ジャケットを羽織っても肌寒さを覚える10月29日、東京の赤坂御苑では、秋の風物詩である園遊会が開催された。
陛下も「ナルちゃんとこうちゃん」と吉田さんに
「園遊会は両陛下が各界で功績を残した人々やその配偶者をお招きになる場で、参加者は皇室の方々と懇談したり、御料牧場のジンギスカンなどを味わったりすることができます。今年の秋の園遊会では、女性皇族方が秋らしい気品と落ち着きを兼ね備えた和装をお召しになり、会場に華を添えられていました。2024年に初参加を果たされた愛子さまは、秋の園遊会での和装は2度目となり、紅葉が上品にあしらわれた着物でお出ましになり、ひときわ注目を集めていました」(皇室ジャーナリスト、以下同)
招待客の1人である俳優の吉田鋼太郎さんは、妻とともに出席。両陛下とのご懇談では予定時間を超えて話が弾む場面があった。
「長年演劇界を牽引してきた吉田さんへ、両陛下から温かいねぎらいの言葉がかけられました。吉田さんが『亡くなった母が陛下のファンで、我が子のように“ナルちゃん、ナルちゃん”と呼んでおりました』と明かすと、両陛下からどっと笑い声があがったのです。会話の締めくくりには、雅子さまが陛下を示されながら『ナルちゃん』と改めて紹介され、陛下も『ナルちゃんとこうちゃん』と吉田さんに話かけるという一幕もありました」
陛下の名前は「徳仁(なるひと)」。幼少期には「ナルちゃん」の愛称が広く親しまれており、陛下も懐かしそうに微笑まれていた。
その後の愛子さまとの懇談では、「幅広い作品でご活躍ですね」「シェイクスピア俳優としてだけでなく、普及や後進の育成にも尽力されていて」と愛子さまからお声がけがあった。
両陛下が築いてこられた象徴のあり方が愛子さまへ
「吉田さんの活動をよくご存じのようでしたね。演出の際に自ら演じて見せてしまうという話には『やってみたくなってしまうものですよね』と笑顔で共感されていました。隣にいた奥様も『生まれたときからテレビで拝見していたので、こんなに大きくなって……』と成長ぶりについても伝える場面がみられました」
その後の囲み取材では、吉田さん自身が当時の胸中をユーモア交じりに振り返った。
「しまったー!と思ったんですよ。僕は昭和34年に生まれで、陛下も昭和35年生まれだと思うのですが、年も近いですから、子ども時代からテレビで拝見するわけですよね。なぜか友達のような気になってしまうわけですね。友達でも何でもないんですよ(笑)勝手に親近感を抱いているだけで。母が陛下を大好きで、言ってしまったんですけれども、『ナルちゃん、ナルちゃん』と我が息子のように言っていた覚えがあったので、そのこともちょっとお話させてもらったんですけど、『ナルちゃんはないわ』と妻に怒られました」(吉田さん)
敬意を抱きながらも、我が子や旧友のように親しみを感じてしまう――。前出の皇室ジャーナリストは、今回の懇談についてこう話す。
「直接会ったことがなくとも、国民が心を通わせられる親しみやすさ。それこそが〝象徴〟のあり方のひとつではないでしょうか。もちろんその根底には、両陛下の日々のお言葉やお振る舞いがあります。そして今回の園遊会では、愛子さまに対しても国民が〝成長を見守ってきた〟という温かい眼差しを向けていることが伝わってきました。両陛下が築いてこられた象徴のあり方が、愛子さまへと自然に受け継がれていることを実感させる一幕でした」
両陛下と愛子さまが醸し出す飾らない親しみやすさが、招待客たちの心をそっとほどいた秋のひと幕となった。
