1949年に設立されて以降、映画配給会社として全国的にその名が知られている東映株式会社。
東映『荒磯に波』を擬人化
同社制作の映画では、岩礁に荒波がぶつかるお馴染みのオープニング映像が流れることで有名だ。『荒磯に波』と称されるその配給マークをひとつのIP(知的財産)とする動きが2024年よりスタート。ロゴを大々的にデザインしたTシャツやキャップなどのアパレル商品のほか、ステッカーやタオルなども展開している。
これらは「東映荒波計画」と題されているが、今年はひと味違った試みになっているという。
「10月8日(トウエイの日)に配給マークを擬人化した新キャラクター『あらいなみT081』を発表したのです。キャラクターは東映の企業ロゴや社名、オープニング映像、配給マークをモチーフにデザインされ、名前の『T081』はトウエイを表す語呂合わせで命名されているとのこと。
青のロングヘアに水色のキャップを被り、お腹を出したショートパンツ姿の女性が岩に捕まるようなポージングを取り、こちらを振り向いている場面が描かれています。荒波は青、岩礁は黒で表されていますが、波の動きや洋服に記された『TOEI』の文字など、細かいディテールにもこだわりが見えるデザインに仕上がっています」(映画ライター、以下同)
キャラクターデザインは、大人気ゲーム『ポケットモンスター』や『モンスターハンター』などのアートを手掛けるイラストレーターのタケウチリョースケ氏の描き下ろしだ。
タケウチ氏は「やっぱり『荒波計画』なので荒波を表現するにはやはり髪型かな、と髪型で荒波を表現させて頂きました。そして東映様の三角のロゴを随所に散りばめました。瞳のマークも三角! 皆様に親しまれるキャラクターになる事を願ってます!」とコメントし、こだわりの細部について説明していた。
まさかの擬人化に驚きの声が上がる中、
《キモイ!》
《なんか違う気が…》
《絶対に女の子じゃないよ、絶対に。男の子、あるいは成人男性だ》
《女性に擬人化する需要がどこにあるのか謎です》
《これだけ多くの人から印象深いものとして理解されているものを なぜあえて変えようとしてしまうのか。 良いものは何年経ってもいいんだよ》
など、拒否感を示す声が数多く寄せられた。
「安直すぎた」の指摘
東映は今後、『あらいなみT081』のオリジナルグッズやSNSでの発信、各種イベントなどを予定している。今回の擬人化について、ある映画配給会社の関係者は「安直すぎたのでは」と苦言を呈する。
「いまはひとつのキャラクターがバズれば、ガチャガチャやフィギュアなど、さまざまなビジネスに展開できますが、擬人化には《目先の利益に囚われた》との指摘もあります。
グッズ展開においては、キャラクターを立てたほうが売り上げには期待できるでしょうが、『荒磯に波』のままでも十分な信頼が得られていたはずです。長年、東映を象徴してきたものを改良する必要はなかったと思います」
と、イラストレーターのデザインに批判が上がったのではなく、あくまでも問題視されたのは東映の方針だという。
ショートパンツにチビTシャツでお腹を出した女性キャラに変更した意図とは。キャッチーなデザインであることはたしかだが、果たして万人に受け入れられるだろうか――。
