10月29日、お笑いコンビ・博多華丸大吉がMCを務めるNHKの情報番組『あさイチ』で放送された“ある特集”がネット上で物議を醸している。
NHK『あさイチ』の内容が物議
「この日は“個人間での精子提供”というシビアな内容について放送。こうしたやり取りは近年増加傾向にあり、その分トラブルも増えているという注意喚起の文脈もありました。現状、個人間精子提供においては法整備がなされておらず、リスクが大きいです。
NHKの取材では、100人以上に精子を提供した男性もおり、その方は女性側の希望によっては性行為も行っているとのこと。朝からヘビーな内容かつ、その実情に嫌悪感を示す人が多かったのです」(テレビ局関係者、以下同)
現在はドナー探しのためのマッチングアプリも増えている。アプリでは年齢・身長・血液型など基本情報だけでなく、まぶた・髪質・学歴なども条件のひとつとして設定可能になっている。
番組ではレズビアンカップルが取材に応じ、精子提供を受け、子どもを授かったことを嬉しそうに話していたのだが…。
「ほかにも旦那さんと離婚したものの、お子さんが欲しいと考える方のひとつの手段としても紹介。たしかに、不妊治療に悩む方の手段ではあるかもしれませんが、性感染症や性被害、経歴の詐称など、裁判沙汰の問題に発展することも少なくありません。ドナー側も“養育費を払え”と迫られることもあるといいます。
ただ、精子提供を介した当事者間のトラブルという特性もあり、互いに裁判をしたがらないケースが多いのです。法整備も整っていませんし、個人間の危険性を説明したかったのかもしれませんが、視聴者からは不快感が寄せられている状況です」
放送後、ネット上では、
《医療行為でもないことを普通に放送していいの?倫理的に公にできることとは思えないんだけど…》
《こういう番組に出ている人の中から一人も、「倫理的に問題だと思う」のひと言も出てこない日本が怖すぎる》
《数百人に精子提供してる人がいるって恐怖しかない。もし同じ遺伝子を持った子どもが、将来知らずに結婚してしまったらどうなるの?》
《えっっ?!これまでに数百人に精子提供て…知らんうちに兄弟姉妹がいっぱい居るかもじゃん。怖過ぎる》
など、さまざまな声が上がっていた。
シビアな医療のハードル
精子提供において、現在、医療の対象となっているのは『法律婚の夫婦』『原則夫が無精子症』であることが条件として定められている。全国17の医療機関で実施されているが、性的マイノリティや、シングルマザーの場合は、この2つのハードルをクリアすることができないのだ。
「ほかにも、年齢制限がある場合や、自費のため、費用が高額になってしまうなどの問題もあります。昨年、初めて国会に法案が提出されたのですが、それも対象となる人が限られてしまうのではなどの懸念から廃案になっています。
波紋を広げているのは、生まれてきた子ども側の将来についてあまり触れられていなかったことや、注意喚起も含まれていたとはいえ、法整備もままならない“個人間の精子提供”を公共放送という立場で広めたことです。
ひとつの手段であり、それによって新たな命が生まれていることもたしかですが、結果としてドナーへのヘイトも増加しています。あえて取り上げる必要はなかったのではという見方が多そうです」(前出・テレビ局関係者)
生まれてくる子どものためにも、リスクやその手段について十分に把握・理解したうえで、利用してもらいたい。
