10月20日からサービスを開始した、JR東日本が展開するコード決済アプリ『teppay(てっぺい)』。モバイルSuicaとモバイルPASMOのアプリ内でコード決済が使用できるようになり、新たなアプリのダウンロードは不要だ。
『teppay』の目的
アプリ内で残高の送金・受け取りができるほか、『teppay』の残高をそのまま交通系ICの残高としてチャージすることも可能。マイナンバーカードによる本人確認を行えば、上限額を30万円に引き上げることができ、高額の買い物時にも便利だという。
コード決済アプリといえば、『PayPay』や『楽天ペイ』、『d払い』など、すでに多くの企業が業界シェアを獲得している。そんな中で『teppay』はどこまでのシェアを獲得できるのか。気になるところだが、本事業の担当者・高松奈帆人氏は「私たちはコード決済単体で勝負したいわけではありません」と語っているという。
「シェアの獲得に重きを置いていた場合、かなり厳しい状況になっていたでしょうが、『teppay』は、“若い方からお年寄りまで、日頃多くの方にご利用いただいているSuicaをさらに便利にしたい”というスタンスだといいます。
現在、コード決済アプリのシェアは『PayPay』が約50%~60%で、次いで『楽天ペイ』の20%~30%、そして『d払い』と続きます。『teppay』は、あくまで“既存アプリのサービス向上”を目的としていますが、コード決済アプリを主戦場としている他社からすると、脅威であることは間違いないでしょう」(ITジャーナリスト)
現在、モバイルSuicaアプリは4500万件以上発行されているとのこと。対して、業界シェア1位の『PayPay』ユーザーは7500万人を突破している。JRの参入で市場に波紋が広がっているが、ネット上では、
《10年遅いだろ・・》
《まだ増やすのか、、もうpayは沢山転がってるよ…》
《そうなるやろなとは思っていたけどteppayの起動バカ遅い 朝のコンビニのレジでこんなに待ってられるか》
などの意見が上がる中、
《不正アクセスまったなし》
《どうせ情報漏洩するとか考えちゃう、イヤな世の中》
《ねぇもうほんとに個人情報気をつけて…JR、セキュリティ強化して…怖いよ》
と、昨今多発している企業の情報漏洩問題を指摘する声も上がっていた。
『teppay』のリアルな使われ方
前出のITジャーナリストは、新たなアプリをダウンロードする手間がないのは強みであるものの、「利用者はそこまで増えないのでは」と推測する。
「現在、『teppay』の利用可能店舗は約170万店とのことですが、『PayPay』は1000万店以上もあります。『teppay』では支払い額の0.5%がポイントとして還元され、1ポイント1円相当で使用できる“ポイ活”の側面もあります。しかし、こちらも他社と比較しても、大きな差異はなく、『楽天ペイ』においては支払額の1%~最大1.5%の還元もあり得るのです。
現状は、Suica・PASMOアプリ内で使え、残高を交通費に回せるという点のみの優位性になるので、多くのシェアを獲得することは難しいかもしれません。ただ、『teppay』本来の目的はそこではないですし、“ほかアプリとの併用”という使われ方が現実的かもしれませんね」
担当者の高松氏はターゲット層について、「キャッシュレス市場におけるSuicaの強みは、若い世代が初めて手にするキャッシュレス手段になりやすい点です。(中略)若い方からそのご家族、ご友人へとteppayの輪が広がっていくことを期待しています」と語っていた。
『Travel』『Train』『Easy』『Partnership』の4単語の頭文字を取り、名づけられた『teppay』。利用者はどこまで伸びるだろうか――。
