柳楽優弥

 2クールにわたって放送されてきたTBS系日曜劇場『VIVANT』が、いよいよ最終回まで残り2話となった。全話で世帯視聴率15%超えを記録するなど、話題を集めてきた同作の終了を惜しむ声も聞かれるなか、気になる後枠ドラマの主演に抜擢されたのは柳楽優弥。視聴者をどうつなぎとめるのか気になるところだが、懸念材料も少なくないようで……。

 TBSは10月21日、2027年1月期の日曜劇場で柳楽優弥が主演を務める『Mr. MYSTERY?』を放送すると発表した。柳楽が日曜劇場で主演するのは初めて。演じるのは、警視庁被害者サポート担当係に所属する刑事・青柳徹。本作最大の特徴は、各話の冒頭で犯人が明かされる、いわゆる“古畑式”のミステリーであることだ。

 田村正和主演のフジテレビ系ドラマ『古畑任三郎』は、1994年にスタート。犯人を物語の冒頭で明かし、古畑が会話や細かな矛盾から犯行を暴いていくスタイルで人気を集めた。1996年放送の第2シリーズは平均視聴率25.3%を記録し、1999年の第3シリーズ最終回では28.3%に達した。

「『Mr. MYSTERY?』で柳楽が演じる青柳は、犯人を一方的に追い詰めるのではなく、相手の言葉や心情に目を向けて真相に迫る刑事です。犯行に至った理由や登場人物の人間模様にスポットが当てられている点も新鮮です。10月29日には、森七菜と吉田鋼太郎のレギュラー出演も決定。古畑よろしく、実力派俳優3人と犯人役の演技バトルも見どころになりそうです」(テレビ誌ライター)

“VIVANTロス”の中でスタートする

 一方で、2クールにわたって社会現象を巻き起こした『VIVANT』だけに、視聴者の“ロス”が広がることは確実。前作の視聴者をどこまで引きつけられるのかも気になるところだが、放送前から「大逆風」も予想されている。

「『VIVANT』は海外ロケを交えた大規模な展開に加え、複数話にわたって伏線を回収する構成が、考察好きの視聴者に強く刺さりました。スケール感や連続性のある物語、ラスト10分のハラハラする展開に慣れた視聴者にとっては、1話完結の形式が物足りなく感じられるかもしれません。各話の冒頭で犯人が明かされるため、黒幕や裏切り者の正体、物語全体の真相を予想するといった考察の醍醐味も薄れそうです」(スポーツ紙記者)

柳楽優弥は目立たないようにするためか、校舎の奥からひっそりと運動会に参加する娘を応援('18年5月)

 柳楽にとって、もうひとつ気がかりなのが、近年の出演作で定着したイメージとの兼ね合いだ。

柳楽が演じる”弁護士”の姿に

「柳楽は4月にNetflixで配信された『九条の大罪』で主演を務め、同作は国内の週間ランキングで4週連続1位、10週連続でTOP10入りするなど、大きな反響を呼びました。さらに、2027年1月8日には映画版の公開も控えています。つまり、1月期の日曜劇場が始まるタイミングで、柳楽は再び九条としてスクリーンに登場するわけです。視聴者の記憶に強く残っているのは、犯罪者の弁護を引き受ける型破りな弁護士・九条の姿でしょう。

 同時期に、犯人の心情に寄り添う刑事・青柳を演じるとなると、役柄の違いを頭では理解していても、どうしても九条のイメージがつきまといかねません。映画の宣伝も本格化する時期だけに、新作ドラマの印象がかすんでしまう可能性もあります。話題作への出演が続くことが、かえって新しい役柄への切り替えを難しくする。柳楽にとっては、思わぬマイナス材料になるかもしれません」(芸能記者)

 柳楽は“VIVANTの後枠”という重圧を跳ね返し、“令和の古畑任三郎”として日曜劇場の新たなヒット作を生み出せるのか。