自転車競技(写真はイメージです) 撮影/編集部

 10月18日に開催された『宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース』で、観客が掲げたタオルに引っ掛かり選手が相次いで落車する事案が発生。選手を危険に晒す迷惑行為に批判が殺到している。

《13周目、KOM(山岳区間の頂上に設定されてる中間地点)まで約300m地点で身を乗り出した観客のタオルに引っ掛かって落車発生...》

批判殺到もチーム側は「個人への非難を望んでおりません」

 投稿された動画には、インコーナー側で感染していた中年の観客がコースに乗り出す形でタオルを掲げた後、それに引っかかって2選手が落車する様子が映っていた。そのためコメント欄などでは、

《酷すぎる 観戦ルールにコーナー内側で観戦するなとしっかり明記されているというのに》

《繰り返さないためにも、逮捕して高額罰金を希望です》

 と、マナー違反をした観客に批判が殺到することに。翌日、大会の公式サイトは《レース中の選手と観客の接触による落車について》というタイトルでお詫び文を掲載。

《沿道の観客の方と選手が接触し、落車しました。大会の運営に当たっては、これまでも動画などにおいて観戦マナーの啓発に努めてきたところでありますが、このような事案が発生したことは大変残念であり、落車された選手ならびにチーム関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます》

 続けて、

《現在、その様子を撮影した映像がSNS上で拡散されておりますが、今回の落車により当該選手に怪我はなく、チームから「これ以上の映像の拡散ならびに個人の特定・非難を望まない」旨の申し出をいただいております。こうしたことから大会主催者といたしましても、このような行為をお控えいただきますようお願いいたします》

 マナー違反をした観客に対して現場で注意などはしたのか? と運営元にメールで質問状を送ったが、

《今回の事案に係る主催者としての見解につきましては、公式ホームページに掲載したところであります。そちらをご覧くださいますようお願いいたします》

 との回答に留まった。今回、落車に巻き込まれた選手が所属するSHIMANO Racing BLOG シマノレーシングも公式Xを更新。

《幸い当チームの選手に怪我はありませんでした。私たちは、これ以上の映像の拡散や個人への非難を望んでおりません。選手と観客が互いに尊重し合い、安全にロードレースを楽しめる環境を願っています》

 と観客への誹謗中傷をやめるようにお願いしている。一方、サイクルロードレースを撮影しているエンジニア・はしもととおる氏はXで、

《危険な観戦行為は当然批判されるべきだし、選手の安全が最優先なのは言うまでもない。ただ、個人を特定して晒し、叩いて終わりでは何も改善しないと思う。今回、周囲の観客から注意する声はあった。それでも事故を防げなかった。ここをもっと考える必要があるんじゃないかな》

 今回の事故を踏まえ、今後の事故防止対策や観戦ルールのマナー強化について考えるべきだと投稿している。

 1990年に宇都宮市で開催された世界選手権自転車競技大会のロードレース部門のメモリアルとして、1992年から開催されている同大会。

 近年は“推し活”の定着でタオルやうちわを掲げる観客も増加しているが、選手はもちろん他の観客に迷惑をかけないためにも、観戦マナーをしっかり守り、周囲に配慮した上で応援すべきだろう。