ダイアナ妃をお出迎えした現在の天皇皇后両陛下(1995年)

 2026年12月9日、ダイアナ妃の“伝説のドレス”が30年ぶりにオークションへかけられる。

チャールズ皇太子の不倫報道を抑えて当時の新聞の紙面を独占

「現在イギリスの国王であるチャールズ3世の元妻、ダイアナ妃の“黒いドレス”が、今年の12月9日に再びオークションへ出品されることが分かりました。このドレスの着用は1度のみで、1994年6月29日、ダイアナ妃と結婚関係にある中で、当時皇太子だったチャールズ3世が現在の王妃であるカミラ夫人との不倫を認めるインタビューがテレビ放送された、まさにその日に着用されていたものです。イギリス王室において、黒は基本的に喪に服す際の色であり、公務で着るドレスには使用されません。しかし、脚や胸元を堂々と見せた大胆な漆黒のドレスは“リベンジドレス”と呼ばれ、チャールズ皇太子の不倫報道を抑えて当時の新聞の紙面を独占したいわくつきのドレスです」(イギリス王室ジャーナリスト、以下同)

 当日、公務の直前に着用するドレスを変更したというダイアナ妃。彼女の強い意思が込められたドレスは一世を風靡した。その後、ダイアナ妃は1996年8月にチャールズ皇太子と離婚したものの、その直後にさらなる悲劇が襲う。

「離婚から1年後の1997年8月、ダイアナ妃は交通事故により急逝しました。このセンセーショナルな出来事によって、ドレスはより象徴的な存在になったと言えます。亡くなる直前の1997年6月、ダイアナ妃自身がチャリティオークションに出品しており、今回は約30年ぶりの出品です。『フィガロ』や『VOGUE』、『ELLE』といった海外ファッション誌が一斉に取り上げ、そのドレスの行方と金額は世界中から大きな注目を集めています。過去に、ダイアナ妃がお気に入りだった羊柄のニットが2023年9月14日にオークションにかけられた際、1億6000万円で落札されました」

 ダイアナ妃とその先進的で大胆なファッションは日本でも虜になる人々が続出し、“ダイアナフィーバー”という言葉も生まれた。

ダイアナ妃の強い希望で阪神淡路大震災後に訪日

「天使のような美貌と、華麗なドレスからスウェットなど王室にとらわれないファッションを着こなす彼女は、日本でも絶大な人気を博しました。1986年5月にはチャールズ皇太子(当時)とともに来日し、浩宮さま(現在の天皇陛下)がお二人をご案内しました。その際着用していたドレスは白地に大きな赤い水玉模様があしらわれており、“日の丸ドレス”とも呼ばれました。また、滞在中には大相撲を観戦されたり、宮中晩餐会で皇室の方々と交流されたりと、皇室をはじめ日本国民との温かいやり取りが大きな話題となりました。1990年の即位の礼の際にも再来日されています」(皇室担当記者、以下同)

1986年、チャールズ皇太子と来日したダイアナ妃(当時)を京都・修学院離宮に案内する26歳の天皇陛下

 さらに、ダイアナ妃が日本人から愛されるようになったきっかけは「阪神淡路大震災」の際の出来事がある。

「1995年2月、発災の翌月にダイアナ妃が単独で来日されました。海外で大きな被害が発生した場合、お言葉を送られることは多くありますが、実際に王室や皇室の方が震災直後にその国を訪問されることは非常に珍しく、ダイアナ妃の強い希望もあり実現しました。警備などの観点から現地である兵庫県や大阪府の訪問はかないませんでしたが、訪日自体が被災後の日本を明るく照らしました」

このように日本とも強い絆で結ばれていたダイアナ妃だが、現在、実弟のチャールズ・スペンサー伯爵が執筆した書籍『Swan Song: Diana, My Sister』も話題を呼んでいる。

「9月22日の発売以来、瞬く間に注目を集めました。来年はダイアナ妃の没後30年という節目にあたります。本書は、当時の王室内の状況やチャールズ皇太子とのやり取りが明かされた、いわゆる“暴露本”です。特に、ダイアナ妃の事故直後にチャールズ皇太子が電話で『安心しろ。我々はすぐに彼女のことを忘れる』と語ったとされる記述は、国内外で大きな波紋を広げています」(前出・イギリス王室ライター、以下同)

 こうした記述に対し、イギリス王室は静観を基本としつつもコメントを発表した。

「イギリス王室は『深い悲しみは判断力に影響を及ぼし、他者には窺い知れない形で記憶をゆがめることがある』との旨を発表し、書籍の内容に事実と異なる部分が含まれていることを示唆しました。本の中では、ダイアナ妃が苦しんでいた摂食障害について、チャールズ皇太子が彼女の腰に手を当てて『少しぽっちゃりしているね』と発言したことが引き金になったと主張されるなど、かなり踏み込んだ内容が記載されています。現時点では日本語訳は出ていませんが、かつて“ダイアナフィーバー”を巻き起こしたこともあり、すでに日本でも本書の話題で持ち切りです」

 時を超えて今なお世界中、そして日本で愛され続けるダイアナ妃――。彼女の強い意志と美学が詰まった“伝説のドレス”がどのような結末を迎えるのか、世界中が見守っている。