3月7日、マンホール好きによるトークイベント『マンホールサミット2015』が、東京都千代田区にて開催される。マンホール好きの女性は増加中で“マンホール女子”“蓋女”という呼び方もされるなど、ブームになりつつある。そこで全国のマンホールを撮り歩いている筆者がおススメマンホールを紹介!
第1回目は埼玉県深谷市。関東の駅百選にも選ばれているモダンな駅舎が印象的な深谷駅。北口には、同市出身で“日本資本主義の父”として知られる渋沢栄一の像があり、市内には無料で見学できる記念館もある。
最近ではゆるキャラ“ふっかちゃん”も人気で、そのモチーフとなっている深谷ねぎは『深谷ねぎまつり』が行われるなど、全国的に有名なブランドだ。
だが深谷市のマンホールは、渋沢栄一でも深谷ねぎでもなく、何故かゆる~いタッチで描かれたチューリップ。チューリップといえば、球根生産量日本一。“チューリップフェア”が開催される砺波チューリップ公園などもある富山県が有名だ。
しかし深谷市もマンホールの絵柄に抜擢するだけの実績がちゃ~んとあったのだ。
実は深谷市はネギなどの野菜栽培だけでなく、花卉栽培でも知られており、チューリップの切り花出荷量は全国2位! ほかにも夏の花・ユリは切り花出荷量1位、秋にはコスモスと全国でも屈指の“花のまち”。
さらに2012年には第22回『全国花のまちづくりコンクール』の「花のまちづくり大賞(農林水産大臣賞)」も受賞しているという。しかしチューリップ柄のマンホールに惹かれ、深谷市について調べるまでそんな情報は知らなかった筆者。逆に言えば、マンホールの絵柄1つで、下手な観光PRよりよっぽど市のアピールに貢献していると言えるだろう。
しかし“花のまち”なのはわかったが、切り花出荷量は全国2位のチューリップより1位のユリを絵柄にしたほうがしっくりくる気もするが……。
そこでさらに時間をかけて調べたところ、深谷商工会議所ホームページのチューリップの項目に驚くべき事実が。
《切り花も年間で約1万5000本、種類的には、オランダから直輸入するものを含めて約120種類が生産され、日本一を誇っています》
生産量では富山県が日本一だが、種類では深谷市がチューリップ日本一だったのだ。そのため、市の花にもユリではなくチューリップが選ばれており、マンホールにも描かれたゆる~いチューリップのイラストは旧深谷市のシンボルマークとして利用されていたのだという。
マンホールの絵柄からひも解く深谷市の魅力。アナタも深谷市に行きたくなった?
<写真・文/ミネ>