芳根京子の『<生>旅』(東日本旅客鉄道株式会社プレスリリースより)

 2024年に開設されたJR東日本が運営するYouTubeチャンネル「芳根京子の『〈生〉旅』」の登録者数が108万人を突破するなど、人気を博している。

 数ヶ月に1度の不定期更新ながら、芳根本人がすべて自撮りするオフ感&臨場感が受け、100万回再生の動画が連発しているのだ。

訪問先は「影響力の大きさに驚いています」

 その人気ぶりを改めて実感したのが、最新回で紹介されていた山形県JR鶴岡駅前にある土産店「清川屋 鶴岡駅前本店」を本サイト記者がプライベートで訪れたときのこと。

 買い物をした際に何気なく「芳根さんの動画で紹介されていましたね」と店員に声をかけると、「こんな田舎にすごい多くの方が足を運んでくれて、影響力の大きさに驚いています。限定配布の(YouTubeの)ステッカーもすぐになくなったんですよ!」と興奮気味に語ったのだ。

 後日、「清川屋」の広報部に電話で改めて話を聞いたところ、「動画公開後、開店と同時に来てくれたお客さんや“芳根さんが訪れた場所をすべて行った”とおっしゃる方もいたそうです」と、教えてくれた。

芳根京子の『<生>旅』最新回で訪問したJR鶴岡駅前にある「清川屋鶴岡駅前本店」 撮影/編集部

 2016年に放送された連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインに抜擢されたのをきっかけに、放送中のドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)の続編で主演を務めるなど、多くの作品で活躍する芳根。

 そんな彼女をYouTubeチャンネルで起用した理由や反響について、運営するJR東日本コーポレートコミュニケーション部に話を聞いた。

「これまで弊社では、さまざまなエリアプロモーションを展開してきました。しかし、広告で描かれる理想的な旅と、実際の旅との間には少なからずギャップがあるのではないかと感じていました。実際の旅には、天候に恵まれなかったり、楽しみにしていたお店が休業していたり、道に迷って予定どおりに進まなかったりと、思いがけない出来事がつきものです。

 それでも、そうしたハプニングこそが旅の醍醐味であり、振り返ればかけがえのない思い出として心に残ることも少なくありません。『〈生〉旅』は、そんなリアルな旅の魅力をありのままに発信することで、旅行への心理的なハードルを下げ、より多くのお客さまに気軽に東日本エリアの旅を楽しんでいただきたいという思いからスタートしました」

 過去にJR東日本クロスステーションが運営するコンビニ『NewDays』のCMに出演していた縁も、起用理由のひとつになったようだ。

「今回ご出演いただいている芳根京子さんは、世代を問わず愛される親しみやすさと、唯一無二の存在感を兼ね備えた魅力的な俳優です。また、『NewDays』のCM でご一緒したご縁もあり、その自然体で温かな人柄が『〈生〉旅』のコンセプトと高い親和性を持つと感じ、お声掛けさせていただきました。

 今後も芳根さんのお力をお借りしながら、『〈生〉旅』を、旅に出たいと思ったときに真っ先に訪れていただけるコンテンツへと育てていきたいと考えています。そして、一人でも多くのお客さまに東日本エリアの新たな魅力との出会いをお届けしてまいります」

 動画内で訪れた場所の訪問者数はどれぐらい増えたか? という問いには、

「『〈生〉旅〉』は単独のプロモーション施策というよりも、各エリアの観光プロモーションを後押しするコンテンツとして展開しています。例えば、直近で公開した庄内篇も、庄内エリア全体のプロモーション施策と連動したタイミングで発信しています。そのため、『〈生〉旅』だけがどれほどの送客効果を生み出したかを数字で切り分けて示すことは難しいのが実情です。

 一方で、動画公開のたびに多くのお客さまから温かい反響をいただいており、その手応えは確実に感じています。芳根京子さんへの好意的なコメントはもちろん、“友人と動画を見ながら『次はここに行ってみたいね』と話し、実際に旅行を計画した”“盛岡篇を見てグランクラスの魅力を知り、ぜひ利用してみたくなった”など、『〈生〉旅』をきっかけに旅先を検討されたり、弊社のサービスに興味を持っていただいたりしたという声も数多く寄せられています。

 また、『〈生〉旅』で紹介した観光施設や店舗では、数量限定のオリジナルステッカーを設置し、“〈生〉旅を見ました”とお声がけいただいた方に配布しています。毎回、想定以上の反響をいただき、ステッカーが早期になくなることも少なくありません。

 こうした反応を見るたびに、多くの方が動画をきっかけに実際に現地へ足を運んでくださっていることを実感し、大変うれしく思っています。数字だけでは測れないものの、『〈生〉旅』が東日本各地への旅のきっかけづくりや、新たな魅力との出会いに確実につながっていると感じています」

人気の理由は「素直で飾らないリアクション」

 不定期更新ながらチャンネル登録者数が100万人を突破したが、多くの人から支持を集める理由をこう分析する。

芳根京子の『<生>旅』第一弾で訪問した青森県・浅虫水族館(東日本旅客鉄道株式会社プレスリリースより)

「動画の更新頻度は決して高くありませんが、多くの方に支持していただいている理由のひとつは、芳根京子さんの素直で飾らないリアクションにあると考えています。旅先で感じた驚きや感動を等身大の言葉で伝えてくださるため、視聴者のみなさまも自然と感情移入しながら楽しんでいただけているのではないでしょうか。

 また、そうした芳根さんの魅力を最大限に引き出せるよう、編集やテロップの表現にも工夫を重ねています。思わず続きが見たくなるエンターテインメント性と、旅の魅力をしっかり伝える情報性の両立が、多くの方に親しまれている理由だと感じています。

 リアルな旅の様子を大切にしています。そのため、視聴者のみなさまが“自分ならこんな旅をしてみたい”と具体的にイメージしやすく、実際の旅行の参考としてご覧いただける点も、大きな魅力のひとつではないかと思います」

 聖地巡礼をしようと思っている視聴者に、最後にこうメッセージを寄せた。

「もし旅行に行きたいと思ったときは、まず『〈生〉旅』をのぞいていただけたらうれしいです。動画の中で芳根京子さんが体験した旅をたどるのももちろん楽しみ方のひとつですが、ぜひそれだけにとどまらず、ご自身の興味や好奇心の赴くままに寄り道をしながら、自分だけの『〈生〉旅』を見つけていただきたいと思っています。

 『〈生〉旅』が大切にしているのは、計画どおりではない偶然の出会いや発見も含めて旅を楽しむことです。動画をきっかけに現地を訪れ、その土地ならではの魅力や人との触れ合いを楽しみながら、みなさまらしい旅の思い出をつくっていただければ幸いです。そして東日本エリアを巡る際には、ぜひJR 東日本の列車をご利用ください。車窓からの風景や移動時間そのものも含めて、旅の楽しさを感じていただければ嬉しいです」

 旅行の計画をする際は、同チャンネルを参考にしてみてはいかがだろうか?