西日本を中心に行われている“だんじり(祭り)”で事故が続発している。
“命がけ”祭りの近況
「10月10日、共に大阪府の泉佐野市、泉大津市の祭りでだんじりの横転事故が発生。男性2人が死亡。どちらもだんじりに乗っていた男性が振り落とされ、下敷きとなったものです」(全国紙社会部記者、以下同)
死者2人だけでなく、10代〜60代の参加者16人が重軽傷を負った。同日に2件の事故が発生したことで、伝統を重んじる擁護派と時代錯誤だという否定派で議論が巻き起こっている。
「少子高齢化などでだんじりも人手不足、つまり曳き手不足です。今回亡くなった2人は48歳と51歳の方でしたが、ひと昔前であればこんな体力的にキツい役割を担う年齢ではなかった。そういった時代的な問題もあるのだと思います」(大阪府在住の男性)
日本にはだんじりに限らず、“命がけ”の伝統的な祭りは複数ある。
「数えで7年に1度行われている長野県の諏訪大社の『御柱祭』では、たびたび死亡事故が発生。'80年、'86年、'92年、'10年、'16年という頻度です。御柱祭は長さ17メートルほど、重さ10トンほどの巨木を坂から滑り落とす“木落し”が最大の見せ場ですが、そこで曳き手が巻き込まれたりしました」(前出・社会部記者、以下同)
御柱祭については事故の多さから、諏訪大社の宮司に対し、業務上過失致死容疑での告発状が提出されたことも(長野地検が不起訴処分に)。
「福岡県の夏祭り『博多祇園山笠』でも、'23年に曳き山笠という山車に担ぎ手が轢かれ、50代の男性が死亡。死亡事故ではありませんが、'23年には滋賀県大津市・日吉大社の『山王祭』でも“神輿を担いで競走”という神事で神輿が転倒、担ぎ手など10人が負傷する事故が起こっています」
危険性はあれど伝統として続くものもあれば、ピリオドを打つものも。
「岩手県奥州市・黒石寺の『蘇民祭』は、'24年をもって1000年の歴史に幕を下ろしました。理由は担ぎ手不足や高齢化でしたが、この祭りは御利益があるとされる蘇民袋を男性たちが奪い合うという伝統行事が有名で、危険性も指摘されていました」
伝統か安全性か。一方で地元民は“それ以外”にも目を向ける。
「だんじりに関しては“花代”という寄付金の依頼が何度も来てしつこい。酒を飲んだ祭りの参加者の騒がしさなどに辟易している地元民は、事故のあった泉佐野、泉大津や、だんじりでいちばん有名な岸和田には少なくないですよ」(前出・大阪府在住の男性)
“伝統”は重んじられるべきだが、分別はなくてはいけない─。
