高市首相

 内閣広報官の公式Xが投稿した内容をめぐり、SNS上で批判の声が噴出している。発端となったのは、高市早苗首相が福田康夫元首相の死去を受けて記者団の取材に応じた際、名前を言い間違えたのではないかというネット上の指摘に対する“反論”だった。

《#日テレさんありがとう》というハッシュタグまで

ヘリから被災地に手をあわせる高市首相の写真に“噛みついた”蓮舫議員(蓮舫議員の公式Xより)

 「事の発端となったのは10月26日、高市首相が福田元首相の遺族を弔問した後のぶら下がり会見です。SNS上の一部で“福田元総理の名前を言い間違えているのではないか?”との動画や指摘が拡散された。これに対し、内閣広報官の公式Xアカウントは10月29日、《一部で、総理がぶら下がり会見で福田康夫元総理のお名前を間違えたとの虚偽情報が流れています》と投稿。《偽情報(人を混乱させ惑わすために意図的・意識的に作られたウソ、虚偽の情報)にご注意を》と呼びかけたうえで、日本テレビが配信した動画を引用し、《他動画も参照頂ければ言い間違えていないことがわかります》と反論しました。さらに投稿の末尾には《#日テレさんありがとう》というハッシュタグまで添えられていました」(全国紙社会部記者)

この投稿に対し、SNS上では《虚偽情報の発生源が『内閣広報室』なの、笑う》《元総理が亡くなられた事象に対して「#日テレさんありがとう」って、どれだけ軽いのか?》といった批判が相次ぐ事態となった。

巨額の広報予算

「国民の冷ややかな視線に拍車をかけているのが、政府が掲げる広報予算の急増です。内閣官房が発表した2027年度予算の概算要求方針では、内閣広報室の予算要求額として、2026年度の10倍超となる「72億円」が計上されていました。首相個人の実績アピールはもちろん、細かな言い間違いに対して公的アカウントを使ってまで火消しに躍起になる一方で、広報予算を一気に10倍以上に膨らませる姿勢に対し、SNS上では怒りの声が続出しています」

《わざわざ広報にお金をかけなくても、国民のための仕事をきちんとしていればSNSや口コミで自然と伝わるもの》
《税金を使ったこうした発信が、政権の都合の良いイメージばかりを植え付ける世論誘導や洗脳、つまり『プロパガンダ』に変質していく危険性は非常に高い》
《過剰な演出や他人の人気に頼ったご自身の宣伝に、私たちの税金が使われることがないようにお願いしたい》

 物価高に苦しむ国民生活をよそに、自己アピールや政権浮揚のための演出に巨額の税金が注ぎ込まれようとしているのではないかという疑念は深まるばかりだ。

 閣僚の不祥事や外交日程の混乱といった根本的な失政には十分な説明を果たさないまま、SNS上でのイメージ戦略や演出ばかりに巨額の予算を投じる姿勢は、国民の目には「焦りと逃げ」と映りかねない。見せかけの広報や火消しに72億円もの血税を注ぎ込む前に、まずは政権が抱える山積みの課題や国民の生活苦に誠実に向き合うことこそが、今求められている。