※写真はイメージです

 ステルス値上げ──販売価格を変えずに、内容量やサイズを減らすことで実質的な値上げを行う手法。

「単純に価格を上げると消費者の反発や、売り上げ減を招くと考える食品メーカーは多く、量を減らすという選択になりがちですね」(経済誌記者、以下同)

いちばん嫌だった“ステルス値上げ”した食料品は?

 10月5日、日本ハムがソーセージ『シャウエッセン』の内容量を減らすことを発表。同社は、内容量は減るが、1本当たりの重量は増やし肉感をアップさせたと“広告”した。

「ステルス値上げは“卑怯”などと捉えられがちですが、前提として“価格を維持しつつも量を減らす”という手法を取った際、それを告知する法的義務などはありません。しかしながら今回のシャウエッセンのように、全体の量は減っている中で、“時代に負けてたまるか”、“1本当たりは増えている!”と、大仰なコピーを謳ったり、ことさらに強調すると消費者の反発は大きくなりますね」

 嫌われるステルス値上げ。そこで週刊女性PRIMEは一般消費者1000人に、これまで「いちばん嫌だった“ステルス値上げ”した食料品は?」というアンケートを実施。ジャンル別では以下の結果となった。

1位 スナック菓子

2位 チョコ・クッキー・ビスケット類

3位 ハム・ソーセージ・チーズなど加工食品

4位 コンビニ弁当・おにぎり

5位 パン類

 5位のパン類で特にやり玉にあがったのは、'23年に価格は据え置きで個数を5個から4個に減らした山崎製パンの『薄皮シリーズ』(薄皮つぶあんぱんなど)だ。

「5個から4個の差はかなりでかいですよ……」(38歳・女性)

「これまで買ってきたいちばんの理由はお得感。個数が減ってそれがなくなった」(49歳・男性)

「5人家族にとって1人ひとつ必ず食べられるものだったのに、2つ買わないといけなくなってとてもショックでした」(16歳・女性)

「ほとんどコンビニは行かなくなった」

 4位のコンビニ商品は、量を多く見せるための“上げ底”やおにぎり、サンドイッチの具材が少なくなっていると、ここ数年問題視されることが多い。

「過去にかつ丼を購入した時、ものすごい底上げ容器にがっかりだった。以後そのチェーンでは弁当類は一切購入していない」(52歳・男性)

「容器の上げ底は人を小馬鹿にしたような商品だから」(61歳・男性)

「目に見えて変化した。価格が上がることはニュースになったが、現物が小さく、少なくなったことは大々的に伝えられない。上げ底も見苦しい。ほとんどコンビニは行かなくなった」(58歳・女性)

「値上げしていいからお弁当の量を増やしてほしい。買い足すのが面倒」(17歳・女性)

 コンビニ弁当については、1つだと量的に満足感を得られないという声が少なくなかった。

 3位の加工食品系では、当然ながら(?)炎上してしまった『シャウエッセン』がもっとも個別で票を集めた。しかし同商品に対してはメーカー側にぜひ伝えたいような「ファンだからこそ」な声が多く……。

“正直”に量が減ることを告白した広告で炎上した日本ハム『シャウエッセン』(公式Xより)

「おいしいのでいつも購入している。悲しい」(73歳・女性)

「朝食やちょっとした具材にとても便利。余計な言い訳広告はダメでしょう」(58歳・男性)

「他のソーセージよりもともと少し高いけど買っていた。さらに買いづらくなったなと思う」(26歳・男性)

「時代に負けてたまるかと言って本数を減らしていてがっかり」(37歳・男性)

 2位のチョコ系では特に2つの商品が言及された。その1つは『アルフォート』(ブルボン)。値上げも行われているが、値段そのままで内容量が減ったことも。しかし、こちらもシャウエッセンと同様に「好きだからこそ残念」という声が相次いだ。

「昔から好きなので寂しさを感じる」(54歳・女性)

「チョコを食べたいなと思ったときに買う好きな商品だったので、少なくなって悲しい」(70歳・女性)

「アルフォートはかなり内容量が少なくなってがっかり」(35歳・女性)

「袋の大きさはそのままだったけど、中身がスカスカだった」(52歳・女性)

「仕方ないことだとは思いますが。わが家の常備菓子の1つだったのでがっかり」(66歳・男性)

 チョコ系のもう1つは『カントリーマアム』(不二家)。こちらもアルフォートと同じく発売当初と比較し、内容量減が続いている。

「どんどん小さくなってる」(29歳・女性)

「満足感が減って2個食べるようになった」(28歳・女性)

「枚数が減っていくのでつらく感じる」(38歳・男性)

「久々に買ったら驚くほど小さくなり、量も減っていて、量を減らしたり小さくするくらいなら、金額を少し上げてほしかった」(39歳・女性)

「開けたら中身がスカスカ」

 映えない1位のスナック菓子のうち、種類別ではポテトチップス類がトップで、そのうち『カルビー』製品が“名指し”でダントツだった。カルビー製品は断続的に価格改定が行われているが、たびたび内容量を減らす規格改定も実施されている。

「袋の大きさは変わらないのに、開けたら中身がスカスカで悲しくなった」(58歳・女性)

「カルビーポテトチップスは袋の半分以上は空」(56歳・男性)

「ジャンクなものを思う存分食べたくてカルビーのポテトチップスを開けると、昔に比べて量がわずかで寂しい気持ちになる」(46歳・女性)

「カルビーのポテチは家族と食べるとすぐに終わってしまうようになった。昔より満足感が得られない」(55歳・女性)

「袋は空気が入っていてかさばるのに中身が少ないから」(52歳・女性)

「昔は袋を開けて1回では食べ切れなかった記憶がありますが、現在では空気ばかりがパンパンで、中身はスカスカの印象」(54歳・男性)

ポテトチップスの“代名詞”的メーカーのためか、もっとも名指しで批判の声を集めたのはカルビー(写真はイメージです)

 “値上げ”は庶民の敵、ではあるのだが……。

「正直に真っ当に“申し訳ないけど値上げします”“量を減らします”といった発表は叩かれづらい。叩かれるのは今回のシャウエッセンのように余計な言葉を使ったり、巧妙な“容器”を使ったりした“(ステルス)値上げ”に限られるといえます。

 原材料高騰などのご時世を考えれば、値上げはある程度致し方ない面があることは消費者もわかっており、ほとんどの消費者はそこまで短気でもない。もちろん安いにこしたことはないでしょうが」(前出・経済誌記者)

 事実、本アンケートの回答には“ステルス”ではなければ値上げは受け入れるという声は少なくなかった。

「本数を減らすなら、値上げしてくれたほうが良い」(64歳・女性)

「値上げしますというアナウンスがあれば納得はしなくてもしょうがないと思うのに、アナウンスもなしに量を減らされると不信感が募る」(27歳・男性)

「そもそもちょっとした贅沢をしようとしてるんだから、堂々と値段を上げてほしい」(49歳・女性)

「ガリガリ君がCMで値上げをすると言っていたときは、仕方ないと思った」(38歳・男性)

 しれっとした値上げはほどほどで、正直に……。