流
「今日、引退を発表されたのですよね。長年のご活躍でのお気持ちはいかがですか」
天皇、皇后両陛下が主催する春の園遊会が4月17日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれた。園遊会にはミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートのペアで、日本初の金メダルを獲得し、この日に現役引退を発表した三浦璃来選手と木原龍一選手のりくりゅうペアの姿もあった。佳子さまは、「おめでとうございます」と五輪で活躍した2人にねぎらいの言葉をかけ、前述のように尋ねていた。
佳子さまは、小学2年生のときから高校を卒業する前までフィギュアスケートを続けていた。フィギュアスケートで佳子さまが見せた華麗な演技が、目に焼きついている人もいると思う。
2014年12月、成年に際して行われた初めての記者会見で、佳子さまは、「これまでは、高校の終わりまでフィギュアスケートを続けておりました。今では、これといって特にはございませんが、家の中で身体を動かしたり、弟と家の中や外で遊んだりしております」と話していた。
フィギュアスケート競技で活躍した佳子さまだけに、りくりゅうペアへの思いも強く、次のように専門的なやりとりをしていて、とても興味深かった。
「心に残る素敵な演技でした。特にショートプログラムのステップのところがすごく好きです。結構前だと思うのですが『ハレルヤ』のプログラムもとても素敵でした」(佳子さま)
「私たちの中でも、『ハレルヤ』は世界を目指せるかなと思えたシーズンでのプログラムなので、すごく印象が強いです」(三浦選手)
「ぜひ伺いたいなと思っていたんですけれども、いい演技をするために、おふたりが気をつけていらっしゃるコツとかルーティンとかあったりされますか」(佳子さま)
「やはり危険な競技なので、自分が思っていることをしっかりぶつけることであったり、その中でも小さな言い合いが生まれたりするんですけども、きちんと解決策を見いだして、ケンカをしたとしてもその日のうちに仲直りをするというのを心がけてやっています」(三浦選手)
最後に佳子さまは、「いいコミュニケーションなのですね。今日はありがとうございました。これからもご活躍をお祈りしています」と述べたという。
今年9月、紀子さまは還暦の誕生日を迎えた。この折、皇室典範が改正されたことについて、佳子さまや悠仁さまにはどのように説明し、将来について話し合っているか、などと記者から文書で尋ねられている。これに対して紀子さまは、次のように文書で答えている。
《皇室典範が改正されたことを事実として受け止めております。佳子や悠仁には改正されたことを話しました。将来にわたって子どもたちの幸せを願いながら、見守っていきたいと思います》
今年8月、あのりくりゅうペアが婚約を発表した。春の園遊会で顔を合わせた佳子さまは心から祝福したことだろう。
もちろん、佳子さまの将来も気になるところだが、今は目の前の仕事に全力投球することに幸せを感じているのかもしれない。
<文/江森敬治>
