世界的ヒットを果たした韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』をリメイクし、放送前から注目を集めているのが10月19日スタートの『南田南弁護士は天才肌』(フジテレビ系)。自閉スペクトラム症の新人弁護士の奮闘を描く法廷ドラマで、芦田愛菜がヒロインを演じる。
弁護士や検事を主人公にした法廷ドラマは数あれど、名作もがっかり作品もあって─。そこで、30〜60代男女500人にアンケート。「よかった」法廷ドラマは何ですか?
キャラに合った配役が好み
5位は『離婚弁護士』('04年/フジテレビ系)。
「天海祐希のサバサバした性格と役柄が合っていて爽快だった」(埼玉県・40歳・女性)、「話が実際にあり得ると思った」(奈良県・63歳・女性)、「テンポよくストーリーが展開し、見ていて飽きなかった」(東京都・50歳・男性)との声が集まり、トップ5にランクイン。
「当時は離婚件数が増え、結婚が一生添い遂げるものではなくなってきたころ。その時代背景を反映していました。さらに男女関係や家族関係など、なじみ深い問題を法廷ドラマとして扱ったのが支持につながった」
と話すのは、ドラマウォッチャーの苫とり子さん。
弁護士のヒロイン・貴子役に扮した天海は連ドラ初主演で、ハマり役だったという声も多い。
「貴子は優秀でカッコよくて、天海さんにぴったり。それでいて人間関係や恋愛には不器用で、人間くささがあった。女性の生き方を描いた、女性が共感できるドラマです」(苫さん)
4位は『イチケイのカラス』('21年/フジテレビ系)。「裁判官を主体にした斬新なドラマで、法廷の裏側を知れて楽しかった」(神奈川県・54歳・女性)、「庶民的な目線の裁判官に好感度大」(愛知県・68歳・女性)と、男女ともに票を集めた。
「法廷ドラマというと弁護士か検察官を題材にすることが多いけれど、裁判官を主人公にしたのが新鮮。裁判官の日常も描かれ、裁判官の仕事に親しみが持てました」(苫さん)
主演は竹野内豊。型破りな裁判官が現場に出向き事件を解決する様を描いた。
「主人公は普段は飄々としているけれど、裁判になると信念が見えてくる。そのギャップが竹野内さんの和やかな雰囲気に合っていました」(苫さん)
圧巻の長ゼリフ早口まくしたて
3位は『99.9 ─刑事専門弁護士─』('16年/TBS系)。「逆転するところがスカッとする」(千葉県・60歳・女性)、「異色のドラマで、お笑い要素もあってよかった」(滋賀県・61歳・女性)と、トップ3入り。
「0.1%の可能性を追いかける過程で、視聴者も一緒に真相を考えられる。真実が明らかになっていく爽快感がありました」(苫さん)
主演は松本潤。裁判の有罪率99.9%とされる刑事事件の壁を覆し、0.1%の真実を追求していく。
「松本さんも『花より男子』のようなキラキラのアイドル感はなく、おやじギャグを言うなど遊びの要素が入っている。シリアスだけど重苦しくない。気軽に楽しめるエンターテインメント性と法廷ドラマを両立させ、幅広い層に訴えました」(苫さん)
2位は『リーガル・ハイ』('12年/フジテレビ系)。
「堺雅人がキレキレ。長ゼリフ早口まくしたてに圧倒された」(大阪府・60歳・女性)、「ふざけた感じと法廷での迫力ある演技にメリハリがあった」(東京都・47歳・女性)、「堺雅人と新垣結衣の掛け合いがコミカルでまた見たい」(新潟県・64歳・女性)との声が寄せられた。
「堺さんが主演し、古美門という圧倒的なキャラクターを生み出した。長ゼリフをものすごいスピードで畳みかける法廷シーンは、一度見たら忘れられないインパクトでした」(苫さん)
「正義は金で買える」と言い放つ偏屈な弁護士の古美門を堺が演じ話題に。ヒロインは新垣で、続編も放送された。
「勝ちに徹底的にこだわる古美門と、正義感の強いヒロインを対立させ、そもそも正義って何なのかというある種哲学的な問答を繰り広げ、考えさせられるドラマでもありました。コメディーに見えるけれど、視聴者の価値観に訴える、振れ幅が面白かった」(苫さん)
型破りな主人公像で大ヒット
1位は『HERO』('01年/フジテレビ系)。
「木村拓哉の自由な服装と見た目とは違うガッツなやり口、共演者とのやりとりが楽しかった」(愛知県・69歳・男性)、「正義感の強さと大胆な行動が秀逸。コメディータッチのストーリーも面白かった」(北海道・65歳・男性)、「キムタクと松たか子の掛け合いがよかった」(北海道・60歳・男性)と、2位以下を大きく引き離し146票を獲得。
「木村さんのスター性がよく出た作品。ラフな服装で一見検事らしくないけれど、仕事には真摯というギャップが魅力でした」(苫さん)
木村が型破りな検事に扮し、最高視聴率36.8%の大ヒットを記録。13年後に続編が、2度にわたり劇場版が作られた。
「個性的なメンバーの掛け合いも面白く、群像劇としてよくできていた。検察の世界を軽快に描き、誰でも楽しめるエンターテインメントでした」(苫さん)
ずらりと出そろった法廷ドラマ。そこには共通点があるという。
「『HERO』のヒットで、法廷ドラマのフォーマットが確立されました。変わり者の主人公と、個性的な仲間がいて、わちゃわちゃの群像劇で見せていくという、『HERO』を下地にしたドラマが多く見られます。ただ、主人公のパターンも出尽くして、最近は差をつけるのが難しくなってきた。フォーマットの中でどう変化させていくかが、今後の課題となりそうです」(苫さん)
今期、『南田南弁護士は天才肌』は過去作を越えられるだろうか─。
取材・文/小野寺悦子
