「朝起きても、なんだか疲れがとれていない」と感じている人は、身体の“エネルギー源”となる栄養が不足しているのかも。「一日の始まりに食べる朝ごはんは、身体の土台づくりに大切です」と話すのは、料理家の田内さん。何歳からでも元気な身体は取り戻せる!毎日の調子を整える、朝ごはんのヒントをお届けします。
食事の改革で気力と体力を取り戻す
だるい、眠い、しんどい……。50代以降の女性の多くが感じている、こんな悩み。なんとかしたいと思っている人も多いのでは?
「私もひどい状態でしたが、食事の改革で気力と体力を取り戻すことができました」
と語るのは、料理研究家の田内しょうこさん(54歳)。田内さんが不調を感じ始めたのは45歳のころ。
「だるくて朝起きられないし、横になったらもう立てない。こんなはずじゃ……と落ち込みました」(田内さん、以下同)
極めつきは、息子と一緒に学校説明会に出かけた日のこと。駅の階段で息切れし、十数メートル歩くごとに休憩。見かねた息子から「おんぶする?」と言われる始末。
「これはまずいぞと。腰の痛みもあったので病院に行ったところ、子宮に腫瘍が見つかりました」
結局、腫瘍は良性で手術は無事成功。ひと安心したものの、これをきっかけに生活を見直すことに。
「サプリやスムージー、玄米食や運動など、健康によさそうなものをいろいろ試しました。でも、全然よくならなくて。そんなとき、50代の現役アスリートの方のインタビューを読んでこれだ!と思ったんです」
その内容は、身体を維持するため「3度の食事は必ず決まった時間に、タンパク質を中心としたメニューをとる」というもの。
「改めて自分の食事を振り返ってみたら、特に朝食をしっかり食べていないことに気づきました。昔から朝はあまり食べられなくて、甘いパンとコーヒーとか、子どものお弁当の残りをつまむ程度で、まともに食べていなかったんです」
タンパク質は身体の維持に欠かせない栄養素。特に朝は、前日の夕食から長い時間が空き、栄養が枯渇した状態で目覚める。このとき、タンパク質を含む栄養をきちんと補給しないと、身体はエネルギーが足りないと感知。
朝のタンパク質は大きな意味が
体内の筋肉を分解してエネルギーを補塡し始める。つまり、朝にタンパク質をしっかりとらないと、筋肉がどんどん減って身体は衰えていく一方に。
「サプリや運動を取り入れても改善しなかったのは、私の場合、圧倒的に栄養が足りていなかったのだと思います。ただでさえ朝起きても疲れが取れていないのに、食べなければさらに筋肉の分解が進んで疲労感が加速。肌の調子も関係するので、アンチエイジングのためにも朝のタンパク質は大きな意味があると思います」
そこで、タンパク質を含む朝ごはんを、しっかり食べることを決意。
「とはいえ、長らくちゃんと朝ごはんを食べていなかったので、いきなりたくさん食べるのは難しくて。まずコーヒーの代わりに豆乳ドリンクからスタートし、次にスムージーやスープ、そのあと“のっけパン”や“のっけご飯”と少しずつ増やしていきました」
2~3週間たつと身体の底から気力が湧いてくる感覚が出てきた。1か月過ぎたころには、あとひと息の踏ん張りが利くように。
「3か月後には、歩いているときに、このままジョギングしてみようかな? と思うほど元気になれました」
こうして、「朝ごはん」で元気復活を成し遂げた田内さん。無理なく続けるコツを教えてくれた。
「トーストにチーズをのせるとか、おむすびの中に鮭やしらすを入れるとか“ちょい足し”からでいいと思います。また時間がない方なら、すぐに食べられるタンパク質を含む食材を用意しておくこと。卵や納豆、ヨーグルト、豆腐、ハムなどの加工肉、ちくわやカニカマなどの魚の加工品のほか、魚の缶詰もおすすめ」
また、モチベーションを保つ秘訣も。
「記録用として写真を撮るだけでも励みになります。それでもあまり食べたくない日は、赤ピーマンやミニトマトで色みを加える、チーズトーストに焼いた油揚げをのせて食感を楽しくするなど、変化をつけることも意識。70代の母でもしっかり効果が出ていたので、ぜひ明日から始めて、家族ばかりでなく自分のことも大事にしてほしいですね」
朝にとりたいタンパク質は20g
目安 卵2個 + 納豆 + ヨーグルト
冷蔵庫に常備したい食材とタンパク質含有量
卵 M1個 6.8g
納豆 1パック 7.3g
木綿豆腐 半丁150g 10.0g
プロセスチーズ 20g 4.3g
ヨーグルト 100g 3.3g
ちくわ 1本30g 3.7g
鮭 1切れ80g 15.5g
塩さば 1切れ80g 18.2g
ウインナー 1本20g 2.3g
ベーコン 1枚17g 2.6g
朝ごはん基本ルール
・朝のタンパク質摂取は20gを目指す
(1日に必要な量は体重1㎏あたり1gを目安に)
・朝起きてなるべく1時間以内に食べる
・見た目や食感の楽しさも考えてみる
最強タッグは卵と納豆
卵とじ丼 タンパク質 15.0g
麺つゆと水を煮立て、ネギ・納豆1パック・揚げ玉を入れて煮たら、卵1個を溶き、回し入れて卵とじにしてご飯にのせる
のっけるだけwithご飯
ちくわ丼 タンパク質 9.2g
ちくわ2本を斜め薄切りにし、油で炒めてしょうゆとみりんをからめ、ご飯にのせて白ごまをかける。
しらす丼 タンパク質 7.4g
ご飯にちぎったのり1/4枚分と、こんもり盛ったしらす30gをのせ、しょうゆをかけていただく(好みでわさびを添える)
豆腐と香味野菜のさわやか丼 タンパク質 12.2g
薄切りにしたみょうが1/2個と、細切りにした青じそ3枚を準備する。ご飯に粗くくずした絹ごし豆腐150gをのせて、塩昆布5g、みょうが、青じそを添えて、仕上げにしょうゆをサッとかける。
のっけるだけwithパン
しらす+バジルソース+シュレッドチーズ タンパク質 15.5g
食パンにバジルソースを塗り、しらすとシュレッドチーズ30gをのせて焼く。
トマト+モッツァレラ タンパク質 14.1g
食パンに、輪切りにしたトマト小1/2個とフレッシュモッツァレラ1/2個をのせて焼く。
油揚げ+いんげん+スライスチーズ タンパク質 13.3g
フライパンでいんげん4本を塩を振って焼き、油揚げ1枚も入れて焼き色がつくまで焼く。スライスチーズ1枚をのせてトーストしたパンに、油揚げといんげんをのせる。
取材・文/當間優子
田内しょうこさん 料理家。メディアや生協カタログなどで時短料理のレシピを提供するほか、食にまつわるエッセイの執筆など幅広く活躍。朝ごはん改革で体力を立て直した体験をもとに、朝ごはんとタンパク質の大切さをSNSなどで発信している。著書に『たんぱく質で体力アップ 50歳からの逆転×朝ごはん術』(日東書院本社)ほか

