11月8日、大相撲九州場所が福岡国際センターで初日を迎える。2年連続で前売り券の初日完売を記録するなど、その人気は年々高まっている一方で、この会場ならではの“力士とファンの距離の近さ”による問題が懸念されている─。
九州場所の会場・福岡国際センターの特徴
「福岡国際センターは、展示会や会議、コンサートなど幅広い用途に使われる多目的施設です。相撲の常設施設である東京・両国国技館とは異なり、本場所のたびに館内へ仮設の升席などを組み上げ土俵のある空間を作っています。その構造上、観客が通る導線と力士が土俵へと向かう一部の花道の動線が同じなため、距離が近くなるようです」(相撲ライター)
近年の本場所では、さまざまなマナー違反が問題視されてきた。
今年1月、公式YouTube『親方ちゃんねる【日本相撲協会公式】』では三保ヶ関親方、小野川親方、大嶽親方らが観戦マナーについて切実な「お願い」を発信して話題を呼んだ。
親方たちがまず苦言を呈したのは、取組前の力士への「入り待ち」だ。
会場の通用口や花道付近にファンが集まり、サインや写真、声かけを求める光景が見られる。取組前の力士は、勝負に向けて集中力を高めている最中でもあり「声はかけないようにしよう」というのは、昔からファンの間でできたルールだという。
このほか、立ち合い直前の大声や指笛、過度なヤジ、そして横綱が負けた際の“座布団投げ”もほかの観客や力士に影響を及ぼすとして、何度も問題になってきた。
九州場所でのマナーの悪さ
「大相撲の本場所は年6回。そのうち3回は東京・両国国技館(1月・5月・9月)で開かれますが、地方で行われるのは大阪(3月)、名古屋(7月)、そして福岡(11月)の、それぞれ年にたった1度きり。つまり、地方のファンにとって地元で本場所を生観戦できる機会は1年に一度の特別なものとなり、普段テレビで応援している力士を目の前にすれば衝動的に声や行動となって出てしまう気持ちはわからなくはないですね」(前出・相撲ライター)
去年の九州場所では「時間いっぱい立ち会い時のヤジ、酷かったですね」「何年も前からずっと九州のマナーの悪さと客の少なさは問題になっていました」「話にならないくらい酷かったですね 協会はもっと厳しくするべき」などと相撲ファンからの指摘が相次いでいた。
相撲ファンだけでなく、日本相撲協会も時間いっぱいの立ち会い時に合わせるような大声などを問題視していた。横綱審議委員会の大島理森委員長(元衆院議長)は、「観客のマナーという点においても『少し勉強しなければならんな』という、そういう風なご意見があったことをご報告させていただきます」と、定例会合でのやり取りをコメントしている。
場所場所で文化の違いや会場の導線、観客の楽しみ方も違ったりするのが魅力ではあるが、最低限のマナーは守りたい。今年の九州場所で観戦マナーが少しでも良い方向に向かうこと願う─。
