10月1日に小園海斗、矢野雅哉、前川誠太、田村俊介らとの来季契約を結ばない、いわゆる「戦力外通告」を言い渡した広島東洋カープ。2026年シーズン開幕前に勃発した、羽月隆太郎の逮捕、契約解除から引きずり続けた“ゾンビたばこ”騒動の収束を図りたい思惑が見えた。
主力選手の相次ぐ離脱もあってか、今シーズンを4位でフィニッシュと3年連続Bクラスに落ち込んだ広島。来季に向けて巻き返しを図りたい、ファンの信用を取り戻したいところだが、オフには新井貴浩監督もさらに頭を悩ませることになりそうだ。
というのも小園らレギュラー格の離脱に追い打ちをかけるように、チームには欠かせない3人の主力選手が流出危機にある。森下暢仁、床田寛樹の左右のエース、そして主軸としてチーム2位の15本塁打を放った坂倉将吾が、今季でFA(フリーエージェント)権を取得したことで移籍の可能性が浮上しているからだ。
とはいえ“ゾンビたばこ騒動”とは関係なく、元よりオフの争奪戦が予想された3選手。移籍事情に詳しいスポーツライターによると、彼らの“移籍先”候補として上がるのがーー。
「まず兵庫県が地元の床田投手ですが、オリックスバファローズが早々に獲得調査を始めています。カープ時代に仲が良かった先輩・九里亜蓮もFA移籍(海外FA)しているだけにチームにも馴染みやすい。ただオリックスだけでなく、安定感抜群の左腕を他球団も黙っているはずもなく、今オフの移籍市場の目玉になる選手です」
エース森下はMLB挑戦なら残留も
そして2021年から4年連続で二桁本塁打を記録している強打の捕手、坂倉には関東圏の球団が熱視線を送っている。千葉県出身の坂倉は、日大三高(西東京)を経てプロ入りした“関東人”だ。
「来季からDH(指名打者制)が導入されるセ球団、東京ヤクルトスワローズや横浜DeNAベイスターズが興味を示しています。また2年連続で優勝を逃した巨人もDH、1塁手候補として獲得に動きそうですが、坂倉本人は捕手にもこだわりがあるだけに、現時点で捕手が飽和状態の巨人だけに“人員整理”が始まるかも。
そして大分県出身のエース・森下ですが、国内ならば福岡ソフトバンクホークスが有力候補ですが、本人はメジャーリーグ挑戦も視野に入れてきました。海外FA権を取得見込みは2028年のため、MLB挑戦ならば2027年オフでのポスティングシステム利用しての移籍が現実的。もう1年、カープでプレーする可能性は高いと思います」(前出・スポーツライター、以下同)
もちろん森下をはじめ、床田や坂倉も残留の目がないわけではない。一方で、ペナントレースとは別のところで主役になったチームを、忸怩たる思いで応援してきたファンが恐れるのは“3人の流出”だけではなさそうだ。
《今年のドラフトでカープに指名される選手地獄だろ FAで主力出るのほぼ確定だろうし、チームの雰囲気最悪だろうし、指名拒否まである》
《とりあえず今年のドラフトで指名拒否が出ないことを祈るわ 球団が存続することをラッキーと思ったほうがいいよマジで》
《特に高卒選手などは保護者や学校が敬遠し、ドラフトで入団拒否されるかも》
“ドラフト拒否”はFAよりも大きな損失
10月22日に控える新人選手選択会議「ドラフト会議」で、広島が指名した選手たちが入団拒否するのではないか、とX上で心配までされているのだ。確かに、社会経験が乏しい高卒・大卒選手を預ける側からすれば、球団対応も含めて信用を失いかねない騒動を起こした広島。本当に指名選手の入団拒否につながるとすれば、それはFA流出よりも手痛い“損失”となる。
「カープの強みは球界屈指の練習量に裏付けられる若手選手の育成です。これまでも数多くの主力選手が他球団に移籍しながらも、丸佳浩や鈴木誠也ら高卒組をはじめ、スカウトを経てドラフトで有望選手を迎え入れられたからこそ、2016年からのリーグ3連覇も達成できました。広島にとってドラフトは、何よりも変え難い人材確保、戦力補強の場でもあるわけです。
ただ実のところを言うと、ドラフト指名選手が広島を入団拒否した事例は1970年代まで遡り、今回の騒動でも、“疑惑選手の一掃”という強硬手段で一旦の“けじめ”はつけました。紛れもなくドラフトを意識した大決断ですし、球団も危機感を持ってチーム再建に取り組んでいる証とも言えます。今後は選手指導の徹底も促していくとのことで、再び薬物騒動が起きることもないでしょう」
入団する新人選手のためにも、球団としてしっかり野球に打ち込める環境を整えてほしい。
