左から河内大和・迫田孝也・馬場徹

《本編より楽しみにしている自分がいる》

『VIVANT』スピンオフ『悪役会議室』が大人気

 そんな支持が集まっている、日曜劇場『VIVANT』スピンオフ生放送番組の『悪役会議室』。第1シーズンで主人公・乃木憂助(堺雅人)に粛清された悪役たちが、自分を葬った乃木たちの「その後」を監視、“諜報員”リスナーと考察や感想を交わす“調査報告”を行うのがコンセプトだ。

『VIVANT』2期がスタートと同時に、ドラマ本編の直後の夜11時からTBSラジオ、YouTubeライブで放送中。また、後日にPodcastで収録を聴くこともできる。

 劇中で亡くなった役の出演者がゲストとして登場し、撮影の裏話を披露したり、寸劇を繰り広げたりする企画にも反響が大きく、回を重ねるごとに再生数も上昇。第12回は300万回再生を超えている。

 スピンオフ企画は、これまでにも時代劇やドラマなどで展開されてきたが、なぜ特に大きなブームになっているのか。エンタメやドラマに詳しい吉田潮さんに人気の理由を聞いた。

「『悪役会議室』は、キャッチーな名前がいいですよね。さらに、ラジオと配信という2本立てで、テレビを持っていない・見ない人、そもそも本編を見ていない人までまるっと取り込む仕組みがすごい。

 スピンオフの配信は過去にもあったけれど、『続きは配信で』と言われると引く視聴者もいる。そこをしっかり拾うラジオ、さらに誰でも見られるYouTubeの展開が見事です。ここまで間口を広げたコンテンツに仕立てたのが勝因ではないでしょうか」

「悪役大会議室」としてコラボカフェ企画も進行中。勢いはまだまだ衰えを知らない(公式Xより)

 レギュラー出演中の、迫田孝也・河内大和・馬場徹の3人。悪役でありながら愛される魅力についてはどう考えるか。

「そもそも迫田さんの持ち味をただの脇役で終わらせたくない、と思っていたスタッフが多いのではないでしょうか。しゃべりも腰の低さも万人受けしますしね。河内さんは独特の風貌が完全に悪役界のスターです。

 それに加えて声もいい。舞台俳優の実力を改めて感じさせる名役者です。テレビドラマの悪役業界を今後、牽引してくれることでしょう。馬場さんは日曜劇場でもおなじみですね。主人公にコテンパンにやっつけられる弱悪系俳優として、すでに君臨しています」(吉田さん、以下同)

 実力ある個性派キャストの魅力に加えて、ドラマファンに受け入れられる要素は何だろうか。

「想像ですが、本編が強引ともいえるくらいの圧と熱をもって王道をいっているところで、そこまで面白いかな?と疑問に感じ始めた人、堺雅人さんの話を聞き飽きた人、考察疲れした人の受け皿になっていると思います。

 あまりに『VIVANT』が大きくなりすぎて、みんな絶賛するしかなくなっている同調圧力のようなものに、『もうちょっと気軽に見たいんだけどな』というニーズがあるのでは。

 本編が“人気店でメシもうまいけど、店主が面倒くさく、軽口をたたけない雰囲気”だとすれば、『悪役会議室』は、ふらっと立ち寄れる“ちょっと小汚くて気さくで居心地のいい飲み屋”といったところでしょうか」

 劇中ではあっけなく散っても、ラジオブースでは生き生きと、人気をもかっさらう3人組。

 どんな別班員よりもたくましいかも!?