《「私らしさ」アピールなど機内でやる必要ないです》
ネット上でそんな手厳しい声が相次いでいるのは、大手航空会社全日本空輸(ANA)が公開した最新のプロモーション動画だ。発端となったのは、10月22日にANA公式SNSなどで公開された「#私らしいって、楽しいぞ。」をスローガンに掲げたキャンペーン。
公共交通機関のマナーとして違和感
旅の高揚感や移動時間そのものを楽しむ様子を切り取った、Vlog風のショート動画だ。出演メンバーがフライト中の機内で自由気ままに過ごす姿がテンポよく描かれているが、その演出をめぐって思わぬ反感を買う事態となっている。
問題視されているのは、周囲の乗客が静かに着席して過ごしている機内において、写真や動画を撮り合ったり、備え付けられたテーブルいっぱいにコスメを広げてメイクを始めたりするシーンだ。
《これ、機内の乗務員や他の乗客も撮影して良い、という認識で良いんですか?》
《狭い機内でこんなにはしゃいで暴れる人たちと一緒になるの本当に勘弁してください》
《こんな浮かれた乗客が来たらやだなぁ…。》
といったように、公共交通機関を利用する際のマナーとして違和感を覚えるユーザーが続出した。
ANA広報の狙いは
物議を醸している今回のプロモーションは、本来どのような狙いで発信されたのだろうか。ANAの広報に直撃してみた。
「今回のプロモーションの狙いにつきましては、HANA様が体現される多様な価値観が、すべてのお客様に安心・快適に機内でお過ごしいただきたいという弊社の思いと合致しており、HANA様と共に、弊社の取り組みを発信することを目指したものでございます」
ネット上では「マナー違反だ」といった批判的な意見についてどう受け止めているのか、重ねて見解を求めると、
「弊社では日頃より、すべてのお客様に安心・快適にお過ごしいただける機内環境づくりに尽力しておりますが、今回の演出におきまして、機内マナーに関するご懸念を抱かせてしまったことにつきましては、真摯に受け止めております。好意的なお声も多くいただいておりますが、頂戴したご意見を今後のプロモーションの参考として活かしてまいります」(ANA広報部担当)
たとえ演出の一部だったとしても、カスハラや乗客トラブルが後を絶たない公共交通機関の利用。乗客や従業員の安全を守って日々運営する航空会社としては悪手だったか。
