放送中の朝ドラ『ブラッサム』の主人公は作家の宇野千代さんがモデル。実在の人物をヒロインのモデルにするのは朝ドラの定番だが、設定が史実とかけ離れていたりイメージと違っている、なんてことも!? 再現度がイマイチだったと思う歴代ヒロインについて視聴者500人に聞いたところ、高身長の美人すぎるという理由で1位になった女優は?
明治時代のナース2人がヒロインの『風、薫る』から、作家・宇野千代さんがモデルの『ブラッサム』へ、実在の女性をモデルにした話が続く朝ドラ。
これまでにも実在した人物のモデルありの作品が多く作られてきたが、史実を基にしたフィクションであるとはいえ、時には「再現度がイマイチでは」と感じてしまうことも。
そこで、30代〜60代の朝ドラ視聴者男女500人に「実在する人物がモデルの朝ドラヒロインの中で、ストーリーがイマイチだったり、人物像がイメージと違っていたのは?」をアンケート。もっとも辛口意見が寄せられたのは意外にもあの人気作品!?
5位は2019年前期の『なつぞら』から、奥原なつ(広瀬すず)。モデルは日本アニメーション界の草分け的存在であるアニメーター、奥山玲子さんだ。「すべてがイージーモードで進んでいくので、実際はそんなはずないと思ってしまった」(大阪府・54歳・女性)、「実際のモデルの人生とドラマのストーリーがかけ離れていた」(東京都・54歳・男性)などの意見に、「これはモデルものの朝ドラにありがちですね」と語るのは、漫画家&テレビウォッチャーのカトリーヌあやこさん。
「なつは戦災孤児で北海道の牧場に引き取られ、生き別れの兄妹との話なども描かれますが、実際の奥山さんは仙台出身。オリジナル設定が多くなると視聴者が見たい話とズレがちで、アニメの現場の話を期待していた人はちょっと違うと感じてしまったのでは」(カトリーヌさん、以下同)
10代、20代ヒロインの“老後問題”
4位は2025年前期『あんぱん』の朝田のぶ(今田美桜)。『アンパンマン』作者やなせたかしさんの妻、小松暢さんがモデルだ。「人柄にリアリティーを感じなかった」(京都府・47歳・女性)などの声が。また「老け役が似合わない」(広島県・67歳・女性)という意見には、「これも朝ドラあるあるですね」とカトリーヌさん。
「モデルの有無にかかわらず、ヒロインになる女優は10代、20代が多いので“老後問題”は難しいですよね」
また著名人の妻が主人公という設定ゆえの難しさも。
「奥様の資料があまり残っていないので、この作品もオリジナル設定が多かったんです。視聴者はアンパンマンにまつわる話を見たいけれど、あくまでのぶの物語なので、そこでまた差ができてしまったのかも」
ただ、カトリーヌさんは、ある逸話が描かれなかったのが残念と。
「奥様がモデルといわれるドキンちゃんに今田さんはすごく似ていてピッタリだと話題だったんですが。これにまつわる話があったらよかったのになと思います」
3位は吉本興業の創業者、吉本せいさんをモデルにした『わろてんか』(2017年後期)の藤岡てん(葵わかな)。「吉本さんは苦労人でやり手、ドンとしているイメージだが、葵さんは優しくお嬢様感があった」(東京都・53歳・女性)など、モデル自身の印象が強烈ゆえに違和感を持った人が。
「同作には愛と笑いのヒロインというテーマがあり、葵さんが選ばれたのも“圧倒的な笑顔の説得力”と制作側がコメントしていました。そこはよく表現できていたけれど、一代で吉本興業を築き上げた商売人のすごみという面では弱かった。当時の葵さんは19歳なので、仕方ないとは思いますが」
また老後問題は今作でも見られた。
「晩年まで描かれたので、息子役で成田凌さんが出てくるのですが、そこはさすがに無理があるんじゃないかと思っちゃいました(笑)」
いつも具合が悪そうな顔
2位は小泉八雲の妻、セツさんがモデルの『ばけばけ』(2025年後期)で髙石あかりが演じた松野トキ。「いつも具合が悪そうな顔で、話に面白みがなかった」(北海道・53歳・女性)、「もっと怪談話を見たかったし、コメディー寄りにするならもっと振り切ってほしかった」(広島県・51歳・男性)など、モデルよりドラマ自体への意見が目立った。
「たわいのない日々を描くという異色の朝ドラだったので、その世界観が合わない人には不評でした。ただ、髙石さんが選ばれた理由として“探していた松野トキがそこにいた”と制作側が説明していたとおり、物語にはすごく合っていたヒロインだと思います」
また“著名人の妻が主人公ゆえの難しさ”は今作でも。
「実際の小泉セツさんのことを視聴者のみなさんはあまり知らないので、合っているかどうかも判断しかねる。なのでドラマ自体の好き嫌いがヒロインの印象にも影響してしまって。物語に疑問を持たれるとヒロインの印象が悪くなるというのも、朝ドラあるあるかなと思います」
そしてラストは驚く人も多いのでは? 水木しげるさんの妻、武良布枝さんがモデルとなった2010年前期『ゲゲゲの女房』の、飯田布美枝(松下奈緒)が1位という結果に。寄せられた意見は「モデル体形の美人すぎて違和感」(長崎県・54歳・男性)、「きれいすぎて昭和の奥様像からかけ離れているように感じた」(神奈川県・47歳・男性)と外見の印象、特に身長の高さに言及する人が多かったが。
「布枝さんご自身があの年代ではすごく背が高いんです。そのせいでお見合いがなかなかうまくいかず、水木先生と結婚されたのは29歳だった。なので史実に忠実ゆえの配役ではあるのですが。あと朝ドラヒロインはみんな美人なので、そこはしょうがないなと(笑)」
放送時、大人気を博した同作。「これ以前は朝ドラ低迷期だったんです」とカトリーヌさんは振り返る。
「1990〜2000年代は視聴率が不振でしたが、『ゲゲゲの女房』で盛り返し最終回の視聴率は23・6%に。また、それまでオリジナル作品が続いていましたが、脚本家の方が“どうしてもこの本を書きたい”と布枝さんの原作本を持ってきて、結果大成功。以降、モデルのある作品が増えました」
また「たくさんの漫画家が見ていた」という裏話も。
「“水木先生だ!”と早起きして(笑)。SNSに朝ドラのイラストを投稿するのが流行り始めたのも、このころからだと思います」
人々の記憶に強く残ったからこその1位なのかも!?
“老けメイク”が気になった『べっぴんさん』
6位以下でカトリーヌさんが気になったのは『べっぴんさん』(2016年後期)の坂東すみれ(芳根京子)。
「これも老後問題で、終盤に娘との話が出てくるんですが、母子で演じ手の実年齢が近かった。キラキラ可愛かったヒロインが晩年、老けメイクになると、どうしても気になりますね」
『ブラッサム』は石橋静河から加賀まりこにバトンタッチするので、老後問題は気にしなくて済みそうだ。
「尾野真千子さんから夏木マリさんに代わった『カーネーション』(2011年後期)方式ですね。恋多き女性だった宇野千代さんの晩年を加賀さんがどう演じるのか、とても楽しみです」
芥川龍之介など、著名人がモデルのキャラも多数登場する『ブラッサム』。再現度パーフェクトとなるか!? 期待は高まるばかり!
