特大ヒットの映画ちいかわ(公式サイトより)

 7月24日に公開され、現在もなお興行収入を伸ばしている『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』。10月26日時点では184億円を突破し、歴代でも10作品しかたどり着いていない200億円という大台に手が届きそうなところまで来ている。

映画『ちいかわ』が海外でも大ヒット

 特大ヒットの背景には、幅広いターゲット層に刺さる『ちいかわ』のストーリー性と、過剰な説明をせずあえて余白を持たせる構成など、複数の要因が考えられるが、中でも目を引くのが、緻密な入場者特典戦略だ。

「特典は初週の『ミニチャーム』に始まり、その後は『ボンボンドロップシール』や原作者ナガノ先生のイラストが収録された『ひみつ本』などが配布されました。10月24日からは、なんと“第7弾”。この特典は2週に1度のペースで更新され続けており、熱烈なファンはその度に劇場に足を運んでいるようです。

 歴代興収ランキング1位・2位を独占している映画『鬼滅の刃』シリーズも同様に特典で入場者を加速させており、第17弾まで実施したこともありました。『ちいかわ』はどこまで続くのか。一部のファンから“お財布がもたない”と疲弊の声も上がっている状況です」(映画ライター、以下同)

映画『ちいかわ』、台湾の映画館ではうさぎの武器『びんよよ』をモチーフにした風船が特典に(威秀影城インスタグラムより)

 飛ぶ鳥を落とす勢いで記録を伸ばす映画『ちいかわ』。この勢いは日本だけにとどまらず、海外にまで波及しているという。

「本作は台湾・韓国をはじめ、マレーシアやシンガポール、ベトナムなど10か国で上映されています。とりわけ、その熱が高いのが台湾と韓国です。

 台湾では7月31日に日本語版が、8月7日に中国語吹き替え版が公開されましたが、9月27日時点の興収は約8億円。これは今年の台湾の興収ランキングでもトップ10入りする記録なのです。

 一方の韓国では、9月30日に公開され、公開から3週連続で週末興行ランキング1位を獲得。10月23日時点で193万人が観覧する大ヒットになっています。両国とも、若い世代から人気を集めているそうですよ」

 中国では上映されていないのだが、熱心なファンは映画を見るためだけに、近隣国に遠征しているという。

海外でも“特典戦略”

 なんでも台湾・韓国では日本同様の戦略が組まれ、これが大当たりしているそう。

「台湾・韓国ともに入場者特典が配られているのです。台湾では、人気キャラクター・うさぎの武器『びんよよ』をモチーフにした風船や、ミニチャームなどが登場。これらの特典は週ごとに更新されており、現在“第13弾”と、日本に退けず劣らずの回数になっています。

 韓国では、映画館ごとに得点が異なるため、その特典内容で差異をつけている模様。人気の特典はちいかわ・ハチワレ・うさぎのポップコーンバケット。ほかにもキーリングポーチなど、かなり作りにこだわったものも見られています。こちらも日本と同様に特典欲しさに何度も映画館を訪れるファンは多いようです。特典を目当てに海外まで赴く日本のファンもいるかもしれませんね」

映画『ちいかわ』、韓国の映画館・CGVで配られるちいかわのキーリングポーチ2(公式インスタグラムより)

 アジアを熱狂させる『ちいかわ』。グッズの争奪戦は、その過激さから“ちいかわ戦争”とまで呼ばれているが、ファンの熱はいったいどこまで続くのだろうか――。