綾瀬はるか

 10月2日に公開された綾瀬はるか主演の映画『ファーストボイス』が苦戦を強いられている。

 同作はバブル経済の絶頂期である1989年に起きた日本初のハラスメント裁判に着想を得たフィクション。働く女性は結婚までの「腰掛け」と捉える価値観が根強かった時代に、未来を切り開こうとする型破りな弁護士たちの姿を描く。

初日の興収は推定1300万円

 ファーストサマーウイカや松本穂香、空気階段の水川かたまりなど個性豊かな俳優が脇を固め、主演の綾瀬は公開前後にバラエティー番組などで精力的にプロモーション活動を行っていた。

 公開初週は299館と全国拡大ロードショーされたにも関わらず、興収を発信している映画アカウントによると初日の興収は推定1300万円となっている。

「興収まとめサイトの販売数から計算すると、公開3日間の推定興収は4000万円ほど。先週公開された鈴鹿央士さん主演『藁にもすがる獣たち』の初週興収2500万円よりはマシですが、結婚報告でファン離れが起きた重岡大毅さん主演の『5秒で完全犯罪を生成する方法』でも初週は推定6000万円ありましたからね。その3分の2程度なら、かなり厳しいスタートですよ」(映画ライター)

 10月9日からは横浜流星と広瀬すずがW主演を務める『汝、星のごとく』のほか、トム・クルーズ主演『DIGGER/ディガー』。人気シリーズ『バイオハザード』、根強いファンを抱えるアニメ映画『ガールズ&パンツァー』シリーズの最終章第5話の公開がスタートする。

 そのため初週で客足が伸びなかった『ファーストボイス』は上映館数や回数が激減することが決まっている。

「7日に金曜以降の上映スケジュールが各映画館の公式サイトで発表されましたが、1日3〜4回上映していた映画館でも1日1回のみに。埼玉県内では初週25館で公開されていましたが、2週目は早くも10館減って15館のみ。上映する映画館でも多くが1日1回のみになります」(映画ライター、以下同)

 同作は松竹とワーナー・ブラザーズが共同で配給を担当しているが、多くの劇場を抱える東宝以外の作品を取り巻く環境は年々厳しくなっているという。

「今年公開された邦画実写ベスト10のうち7作品は東宝配給作品。松竹が3作品で、大手の東映を含めほかの配給会社は1作品もなし。動画配信サイトが定着したことで、熱心なファンを抱える俳優の主演作や人気シリーズ、特典を配布して“推し活勢”が押し寄せるアニメ作品以外はなかなか厳しく、多くの劇場を持つ東宝以外の作品は初週の動員が少ないとすぐに打ち切られてしまいます」

綾瀬主演の東宝作品は10億円突破のヒット

 ベスト10に入った松竹作品も、前作がヒットした『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』(21.6億円)、固定ファンを多く抱える松村北斗主演で東野圭吾さん原作の『白鳥とコウモリ』(17.4億円)。本当の意味で健闘したと言えるのは現在10位にランクインしている本木雅弘主演の『黒牢城』(11億円)ぐらいだろう。

綾瀬はるかが主演を務める映画『ファーストボイス』ポスター(公式サイトより)

「今年公開された綾瀬さん主演の映画『人はなぜラブレターを書くのか』はヒットの目安である10億円を突破しています。しかし綾瀬さんクラスであっても作品のテーマや東宝以外の作品であれば惨敗してしまうぐらい、実写邦画作品を取り巻く環境は厳しいということです」

 レビューサイト「映画.com」では5点満点中4.0点。ヤフー映画レビューでは4.1点と、実際に鑑賞した人からの満足度は高いだけに、クチコミでの巻き返しに期待したい。