連休のたび、新幹線の迷惑客とマナーが話題に。指定席に勝手に乗車、隣席へのはみ出し、駆け込み乗車、乗車列の割り込みなどの迷惑行為、リクライニングを倒す際の声かけなどのマナー。大なり小なり誰しも新幹線で被害に遭っているはず。あなたが新幹線に乗車した際、実際に遭遇して、「迷惑だ」「嫌だ」と感じた他の乗客の行為は?ムカムカ、モヤモヤな実体験エピソード集─。
最も多かったのは「降りる人を待たずに乗り込む」
連休のたび「新幹線に乗ったらこんなことがあった」というような投稿がSNSでバズりがち。多くは“迷惑を被った”という報告だ。
今回、18歳以上の男女1000人(男女各500人)を対象にアンケートを実施。新幹線で実際に遭遇して「迷惑だ」「嫌だ」と感じた他の乗客の行為を3つ選んでもらった。最も多くの人が挙げたのは「降りる人を待たずに乗り込む」で29.6%。
「降りている人がいる状況は、まだ発車まで時間がある場合が多いはず。それなのにわれ先にと、ぶつかることを気にせずに乗車する人に何度も遭遇、衝突されました」(79歳・女性)
続いたのは「大声で会話(グループで騒がしい)」25.7%、「子どもが騒いだりしても、親が注意しない」24.8%、「断りなくリクライニングを倒す」21.7%。いずれも、目的地に着くまで逃げ場のない迷惑だ。
「夜の新幹線で、サラリーマンの宴会が始まり、うるさくて仮眠を取ることができなかった」(57歳・女性)
「テーブルを出して食事中にリクライニングを倒されて、食事を中断した」(50歳・男性)
「隣の人の飲酒でお酒臭くて気持ち悪くなったが、自由席だから仕方がないと割り切って3時間苦しんだ」(19歳・女性)
本アンケートで男女間の差が開いたのが「注意しない親」について。女性は29.4%、男性は20.2%が不満を感じている。女性のほうが“注意しない親”に厳しい。また女性は男性より大声やリクライニング関係で迷惑を受けたと感じる人が多い。
反対に男性は、乗車列への割り込み、自由席の場所取り、駆け込み乗車の回答がいずれも女性を上回った。車内の居心地を乱す行為に敏感な女性と、乗り込む前後の抜け駆けを嫌う男性。
年代別では、10〜20代で「車掌や車内販売員への横柄な態度」を挙げた人が14%と、60代以上の5倍超。
「子どもが騒いでいても親が注意しなかった」ケースも
「撮り鉄が黄色い線内から退かずに発車できなくて数分遅れた。すでに遅延していた上でのこと。車掌さんが対応してたけど、何やら撮り鉄は文句を言っていた。なんでそんな態度が取れるのか」(19歳・女性)
またトイレの長時間占拠も10〜20代は17.3%と、他世代との比較で高い。
「洗面台でスマホを充電するためにスペースを独占。おかしい」(27歳・女性)
若い世代ほど乗務員への振る舞いや共用スペースの使い方に目を光らせている傾向がみられた。
今回は、最も嫌だった行為について、「そのとき自分はどうしたか?」もあわせて聞いた。自分で車掌に伝えたという人は少なく、“我慢した”という声が大多数だった。我慢の理由はさまざま。
「子どもが座席の上に立ち上がって跳びはねたり、通路を走り回ったり、大声を上げて騒いでいるのに、親がまったく注意しなかった。父親が元ヤンのようなゴツい風貌だったので私も周りの人も誰も何も言えずだった」(50歳・女性)
「並んでいるのに割り込み乗車されたが特に注意はせず我慢した。こんな行為をする人はいずれバチが当たると思って耐える」(71歳・男性)
勇気を出して声を上げても、報われるとは限らない。
「子どもが騒いでいても親が注意しなかった。自分が注意したら、逆ギレされて、とても嫌な気持ちだった」(34歳・男性)
「自分の指定席に座っていた人がいたので声をかけたら、こちら側が悪いみたいな言われ方で怒られた。意味不明」(45歳・男性)
近年はインバウンドも多く、外国人乗客への声も。
「肘掛けを独占するだけでなく、こちらの座席まで肘が伸びてきて座席が狭くなってきたので注意したら、その中国人の方は空席になっていた私の後ろの座席に移動。そして私の座席を蹴るようになった。乗務員に連絡したら蹴る行為はなくなったが、反省することもなく元の座席に戻り、肘を今まで以上に伸ばしてきた。どうしようもなく嫌な思いをし続けるしかなかった」(62歳・男性)
「外国人の集団が大きな声で騒いでいた。面倒だし、言語も異なるので、何もしなかった」(43歳・男性)
ただ、挙げられた行為は騒ぐ、におい、席の占有、割り込みなど日本人による行為と中身は基本的に変わらないとはいえるが……。逆の立場で、自分が「迷惑をかけたかも」と思う経験についても聞いた。
JR東海は「お互いを思いやる気持ちを持っていただくことも大切」
「リクライニングは後ろに人がいても声をかけずに倒しているが、嫌な人は嫌なのかな」(28歳・女性)
「大きいスーツケースを持っていたが、載せる棚がなく、通路に置くことになってしまった」(40歳・女性)
「新幹線で『551』を食べたこと」(30歳・女性)
「腹の調子が悪く、トイレを長時間独占してしまった」(50歳・男性)
「子どもが泣いてしまったのでデッキに行ったが泣きやまず、車両にも泣き声が聞こえていたかもと思うと申し訳ないと思う」(43歳・女性)
ちなみに、受けた迷惑として「自分の指定席に先客がいたので退去するよう申し出たところ退去しなかった。
その人の動画を撮って注意したらすぐに退いた」という少々強硬であまり褒められない解決策を取った67歳の男性は、こちらの質問に、「自分はルールやマナーを守るのでそういう経験はない」と答えている。
JR東海によると、新幹線車内で起こる迷惑行為やトラブル全般に対し、「可能な限り車内巡回を行い、必要に応じてお声かけをさせていただいております」としたうえで、
「一般の公共スペースと同様に、お客様同士でマナーを守り、譲り合い、お互いを思いやる気持ちを持っていただくことも大切であると考えており、何かお困りのことがございましたら、車掌やパーサー、警備員へお申し出いただきますと幸いでございます」
と言う。とかく話題となるリクライニング“声かけ”問題については、
「具体的なルールなどは設定しておりませんが、ご利用の際は、後ろのお席のお客様の様子にご留意いただくようご理解とご協力をお願いしております」
ルールがないため注意しにくく我慢、最悪の場合トラブルが生まれる─とはいえないか。なお、身体の不自由な人が優先だが、授乳や体調不良の際に多目的室や業務用室の使用が可能。車掌やパーサーに申し出れば対応してもらえるという。
乗客それぞれにも、そしてJRにも”事情”があるだろう。今日も新幹線は、それぞれの我慢を乗せて走っている─。
