10月16日の午後12時40分ごろ、「ギュイッ・ギュイッ・ギュイッ」という音が北海道・東北・関東甲信・北陸・東海・伊豆諸島の広範囲に渡って鳴り響いた。
緊急地震速報の取消に各地がパニック
この音はスマートフォンから発せられた緊急地震速報だったのだが、ものの2~3分の間に計3回の音が発生した。
1~2回目はスマホに《千島列島で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)》の文字が表れ、国民に強い緊張感が走った。しかし、その後の3回目の速報では《緊急地震速報(取消)先程(12:40)の緊急地震速報を取消します。(気象庁)》と記されていたのだ。
「周知のように近年は大規模な地震が相次いでおり、今年も7月28日に震度7の地震が熊本県を襲っています。過去の凄惨な地震の被害から、この音に“トラウマ”を抱えている人もいると聞きます。
文字通り緊急を要する事態なので、精査に時間をかけられないのは理解できますが、なぜ誤った地震速報が流れてしまったのか。今後、気象庁にはしっかりと調査してもらいたいですね」(全国紙社会部記者)
前出の社会部記者は改めて緊急地震速報について、こう説明する。
「緊急地震速報は地震計が地震を感知し、それを気象庁に通知。その後、気象庁が携帯電話会社に連絡という方法で国民に通知されることになっています。
恐怖すら抱く“ギュイッ・ギュイッ・ギュイッ”という音は、眠っている状態でも脳を強制的に覚醒させ、危険を知らせる目的があるのです。たしかにドキッとしてしまいますが、それは健全な反応なのです」
ネット上では、3度の緊急地震速報に恐怖を覚えた人が多かったようで、
《生きた心地がしない》
《パニックになるからやめて》
という声が上がった一方で、
《取消は音変えろ 2回もビビらせんな》
《誤報の取り消しに緊急地震速報を使わないで欲しい》
《取り消しの警報鳴らすのやめろや》
《取り消しのBGMはもっと優しいメロディにしてほしい》
などの意見が続出していた。
「例えば、映画館や舞台などで緊急地震速報が鳴った場合、速やかに観客を避難させなければなりません。当然のことながら、一時中断になるわけです。今回のような誤報があると、“補償はどうするのだ”という話に発展しかねません。
世間から上がっている声のように、気象庁にはどのような経緯や理由があったのか。説明責任があるでしょう」(前出・全国紙社会部記者)
気象庁が答えた“取消音”の対応
同日、14時から気象庁は会見を開き、今回の事態について説明。
マグニチュード9.9と発表したが、実際には「震度2以上を観測した場所はなかった」と大きく乖離があったことを明かしている。
「緊急地震速報と、ほぼ同時刻にロシアのカムチャッカ半島付近を震源とするマグニチュード6.9の地震が起こったと説明していましたが、これによる日本においての地震は函館市の震度1だったといいます。一部で囁かれているサイバー攻撃説については、“サイバー攻撃はないです”と明確に否定していました」(別の全国紙社会部記者)
再三鳴った緊急地震速報には多くの批判が寄せられているが、気象庁に問い合わせてみると「そうした意見は届いている」としたうえで、
「携帯電話の仕様やシステムに関わることなので、携帯電話会社さんとの相談となりますが、今後の検討事項だと考えております」(気象庁担当者、以下同)
ネット上では、「3回目が鳴らなかった」などの声も見られ、受け手によって緊急地震速報の回数に差異があったようだが、これについては、
「携帯電話のアプリの設定や、携帯が感知しなかったなど、いくつか要因が考えられますが、こちらではお答えできかねます」
と説明する。
今回の過大な予測については「現在、検証しているところです」と回答した。なお、過去にテストとして取消の対応を取ったことはあったが、「“警報取消”は今回が初めて」とのことだ。
実際に地震が発生しなかったことは安堵するべきかもしれないが、強い不安を覚えた人が多かったのも確かだ。今後の対応についても、決まり次第、きちんと説明してもらいたい。
